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相沢ヒロキ、異世界へ行く!  作者: 光晴さん


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24/73

第24話 これからが大変です!




白い壁を抜けると、元のゴルダーの森の中へ戻ってきた。

全員が、異空間から出てきたことを確認すると俺は白い壁を閉じる。


【クローズ】


俺が呪文を唱えると、白い壁が消えた。

「…なるほど、呪文1つで出入り口をどこにでも作れるのか」

松尾先生が、空間魔法に興味津々のようだ。


「後30分ぐらいで、夕刻です。

早く森を抜けて、山本さんと石原君に合流しましょう」

木下先生が、促すように俺たちを先導して森を抜けていく。


こういう時の木下先生は、リーダーらしくて頼りになるな~



みんなで、急いで森を走っていると松尾先生が俺に話しかけてくる。

「相沢君、ちょっといい? あ、走りながらでいいから」

「はい、なんですか?」


「空間魔法って、誰でも覚えること、できるの?」

「それが、お城にいた時、魔法を教えてくれた人に、聞いてみたんですが、

空間魔法って、覚えること、できないみたい、なんですよ」


「どうして?」

「それが、よく、分かって、ないらしいんです。

でも、空間魔法に、関する、書物はあるらし、く、教えては、貰いまし、た」


「そう、覚えれないのね…」

「なあ、どうでもいいが、ヒロキも、松尾先生も、

何で、森の中を走りながら、会話が、できるんだ?」


森の中は、木々が多く、根が張り出していることもあり

その根をよけながら走ることは、足元を最大限注意しながら走らないといけない。

みんなが無言なのは、そのせいだろう。


ケンジが文句を言うように、

みんなの、俺と松尾先生を見る目が少し痛い…



俺の持つ空間魔法は、使い方や研究した本などはお城の図書室にあったが

覚え方が記された本は見つからなかった。

魔法を教えてくれた人にも、覚え方のことを聞くと分からないとのこと。


でも、空間魔法が廃れた原因みたいなのは、教えてもらった。

どうやら、この世界各地にあるダンジョンが関係しているそうだ。


正確には、ダンジョンの宝物から出てくる『スキルスクロール』

所謂、スキルが書かれた巻物で、それを読むだけでスキルが覚えられるとのこと。


中でも『アイテムボックス』のスクロールは、3日に1つは見つかるほど

出現率が高く、一般にまで出回っているようだ。

そのため、空間魔法の空間収納を使わなくても、アイテムボックスが手に入るので


空間魔法が廃れていったのではないかと、教えてもらった。


今では、空間魔法があろうとなかろうと重要視されていないらしく、

俺が召喚された時も、ステータスに空間魔法があって落胆されたことからも

空間魔法はクズ魔法扱いなのだろう。


空間魔法、便利なのに……


ちなみに、小説でよくある『無限収納鞄』は存在している。

勿論これも、ダンジョンの宝物の1つとして見つかるが、

商人たちは、アイテムボックスのスクロールを求めるので倉庫鞄として

よく使われているらしい。




そんなことを考えながら走っていると、すぐに森を抜けることができた。

皆と、ゴルダーの森を抜けるとそこは、お祭り騒ぎだった。


お祭り騒ぎをしている場所から、少し離れたところに出たので

騒ぎを遠巻きに見ていると、2人の人物から声をかけられた。

山本と石原だ。


「みんな、おかえりなさい!」

「みんなが無事に帰ってきてくれて、うれしいぞ!」

2人とも、俺たちの無事な姿を見てうれしそうだな…


まあ、治癒の最前線で戦っていたみたいだから、しょうがないか…


「ところで山本さん、石原君、あの騒ぎは何です?」

木下先生が、指さす先を見て山本も石原も苦笑いをする。


「それが、冒険者をしている貴族の一団が、オークキングを倒したそうで

そのお祝いと称した騒ぎです」

「へ、へぇ~、オークキングを倒したんだ…」


…安西の顔が引きつってる、珍しいものが見れたな。



「それに、捕まっていた女性たちも助けたそうです」

「そ、そうなの? 捕まっていた女性たちをね…」


…今度は、藤倉の顔が引きつっているな…

まあ、誰が手柄を横取りしようが、かまわないんだけどね。

実力がともなわない功績は、必ず報いを受けるからな……


あの中心で喜んでいる貴族の運命は、

これからの頑張りで生死が決まるんだろうな。



「ところで、皆はどうだったんだ?」

石原が俺たちの成績を気にしているようだな、馬場よ、教えてやれ。

「ふっふっふ、石原、俺が教えてやろう。

俺たちは、オークを各種合わせて約700匹倒したぜ!」


馬場が親指を立てて、サムズアップしている。

「すげぇな! 討伐数でいったら1位の成績かもしれないな!」

「そうだろう、そうだろう」


馬場よ、皆の協力あっての成績だぞ? 分かってるか~?



「そういえば、これでオーク討伐は終了だよな?」

「ああ、もうすぐギルド長が終了の合図の魔法を撃つはずだ」

俺は、あの騒ぎから少し離れてギルド職員と話しているギルド長を見る。


「でも、ギルド職員と何か話しているな…」

「あれは、ゴブリンの集落が3つも発見された所為よ」

山本が、石原と俺の話に割り込んでくる。


「…そうか、ゴブリンのあの数の正体は集落があったからか。

で、その集落はどうするんだ?」

「どうもしないわよ、もう存在しないし」


「討伐されたのか?」

「ああ、1つはオークの集団に。

もう2つは高ランク冒険者たちによってな」


「なら、ギルド長が話し込んでいるのは事後処理の指示とかかな?」

「そうでしょうね」

その時、ギルド長が上空に合図となる魔法を放ち、大きな音とともに

オーク討伐の終了が知らされた。



こうして、長い長いオーク討伐の1日は終わった。


自ら参加した冒険者の中にも、動員された騎士や兵士の中にも

今回の討伐で、犠牲になった人は少なくないらしい。


他の医者たちや治療士たちと一緒に頑張っていた石原や山本の話だと、

自分たちの無力さを、いやというほどわからせてもらったと

背中から哀愁が漂うほど、いろんなことがあったのだろう。


俺たちも、いろいろと体験できたオーク討伐戦だったな…

これからは、平和な日々が続くといいのだが…







読んでくれてありがとう、次回もよろしく。


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