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相沢ヒロキ、異世界へ行く!  作者: 光晴さん


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第38話 依頼達成とその後




「美味いっ!」


俺たちは、ブラシュ村で唯一の食堂で念願の『ウナジュウ』を食べていた。


やはり、うな重は最高に美味しい。

特にたれが絶品だ。 異世界人がこの村で広めた『ウナジュウ』が、

こんなにも本格的に美味しい料理として残っているとは、

日本人としてうれしいかぎりだ。


みんな久しぶりのうな重ということで、お替りをしていたが、

こうして食事に現実逃避した所で、問題は無くならないんだよね~


だから、俺たちは話し合って決めた。

まず、迷い人のことは、出会ったら積極的に救うということで一致した。

残念ながら、今の俺たちは、迷い人を探すために旅に出ることはできない。


ならば、出会った迷い人を救うことだけはしておこうとなる。


また、討伐に出ている勇者組には詳しい内容は知らせずに、

迷い人がいることと、できれば保護を、できないときはこっちに知らせてと、

冒険者ギルドを通じて知らせておいた。


冒険者ギルドは、各地、各国にあるから勇者たちも利用するらしいので、

異世界人同士ということで連絡をしてもらったのだ。



後、500年前に空間魔法で作った箱庭と、俺の箱庭は融合しておいた。

あのエルフの女性曰く、空間魔法で作った箱庭は誰が造ったものであろうと、

同じ箱庭になるので、融合して一つにすると、


造った本人がいなくなった箱庭の機能が復活するそうだ。

その機能とは、自然の循環だそうで、

川の水や空気などの循環が、自然と同じように循環するそうだ。


また融合するといっても、どちらかの箱庭が無くなるわけではなく、

手を加えてないところは重なり、手を加えているところはそのまま残る。

そのため、あのエルフの女性がいる街はそのまま残り、


箱庭の大きさも、東京の半分から東京の3分の2へと大きくなった。


それと管理者が俺に代わり、あの宝箱もきれいに消えていて、

下に通じている穴だけが残っていた。

エルフの女性から聞いたところ、穴の通路は出口にあるドアが


箱庭と繋がっているそうで、

ドアを回収してくれれば穴の通路は塞いでも問題ないそうだ。


そのことを聞いた俺たちは、ドアを回収後、縦穴を俺の土魔法で塞ぎ、

家の床を直しておいた。



ギルドへの報告は、宝箱の開け方と、中にあった金貨2袋と宝箱の消滅を

報告し、依頼達成とした。

箱庭の事や迷い人のことなどを報告して、いらない混乱は避けたかたちだ。


これらを片付けて、俺たちは『ウナジュウ』のために何日か村に滞在する。


滞在中に、エルフの女性の事や箱庭にある空き家の整理などをする予定だ。




「自己紹介が遅れましたね、私の名はイザベラ。

この村が誕生して何年か経ったころ、この村を造った主様に拾われました。

それからは、この村の村長をしています」


すべての報告やお願いをすませた次の日、俺たちは箱庭の町に来ていた。

エルフの女性、イザベラさんの処遇や、

この町の空き家をどうするか話し合うためだ。


イザベラさんの自己紹介の後、俺たちの自己紹介とともに、

今後のこの村の目的を話し合っていく。


「では、今後この村は今まで通り、迷い人の保護や休息所、避難場所として

使っていくということですね?」


「そうです。 俺としては、この村で作物も育てたいし

酪農を始めるのもいいかなと考えているんです」


「マスター、それはいい考えです。

前の主様も、いろんな作物を育てて村の食糧を自給してましたよ」


……マスター?

もしかして、俺の呼び名か?

この箱庭の現在の持ち主だから、そんな呼び方になるのかな?


「えっと、そのマスターというのは、この箱庭の持ち主だからかな?」

「はい、その通りです!」

…ああ、なんかみんなの視線が微笑ましいものが見れたって感じだ。


あと馬場、羨ましがるな! お前の悪口は全部聞こえているぞ!




この話し合いの後、俺たちは町の見学兼残す家を決めていった。


また、郊外にあった畑を見つけることができた。

「この畑は、また耕せば使えそうだな」

ケンジは、畑の土を手で触りながら、確かめている。


「しかし、この広大な畑を使うとなると、奴隷を使うことになるかな?」

「そうだな青島、ここ箱庭の秘密を守るには、奴隷の方が都合がいいか……」

「それなら、家族で奴隷になっている人がいいと思うわよ」


畑の管理で、ケンジと青島と山本が話し合っている。


「イザベラさん、昔は誰がこの畑を管理していたんですか?」

「最初は主様が使っていて、そのあと保護した迷い人たちが使いだし、

ここで育った人たちが外へ出るようになってからは、誰も使っていません」


「それなら、一度土魔法でかき混ぜないといけないな……」


ケンジが、畑を見回りながらそんなことをつぶやいている。

ケンジって、畑について詳しいんだな。

意外な一面が見れた……



この後、牧場に適した場所を探しながら、さらに村を見て回った。

そして、牧場に適した場所も見つけ、残す家を決めた俺たちは、

ブラシュ村での逗留を終え、次の日には村を後にした。



なかなか濃密なブラシュ村での出来事を得て、

町へ帰ったら、箱庭での村づくりと、奴隷購入を考えることになる。








読んでくれてありがとう、次回もよろしく。


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