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相沢ヒロキ、異世界へ行く!  作者: 光晴さん


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第34話 依頼の宝箱




宝石は女を変える。

この言葉は、嘘ではなかった。


アーシアさんの落ち込みが一番激しかったこともあり、罪悪感から、

ゴブリンから得たクズ魔石を、錬金術で『分解』『再構成』してから、

土魔法の『宝石生成』をする。


すると、クズ魔石5個が、赤い宝石に早変わりだ。


ゴブリンなどの弱く、魔力を持たない魔物の魔石は、色が薄く白色に近い。

また、魔力を多く含む魔石はより赤く、赤ければ赤いほど魔石の価値は上がる。


今回、錬金術で分解するのは、実は、クズ魔石としてはよくやる方法で、

ポーション製作の時、使われている。

また、魔石を分解し再構成するとクズ魔石の濁りが取れて輝きが増す。


だから、宝石のような輝きが出たというわけだ。

後は、宝石生成で宝石のような形を成型してやれば、

今回作った魔石の宝石が完成する。


無論、魔石としての機能も残っているから、再構成した魔石と言えなくもない。

しかし、所詮はゴブリンのクズ魔石5つ分。

使い道としては、あまりないように思えるが……



しかし、この宝石を女性たちは欲しがった。

で、俺は人数分作ると、今度は少女2人にお付きの人もほしがったのだ。

女性たちが持っている、いろんな形の宝石に目を輝かせて、俺にねだってくる。


そして、俺は3人にもそれぞれ宝石を渡してあげた。

喜んでくれるのはいいんだが、

あまりの喜びように、罪悪感から宝石の価値をそっと安西に教えてやる。


「……うん、知ってる。

私、鑑定できるからこの宝石の価値もわかっている。

でもね、女は光物に弱いのよ? 他の人に教えるのはやめときなさいよね?」


「そうだよな、分かった、黙っておくよ」

「というか、なぜ私に教えた?!」

「いや、安西の独自スキルは知っていたからな」


「……それなら、しょうがないか」

納得いかない顔をしている安西だけど、とりあえず宝石は喜んでいるようだ。




3日目の道中は、盗賊など出ることなく村へ無事、到着することができた。


ブラシュ村の入り口には、見張りなどはおらず、

そのまま馬車で村の中へ入っていく。


そして、村の広場らしき場所で解散となった。


セシリア、ミリシア、アーシアの貴族3人は、女の子2人とお付きの女性に

ついて行き、村にある宿に泊まるようだ。


冒険者4人は、盗賊などの報告と馬車の馬調達のため冒険者ギルドへ。

どうやら、この村にも冒険者ギルドはあるようだ。


で、俺たちは村長の家に行き、依頼の家に行くことになる。


とにかく、依頼を早くこなして村の食堂で『ウナジュウ』をいただくのだ。

俺たちがこの村に来た、最大の目的なのだから……



俺たちは、村長の家で依頼のあった宝箱のある家を教えてもらった。


どうやら何度も冒険者が訪ねてくることがあるらしく、

依頼で来たと言えば、すぐに家の場所を記した地図と家の鍵を渡してくれる。

後は、地図の通り村の中を進み、依頼の家を目指すだけだ。



俺は、村の中をキョロキョロしながら、依頼の家まで進んでいく。

みんなが不思議に思っているようで、木下先生から注意を受ける。

「相沢君、キョロキョロ村を見ているけど、どうかしたの?」


「いえ、村とはどういうものなのかを見ていたんです。

箱庭に村を造ろうとしている俺たちとしては、今存在する村は参考になりますから」


「なるほど、それでキョロキョロしていたのか……

俺はまた、ヒロキが村人の中にめずらしい種族の人がいないか探しているものと…」


馬場、お前と一緒にするなよ。

今もなお、お前の視線は畑を耕している猫耳親子にいっていることは、

みんな気づいているぞ?


畑の猫耳母娘もな……




村長の家から、20分ほどかけて依頼の家に到着。

その家は普通の家で、村の中で見かけるほかの家と変わらなかった。


特別怖そうな家でも、変わった家でもなく、

ごく普通のどこの村にあってもおかしくない家だった。


こんな家に誰にも開けることのできない宝箱があるのかと、不思議に思いながら

家に入ると、その宝箱は入ってすぐの場所にあった。


「……こんな目立つところにあるとは思わなかったな…」

「そうね。 でも、何か恐ろしい宝箱というより、

ダンジョンなんかで出てくるごく普通の宝箱のように見えるけど……」


「大きさ以外はな、安西」


俺たちの目の前にある宝箱の大きさは、洗濯機ぐらいある。

宝箱としては、大きい部類だろう。


見た目は宝箱、鍵もでかい南京錠のようなものが付いていて

簡単に開きそうもない。

「安西の鑑定で、どこかおかしいところはあるか?」


「さっきから鑑定かけているけど、どうも阻害されているみたい。

鑑定できないってなっているから……」

「それなら、調べてみるか……」


俺はたちは、宝箱を見て、触って、よく見て調べていく。

話に聞いていた通り、重くて動かすことはできなかった。

それもゴーレムを使っても動かなかったところを見ると、重くて動かない、


ではなく、地面から宝箱が生えていると見た方が正しい。

「こんな宝箱が、この世界にはあるんだな……」

このことが分かった時、みんなして地面と宝箱の接地面を観察したものだ。



さらに、時間をかけて調べてわかったことがある。

実はこの宝箱、普通の宝箱ではありえない場所に、切れ目がある事が分かった。

「変な宝箱ですね~、まるで開けてほしくないような感じです」


ん~、でもこんな切れ込みが入ったものを、どこかで見たことがあったな……

どこだったかな……







読んでくれてありがとう、次回もよろしく。

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