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相沢ヒロキ、異世界へ行く!  作者: 光晴さん


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第18話 オーク討伐の不安!




「そいつ、オークジェネラルよ! 気を付けて!」


ゴルダーの森をさまようこと3時間、オーク討伐は今のところ問題ない。

ゴーレム武者は確実にオークを倒していっているし、

それに伴い、俺たちのレベルも上がっていっている。


今も、オーク7体とオークナイト3体、そしてオークジェネラル1体を相手に

善戦している。

「オークが多い! 俺が動きを鈍らせるからその隙に!」


【フォレストバインド】

【ストーンチェーン】


森という地の利を生かし、蔦を操りオークに絡ませて動きを鈍らせる。

また、地面から土魔法で石の鎖を作りさらにオークたちに絡ませ身動きできなくする。

これで、皆が攻撃しやすくなる。


もっとも、拘束できない相手もいるんだが…

「オークナイトの動きが素早い! 蔦を簡単に切りやがった!」

「ケンジ、鎖はまだ生きてる! ハンマーで頭かち割れ!」


「おおっ!」

鈍い音とともにオークナイトの断末魔が聞こえ、そのまま地面に沈む。

「よっしっ!」


「ケンジ、動きを封じてるオークに止めを! みんなと合流してくれ!」

「わかった!」

「安西! オークジェネラルはゴーレム武者に任せて皆と合流してくれ!」


安西は頷き、すぐにみんなのもとに走っていく。

ゴーレム武者3体と俺に、拘束されているオークナイト1体…

そして、盾と剣を構えてこちらをうかがっているオークジェネラル。


『ブギャ!』

ゴーレム武者の1体が、拘束されていたオークナイトの首を刎ねて殺すと

形勢は完全に俺たちに有利だ。


俺の後ろでは、拘束しているオークやオークナイトが次々と倒されていっている。

オークたちの断末魔が聞こえるから、止めを刺していっているのだろう。



すでに勝ちはないと悟ったのか、オークジェネラルはじりじりと後退していく。

「逃がさんっ!」


【ストーンチェーン】


ジェネラルの足に石の鎖が絡みつき、ジェネラルはバランスを崩し転倒。

そこへゴーレム武者の1体が攻撃を仕掛けるも、盾と剣でかわされていく。

ジェネラルも必死のようだ。


「覚悟!」


【ストーンチェーン】


石の鎖がジェネラルの腕に絡みつき、両手が使えなくなった。

もがくジェネラルに、ゴーレム武者は刀をジェネラルの首に突き刺す!


『ギャゴオォ!』

それは、ジェネラルの断末魔。

ゴーレム武者はそのまま、ジェネラルの首を落とし止めを刺した。


これで戦闘終了だ、いつの間にか、後方の戦闘も終わっていた。

俺はジェネラルの死体を空間収納でしまうと、皆のもとに走る。


途中にあったナイトの死体も回収して、みんなのところに行くと

オークの死体とともに、皆座り込んでいた。

「みんな、お疲れ様~」


木下先生の少し間の抜けた声に、みんなして苦笑いだ。

俺はその間もオークやオークナイトを空間収納に回収していく。


「木下先生、ここはいったん森から出ませんか?

ここまでの戦いで、みんな疲れ切っているように思えます」

青島がみんなを見渡して、木下先生に判断を促す。


「…そうね、ここまで連戦続きだったし、いったん森を出て休息をとりましょう」

こうして俺たちはいったん森の外に出て休息をとることにした。

森を出る前にゴーレム武者を、宝石に戻しておかないとな……




30分ほどかけて森を抜けると、そこは戦場だった。


ケガ人が森から運ばれてくる。

治療班のいるテントは、戦場だった。

あちこちで怒号が聞こえる。 助かる、助けると励ます声も聞こえる。


「…松尾先生、ポーション作ってましたよね?」

「ええ、治癒ポーションとマナポーションをたくさん用意したけど…」

「それ、提供できますか?」


松尾先生は俺の質問の意図をすぐに理解して行動に移す。

「わかったわ、山本さんと石原君に渡してくるわ」

そう言って、テントへ走っていった。



そして、俺たちは治療班のいるテントから離れた場所で休息をとることにした。

少しして、ポーションを渡してきた松尾先生も合流する。

「松尾先生、石原たちの様子はどうでした?」


「2人ともかなり疲労困憊って感じだったわ、

渡したポーションをすごくありがたがっていたから、かなり大変みたいね」

治療班のいるテントから、だいぶ離れているのにまだ声が聞こえるのだ。


あっちがどれだけ戦場か分かる。

「それにしても、オークの数が多いな」

「そうだな、多分、オークキングが次々と集めて送り出しているんだろう」


みんな言葉数が少ない。

フィリアにいたっては、木下先生の膝枕で寝ているようだ。

「フィリアちゃん、私たちについてくるのがやっとって感じだったわね…」


「それで、俺たちはどれだけのオークを倒したんだ?」

「馬場、気になるか?」

「森に入ってから戦い続けていて、数えれなかったからな」


俺は空間収納の中にあるオークの死体の数を数えると

「…今数えたら、527匹、倒しているみたいだな」

馬場が、腕時計を確認すると


「午前中だけで500匹以上って、

どれだけこの森にオークが集まっているんだよ…」

「おそらく、それだけ今回のオークキングが優秀なのかもしれませんね…」


「青島、不安になること言うなよ……」

「すみません、馬場君」

謝る青島を見ないで、馬場はゴルダーの森を見つめている。



これはオークキングを見つけて、早く討伐しないと

もっとオークが増えるかもしれないな…


俺は一抹の不安を抱えて、休息をとっていた。








読んでくれてありがとう、次回もよろしく。


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