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相沢ヒロキ、異世界へ行く!  作者: 光晴さん


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第13話 アシュリーと山本!





私は走る、今私にできることはとにかく走ること。

皆とパーティーを組んで、私たちはこの森にゴブリン狩りに来ていた。

始めは順調だった、順調にみんなレベルを上げていたのだが、


急にゴブリンが私たちの周りからいなくなっていた。

パーティーのリーダーが、もっと捜索範囲を広げてみようと言って

歩いていると、私たちはそれと遭遇してしまった。


こんな森の外周に、似つかわしくない魔物。

しかも3体いるそれは、私たちを見つけると嗤いながら襲ってきた。

皆、そいつらの速さに驚いたが、逃げられないと分かってすぐに迎撃する。


だが、2度3度攻撃を受けるだけでリーダーたち男性陣が倒れてしまう。

私たちがまともに戦える相手ではない…

皆が覚悟を決めた時、私は町に知らせてくるように命令される。


皆が戦って傷ついているときに伝令?

愚図る私に、リーダーは厳しく情報を持ち帰るのも冒険者の仕事だと。

だから、私は走る、できることは助けを呼ぶことしかできないから…




私は運がいいのだろうか?

森の中を町へ向けて走っているとき、ゴブリンやフォレストウルフに襲われながらも

何とかそこにたどりついた。


森の中にあった広場に、木で出来ていた休息所。

朝から森に入ってゴブリン狩りをしていた時には見かけなかったのに

魔物に襲われながらも、逃げてその場所にたどり着いた。


助けを、みんなを助けてほしい…

せめて、町へ知らせてくれる人がいてほしい…

そんな希望をこめて、木でできた塀の向こうへ叫んで近づいた。


助けて!



▽    ▽    ▽    ▽



アシュリーちゃんが、助けを呼びに来たことは傷を治しているときに聞いた。

松尾先生が、優しく親身になって話し相手になって聞き出していた。

こんな時の松尾先生は流石だ。


学校でも、勉強は木下先生で、プライベートの相談は松尾先生が適任なのだ。

それに、松尾先生は子供好きときている。

話さないはずはないのだ。


現に、オーク襲撃を聞き出し適切に人を派遣した。

石原君は、治癒魔法の使い手。 ケガをしている彼女の仲間の手当てに。

青島君は、先走って駆けだしていった馬場のフォローだろう。


そして、オーク討伐は相沢君のゴーレムに対処させる気だ。

今も、この休息所の周りには2体のゴーレム武者が待機している。


そう言えばさっき、アシュリーちゃんが現れた方向から追いかけてきた魔物を

いとも容易く倒していたから、相当、相沢君のゴーレムは強いのだろう。




男子を派遣してから20分ほどが経過した。

状況はどうなっているんだろう、こんな時携帯があればすぐに連絡がつくのに…

この世界でも使える携帯を作るのも面白いかもしれない。


私は治癒魔法しか使えないけど、みんなに話したら考えてくれるかも。


そんなことより、今は、男性陣やアシュリーちゃんの仲間の安否だ。

アシュリーちゃんはさっきからずっと、走ってきた方向を見ている。

そばについている松尾先生がいないと、すぐに走っていってしまいそうだ。




さらに10分ほどが経った時、アシュリーちゃんが立ち上がった。

私たちも、アシュリーちゃんが見ている方向を見ると、相沢君の姿が見えた。

そして、その横に冒険者の男性が見える。


「バーミク!」


男の冒険者の名前だろう、アシュリーちゃんはそう叫ぶと走り出していた。

そして、思いっきりその男性冒険者に飛びつき泣いていた。

よほどうれしかったのだろう、なんだかその光景を見た私も涙がこぼれた。


2人抱き合って再会を喜んでいるところに、さらに男性冒険者と女性冒険者3人が

アシュリーちゃんとの再会を喜び、抱き合っている。

おそらく、あの人たちがアシュリーちゃんの仲間なのだろう。


私の横で木下先生が号泣している。

他のみんなも、木下先生ほどではないが泣いている人もいた。



任務を終えた相沢君たちが、私たちのもとへ来ると松尾先生が労っていた。

「お疲れ様、みんな無事に帰還出来てよかった…」


「何とか間に合いました、オークも始末しておきましたので、

後はこのことを冒険者ギルドに報告して、今日は帰りましょう」

相沢君は、落ち着いているわね。


「オークの出現はめずらしいの?」

「彼らに聞いたところ、この森の浅い所で現れる魔物じゃないそうです」

「わかったわ、でも今は、あの喜びを見ていましょう」


「……そうですね」

松尾先生も相沢君も、笑顔でアシュリーちゃんたちを見ていた。








読んでくれてありがとう、次回もよろしく。


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