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相沢ヒロキ、異世界へ行く!  作者: 光晴さん


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第14話 今後どうする?




「オークが出たじゃと?!」


ジルーナの町の冒険者ギルドを任されているギルド長、レオンは

秘書のニーナの報告に驚いていた。

レオンはすぐに報告書をニーナから受け取ると、上から下まで読んでいく。


「遭遇したのは…」

「『突風のフォレスト』です。最近、パーティーランクを銅に上げて活躍しています」

「そのフォレストのメンバーが、オークに襲われたということか…」


オークは、ゴブリンとともに有名な魔物だがこの世界では強さが少し違う。

魔物の中でもかなりの醜さで、女性冒険者が最も嫌う魔物だ。

さらに、オークは森の奥を生活圏としている強い魔物なのだ。


そんなオークが、数を集めることがある。

それはオークキングが生まれ、その配下にたくさんのオークが集まり軍団を作る。

その軍団は、町や村や集落などを襲い女たちをさらって

キングへの貢物とするそうだ。


「それで、オークを倒したのが例の異世界人たちのパーティーか」

「はい、ゴブリン狩りをしていて襲われているフォレストを助けたと…」

「確か、生産職の集まりだと聞いておったが?」


「その認識で間違いありません。ただ、その中に土魔法の使い手がおりまして」

「となると、ゴーレム使いがおったのか」

「はい、そのゴーレムでオーク3匹を撃退したと」


「…オーク3匹というところが怪しいな…」

「調査させますか?」

「確か、ゴブリンも数が増えすぎておったじゃろ。

それと合わせて、調査させてくれ」

「わかりました。緊急依頼として指名しておきます」


「たのむ。しかし、オーク討伐とはなかなか異世界人は強いのう…」


ギルド長の呟きに答えるはずの秘書は、すでに部屋を出て以来の準備に入っていた。

ゴルダーの森でおきていた異常繁殖。

これから調査が始まるが、脅威はすでにすぐそばまで迫っているのかもしれない。




▽    ▽    ▽    ▽




ゴルダーの森でのゴブリン狩りを終え、ギルドで素材を換金してもらってから

俺たちは屋敷に帰ってきた。

そして、夕食を終えてから再びみんなを集めて今後のことを話し合うのだ。


「さて、みんなある程度レベル上げをしたんだけど、今後はどうするの?」

木下先生が、今後のことをみんなに聞いている。

やはり、このメンバーのリーダーは木下先生で決まりだな…


「先生、私と石原君は自分の得意魔法である

治癒魔法を活かした仕事に就こうと思います」

山本と石原は、治癒以外の魔法や武器が駄目だったんだよな……


「何か、活かせる場所があるの?」

「帰りの冒険者ギルドの募集掲示板に、

平民街の医者が治癒魔法の使い手を募集していたんです」


「ああ、それで山本と相談してその募集に応募してみようかと思ってな」

「なるほど、適材適所というわけですね。

ですが、できれば交互に働いてくれると私たちが助かります」


「先生、その辺りはわかっています。応募するのは1日おきにしますので」

「それでしたら、私に反対する理由はありません。みんなはどうです?」

「「「異議な~し」」」


「では、山本さんと石原君は決まりですね」

石原と山本はお互いホッとしている。

反対されるかもしれないって心配していたんだろう。

俺たちの中に治癒魔法の使い手は、この2人だけだからな…




「木下先生、私はポーション製作などに挑戦してみようかと思います」

「松尾先生は確か『薬創作』の独自スキルを持ってましたね」

「ええ、ですからこの町にある図書館で勉強してみたいんです」


松尾先生って面白そうなスキルを持っているな…

「あ、図書館へ行くなら私も行ってみたいです」

「藤倉さんも図書館で勉強? 確か藤倉さんの独自スキルは…」


「錬金魔法です」

「そうそう、でも錬金魔法で何か作ってみたいものでもあるの?」

「いえ、この錬金魔法で何ができるかを調べたいんです」


なるほど、確かに錬金魔法で何ができるのかは調べてみないと分からないよな。

俺の錬金術と錬金魔法は違うらしいし…

こんなことなら、お城の図書室で調べておけばよかったな。


「わかりました、松尾先生、藤倉さんの事お願いしますね」

「お任せください、藤倉さん、よろしくね」

「よろしくお願いします」



「そういえば、相沢君も錬金魔法を持っていなかったかしら?」

「木下先生、錬金魔法じゃなくて俺のは錬金術ですよ」

「えっと、どう違うのかしら?」


木下先生や松尾先生、それに藤倉さんも考え始めたな。

「先生、錬金術は学問で錬金魔法は魔法です。

錬金術は学問ですから勉強が必要なんですよ、大変なんですよ…」


「そ、そうなのね…相沢君、頑張ったのね…」

なんか、皆の目が可哀そうな子供を見るような憐れみを感じるぞ!

「と、とにかく、松尾先生と藤倉さんの今後の予定はわかったわ」




「次は、俺と馬場だけど

俺たちは町の鍛冶屋に弟子入りしようかと思っている」

「大丈夫なの? どこか雇い入れてくれるところがあるの?」


まあ、心配するよな…

ケンジはともかく馬場は弟子入りできるのか心配だよな…

「ギルドの募集掲示板で、見つけておいたから大丈夫ですよ」


「でも、体力もつのか?

鍛冶仕事は、鍛冶魔法が使えるだけで優遇されるわけじゃないだろう?」

「勿論、ヒロキの懸念はもっともだ。

だけど、俺たちの熱意は冷めることはないんだぜ!」


すごい力が入っているな…

「力や体力が足りなかったら、レベル上げ手伝うから頑張れよ…」

「「おう、ありがとな!」」


「で、では、堂本君と馬場君は町の鍛冶師のもとで鍛冶仕事の勉強ということね」

「青島君は、何をするの?」

松尾先生が、ずっと考えている青島に話を振っている。


「う~ん、僕は器用貧乏なスキルですから、

とにかく今は、レベルを上げるしかできることはないですね」

「確か、賢者の知識だったか?」


賢者の知識。このスキルは、種族魔法以外のすべての魔法を覚えることができるが

過去、このスキルを持った人は例外なく器用貧乏に終わり

歴史に名を残すことはなかったそうだ。


さらに、このスキルを持つものはあらゆる武器が使えない。

そう、杖さえも使えないのだ。そのため触媒装備は身につけるものに限られ

前衛に出ることが許されず、魔法砲台となるものが多かったという。


青島は、このスキルのために勇者パーティーに入れず

俺たちと一緒にこの辺境に送られたのだ。


「賢者の知識は、覚えれる魔法が多いけど使い物になるかはわからないから」

「確か、お城の図書室で見たけど

覚えていく魔法がランダムだったよね?」


俺が青島に聞くと、青島は頷いて答える。

「だから、今はとにかくレベルを上げて使える魔法を覚えたいんだ…」

…有能そうなスキルなのに、運任せのスキルとは大変だな…



「青島君はレベル上げに頑張るとしても、相沢君はどうするの?」

俺か…俺はどうするかな……







読んでくれてありがとう、次回もよろしく。


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