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相沢ヒロキ、異世界へ行く!  作者: 光晴さん
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第2話 女は怖い!




夜も深まり、たき火をみんなで囲んで

夕食後の時間を待ったりと過ごしていると、御者のおじさんが


「今日は、私どもの見張りがいますので皆様はゆっくりお休みください」


どうやら、御者さんの他に雇っていた人がいるらしく

夜の見張りをしてくれるそうだ。

皆が自分たちで張ったテントに入っていく中、俺はたき火の側で


スキルの訓練をしている。

これは、ある称号を手に入れるためにここのところ寝る前にしていることだ。


「相沢君、夜更かしは明日に響くわよ?」

担任の先生だった木下先生が声をかけてくれる。

が、横から俺の行動を訝しげに見る1人の女子のセリフが心に刺さる。


「美代先生、あれ見てください。

異世界に来てまで、フィギアを作っているオタクなんですよ」

……安西 知佳、偏見はよくないぞ?


「人形?」

「あのな、これはゴーレムを作っているんだよ。

それと、安西、オタクに偏見をもつのはよくないぞ?」


「むー、相沢が「ちょっと待って、知佳さん」…」

「相沢君、ゴーレム? その人形がゴーレムなの?」

安西が何か文句を言おうとしたとき、先生にさえぎられて黙ってしまった。


それに、先生がゴーレムに食いついたようだな…

「そうですよ、この大きさでもゴーレムなんですよ」

「へ~…」



「嘘ね! お城でゴーレムを見たことあるけど

そんなに小さくなかったわよ?! 嘘は言わないでよね!」


…腕を組んで、怒って文句言っているけど

安西って結構胸あったんだな……って、何考えているんだ俺!

視線を外しておかないと…



「あっと、あのな、土魔法の中にゴーレムを作る魔法があるのは知っているか?」

「『ゴーレムクリエイト』のことでしょう?」

「そうです先生、でも、人より大きなゴーレムを作るには必要なものがあるんです」


「…何か必要なの? 呪文唱えてできるんじゃないの?」

「それじゃあ、今作ってるこれと変わらないよ。

ゴーレムに必要なものは『核』になるものだよ」


「「核?」」


「魔物のゴーレムなんかも、核が存在するんだ。

もっとも、倒してしまうと核が消滅するらしいけどね」

「へぇ~」


「で、安西がお城で見たゴーレムなんかに核として使われているものが

『魔石』なんだよ」

「魔石だったら、魔物を倒すかギルドで購入するかすれば…」


「先生、残念ながらゴーレムの核に使う魔石って結構大きいんです。

その大きさの魔石を購入となると、まず手が出ませんよ」

「…そんなに大きいものが必要なの?」


「ええ、ゴーレムの核にはゴーレムを動かしたり、何をさせるかの命令を

魔石に刻まないといけないので、ある程度の大きさが必要なんです」


「ゴーレムって、お金かかるのね~」

「まあ、それを補う魔法も存在しているんですよ」

「そうなの?」



こんな話をしている時も、俺はゴーレム人形を作り続け

ついに、スキルと称号を得ることができた。

「あれ、感覚が変わった……もしかして……」


俺はステータスを開いて、スキルと称号を確認すると

欲しかったスキルと称号が表示されていた。


「相沢、もしかして……」

「ああ、欲しかった称号とスキルを手に入れたよ~」

「相沢君、それで話している最中もゴーレムを作っていたのね?」


「それで、どんなスキルと称号を手に入れたのよ」

「ん~、まあ2人にならいいかな」


俺は、地面に手をついて、呪文を唱える。


【宝石生成】


すると、俺の手のひらに地面から光が集まり1つになって姿を現した。

「ちょっ! それって!?」

「相沢君?!」


2人は、俺の手のひらに現れた宝石に驚いている。

「旨く生成できたようだ、これがゴーレムの核になる魔石の代わりの宝石です」

それは、通常ではありえない大きさの赤い宝石。


「……こんな大きなルビー、始めて…」


「ね、ねぇ、その宝石を核に使うの?」

「そ、そんな、もったいない!」


先生と安西は、目の色を変えて俺に近づいてくる……

なんか怖いから、ルビーを砂に戻していった。


「「ああ!! あぁ~~」」

サラサラと崩れていくルビーを見ている女2人。

そんな、この世の終わりのような顔で見なくても…


「ねぇ相沢君、宝石を作れるスキルってあるの?」

「一応ありますよ、俺が覚えたスキルですから…」

「相沢、私にも覚えられるかな?」


近い! 2人とも、顔が近いよ!

「あ、後からでも、覚えられ魔法ですから」

「「教えて!」」



ものすごい必死に覚えようと、顔を近づけないで!

「ま、まず、土魔法を覚えてください」

「「…へ?」」


「あのですね、この魔法はある条件を満たして覚えれるんですよ」

「…そ、そうなのね。 分かったわ、まず土魔法を覚えるのね」

「次は? 次は?」


「次に『ゴーレムクリエイト』の魔法を覚えてください」

「…ゴーレムを作る魔法ね…」

「それで、次は?」


「次は『錬金術』を学んで、スキル表示してください」

「…錬金術がスキル表示するまで学ぶって、相当勉強しないといけないはずよ?」

「ちょっと、いい加減な条件を教えてるの?」


安西、顔が近い!

「そ、そんなことないよ、

ちゃんと、条件を提示しているよ」


…安西の目が、笑ってない…

「あ、あのな、この魔法は『錬金魔法』といって、錬金術は必須なの。

宝石もゴーレムの核のためのものだし、その宝石にゴーレムを動かすための

命令を刻むには錬金術が必要なんだよ。

それに、この宝石は時間がたつと砂に戻るから商品価値はないぞ?」


「「そ、そんなぁ~」」


2人の嘆きは、夜の闇に響くのであった。

……まことに恐ろしきは、女の欲望か?








完結めざしますので、見捨てずよろしくお願いします。


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