地下世界と存在価値
どうも、今回も自分の中で結構いい感じにできたと思うので読んでみてください。
ここは地下に隠され忘れられていった人たちの国、地下国家"エルデガン"。ここは、力をつけ、いつか、自分たちをこんな所に追いやった上の人類を倒すことを目的とされているはずだった。今となっては、その目的さえも薄れ、中には諦め、何もせずにただ毎日を過ごす人達もいる。
「おーい、りくー、早く早く」
彼女は幼なじみの金木市 美緒、そして、呼ばれている俺は夜泥身 理駆、ここエルデガンにある国立学校エルデガン第一学校に通う生徒だ。
何気ない日常が続く。
ふいに、
「ごめんなさい、通して......」
「おっと、」
後ろから落ち着いた優しい声が聞こえた。初めて見たはずなのに俺は見とれていた。朱髪の彼女に......
(誰だ?)
「.........おーい」
前を見直すと美緒がこっちを見ていた。
「じゃあ、行くか」
普通の毎日が続く。当たり前の毎日が。みんなと一緒の日常が。・・・・・つまらない日常が......
正直、俺は人とは違うのだろう。確かに日常は悪くない。むしろいい事のはずだ。だけど、どうしても胸をざわつかせる。お前はそれでいいのか、と。
しばらく歩いていると、僕と美緒は学校の近くにある上層まで伸びる塔を通りかかった。
「うわぁ~。でっかいなー。」
「そうだね~」
塔の周りには地上から派遣されたであろう警備員やらお偉いさんやらがごった返していた。
「何かあったのかなぁ」
「どうしたんだろうね」
そんな話をしていると、野次馬が噂をしていた。
「この中に保管されていた神の杯が盗まれたらしい」 「誰がそんなことを」
「どうせすぐに捕まるさ」「俺たちには関係ないよ」
などと言っているようだ。あまり関心はない。
「神の杯.......」
「どうかしたの?」
美緒が心配そうな顔をして覗き込んできた。
「なんでもないよ。それより学校に行こうか」
「うん」
僕たちはその場を後にした。その時、誰かに見られている気がしたのは気のせいだろう。
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学校につくと、後ろから急に声をかけられた。
「朝から夫婦で登校か?うらやましいね、まったく」
「なっ。違うよ。何を言っているんだよ。琢」
「そうよ。何言ってんのよ」
こいつは神咲 琢己。高校の同級生で俺の親友だ。何かと俺の世話を焼いてくれるのだが、時々余計なことを言う。
「そういえば理駆。聞いたか。今日、転校生が来るらしい。しかも女子で超可愛いらしいぞ」
「どうやって、そんな情報を手に入れたんだ。てか、俺には関係ないだろ」
「今日、校長室に入っていくのを見たやつがいるんだ。まあ、おまえは一人で手がいっぱいだからな」
「何の話!?」
俺と美緒は顔を赤くした。
ホントに、バカにしてんのか本気で言ってんのか。どっちでも怒るけど。
「それよりも放課後に第二校舎の屋上に集合な」
「いいけど、どうして」
「それは後のお楽しみってやつよ」
「わかったよ。じゃあまたあとで」
僕たちは教室に向かって歩いていった。正直、学校が嫌いではない。だけど、やはり退屈だ。
すると、
「うぉー。可愛い。」 「モデルみたい」 「このクラスで良かったー」
等と叫んでいる。よく見るとほかのクラスの奴らも集まっているようだ。
前を見ると、
「あ」
あの子だった。道ですれ違った女の子。
「えっと。谷津墓 泉美です。よろしく........」
間違いない。なんでここに。この学校の転校生だったのか。驚いた。まあ、関係ないけど。
俺は机にうつ伏せになると、眠気に襲われるままに眠ってしまった。
「・・く。りく。起きて。屋上に行くんでしょ」
「ん。美緒か。もう放課後か。じゃあ行くか」
僕たちは屋上に向かった。
どうだったでしょうか。
続きも書こうと思っているので、
次もぜひ読んでください。感想も募集します。