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相沢ヒロキ、異世界へ行く!  作者: 光晴さん


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第25話 報酬の分け方




オークキング討伐から1か月が過ぎると、町の騒ぎも落ち着きを取り戻し

いつもの日常が戻っていた。


また、南のゴルダーの森もオークキングがいなくなり、

ゴブリンの集落がなくなりで、1か月もすればいろんな生き物や魔物が

戻ってきている。


ただ、変わらないのは森の奥の生態系だけだろう。



俺たちはオーク討伐戦から帰ると、まず屋敷に帰って十分な休みをとった。


たった1日だけの討伐戦だったが、

あんなに精神的にくるとは思わなかったからだ。


翌日は休みにして、俺は町の様子を見に外へ出たがすぐに後悔することになる。


何せ、あちこちであのオークキングを倒した貴族の話をしているからだ。

やれ、貴族の一団の勇敢な戦いぶりとか、

やれ、華麗な貴族の経歴とか、もう訳が分からない噂だらけ。


町を見て回ってうんざりしていた。

だから町の様子見は、早々に切り上げて屋敷帰ってきたよ。



さらに次の日、今度は冒険者ギルドへ行くと受付で

オーク討伐で狩ったオークの買取をお願いしておいた。


実は、オーク討伐終了時にギルド側から10日以内に

オーク討伐期間中に狩ったオークを納入するようにお願いされていたからだ。

また10日を過ぎたオークは通常買取になるとの注意も受けていた。


今回のオーク討伐時、周辺に出現する魔物のオークのほとんどが

オークキングの所為でゴルダーの森に集まっていたため、

10日という期間が設けられた。


通常は、3日以内ないし5日以内が慣例で

10日以内となったのは、10日以内の距離にいるオークを持ってきて

買い取ってもらっても、多くの数を用意することはできず割に合わないからだ。



それで、ギルド受付で買い取ってもらおうとしたのだが、

俺たちのパーティーが狩ったオークの数が問題だった。


723匹。

今回のオーク討伐で、堂々の討伐数1位になっている。

ギルドの受付嬢も、顔を引きつらせていたのが印象だったよ。


馬場曰く、『かわいい顔が台無し! でも、テンプレ最高!』だそうだ…


この700以上のオークをいっぺんに買い取ることは不可能だそうで、

200匹ずつを4日に分けて買い取ることになった。



それと、今回のオーク討伐の報酬の内訳だが、

まず、オーク討伐では、1匹金貨10枚の723匹で、金貨7230枚。

オーク討伐の参加報酬で、1人金貨5枚の10人で、金貨50枚。


うち2人が治療班勤務で、特別報酬の金貨100枚で、2人分で金貨200枚。


で、ここからが少しややこしくなる。

今回俺たちのパーティーには、フィリアが臨時として一緒に戦った。

そのため、ここにフィリアの報酬も足すことになるうえ、


治療班の報酬は、山本と石原の個人の取り分なので除外することに。


これらを踏まえてもう一度計算しなおすと、

オーク討伐に参加した俺たち1人に支払われる報酬は…

などとみんなに説明していると、馬場から案の定めんどくさいとのクレーム。


また安西や山本からもクレームがあったので、計算方法をやり直した。


オークの買取金と参加報酬を合わせて、フィリアを加えた人数の11人で割り、

出た答えの金貨663枚をフィリアの取り分とした。


そして、俺たちの取り分は、

オーク買取金からフィリアの取り分である金貨663枚を引いた、金貨6567枚と

参加報酬の合計金貨50枚、さらに、治療報酬の金貨200枚を足した、


合計金貨6817枚を10人で分けた、

金貨681枚と銀貨70枚がそれぞれの取り分となった。


…報酬の山分けって、大変だ。

これをやった木下先生、お疲れさまでした。


でも、報酬を受け取ったフィリアの狼狽ぶりは可愛かったとだけ言っておこう。


ただ、この報酬の分け方、気づいた人はいると思うが、

本来のフィリアの取り分が少なくなっているのだ。


本当なら、フィリアはオーク討伐報酬の金貨7230枚を

参加人数の9人で割った金額に、参加報酬の金貨5枚を加えた金貨809枚が

本当の取り分なるのだ。


だが、これだと治療班で頑張っていた2人の取り分が少なくなってしまう、

これを何とかしようと打ち出した計算方法だったのだ。


勿論、木下先生はフィリアによく説明していた。

まあ、フィリアの頭から少し煙が見えたのは幻覚だろうが…



報酬を受け取った後、俺はみんなにある提案をさせてもらった。

それは、俺の空間魔法が作り出した箱庭に、

別荘気分の村を作らないかというものだ。


これには、みんな、提案直後はあ然としていたが

すぐに乗り気になってくれた。


何せ、自分たちによる自分達だけの村を作るのだ。

そして、いつでもその村に行き、好きなことをして過ごせる場所。


考えようによっては、本当に好きなことができる。

俺たちの世界の料理を作っても、便利な魔道具を作ったとしても、

一切目立つことはなく、面倒なことに巻き込まれない場所。


ファンタジーでありながら、俺たち化学の知識が加わり

すごい村が誕生しそうだと、話し合いの時から盛り上がってしまった。


それに、みんなの内なる野望も聞くことができた。



まあ、約1名、聞くまでもなかったがな!


「今回の報酬で、さっそく可愛い奴隷か美人な奴隷をゲットだ!」

と叫んで、女性陣から真冬の南極より冷たい目を向けられていたが…


とにかく、村を作るには、まず、しなければならないことがあるんだよね。



そして、次の日から俺たちは、行動に移していく。

自分たちの充実した生活のために、そして、生産職の野望のために…








読んでくれてありがとう、次回もよろしく。


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