小学生編その1
自宅に戻った後、状況を確認する。
懐かしい教科書を手に取ると、5年1組と書いてある。
どうやら小学生5年生まで戻ったらしい。
カレンダーを見ると4月となっていた。
小学生からなら人生の修正が可能と判断されたのだろうか。
翌日、久しぶりの登校になんだか緊張した。
しかし、上手くいくのだろうか。一瞬弱気になったが、周りを見渡すと小学生ばかりである。
まあ、子供ばかりの環境だ。大人の僕が遅れをとることはないだろう。
そう思うと、気分が晴れてきた。そうだ、子供相手なんだ。いくらでも無双できるだろう。
教室に着く頃には、僕のテンションは最高潮になっていた。
そのまま勢いよくドアを開ける。
「おっはよー!」
特に誰かに向けたわけではないが、とりあえず元気に挨拶した。
教室にいた皆は怪訝な顔でこっちを見ている。
あっれー?
何かおかしいところがあったのかな。
みんなの視線に耐えられず、そそくさと席につく。
座ったところで、
「あんたの席はあっちでしょ。」
と言われ、慌てて自分の席に移動する。
「何でそんなテンション高いのよ。しかもアタシの席に座るなんて。」
こいつは、あれだ。幼なじみポジションのやつだ。
家が隣同士、親は互いに昔からの親友らしく、小さい頃は何度もお風呂にも一緒に入った仲でもある。
小学校高学年にもなると、少し僕に対しての当たりが強くなった。
そう、確かこの頃のこいつは教室の女王だった。勉強ができて、スポーツも得意。先生からの評判も良かった。
ただ、馬鹿なことをする男子には少し厳しいところもあった。
懐かしいなぁ。
さらさらの髪
キリッとした目付き
スッと伸びた背筋
彼女のお気に入りの水色のリボン
…スカートから覗く筋肉質の足
…少し体毛の濃いたくましい腕
…いかつい眉毛にしゃくれた顎。
彼女の男子達は口々にこう言っていた。
「ゴリ子超こえー。」と