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悪魔の祝福  作者: でこっぱ
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僕は悪魔の上客さん

ポンコツ駄目人間と評された僕が、悪魔のおっさんに選ばれた理由、それは娯楽だそうだ。



魔界は人間の手を借りなければならない、それは嘘ではない。


しかし、ここ2千年ほどで、世界の人口は10億人から70億人に爆発的に増加。加えて、文明の発達により、日々を生き抜くことに必死だった人類は、安全に生活できる環境と娯楽を手に入れつつある。昔に比べ簡単に幸せを感じる人間が増えた。

つまり、悪魔は適当な人間に声をかけて、低いハードルで適当に幸せにしていれば、安定して労働力を賄える時代になったのである。



時代が変われば悪魔も変わる。


昔は、できるだけ多くの人間を労働力にできた悪魔が評価された。しかし、誰でも簡単に労働力を確保できるようになった現在は、悪魔にも余裕ができ、娯楽が生まれた。


ただ労働力を確保するのではつまらない。

幸せと縁遠い人間を、悪魔の力でどれだけ幸せにできるか。

契約の対価をいかに大きくするかを競う、つまり悪魔の力を誇示することで悪魔の序列を決めているらしい。



「そこで、難易度の高いあなたを選んだのです。」


悪魔のおっさん曰く、極貧の人間はすぐに幸せを感じてしまう。

逆に、日本のように事件も少なく、食べることにさほど困らない、周りの人間共々安定している状況の方が、相対的な幸せを感じにくい。それなら僕でなくても良さそうだけど。



「あなたの素晴らしいところは、適当に生活していれば人並みの幸せが手にはいる環境にいながら、常に余計な立ち回り、余計な言動を重ねて勝手に不幸になっていくところです。勝手に落ちていってるくせに周りを羨むひねくれた性格。まさにポンコツです。」


いちいち腹がたつ。

どうやら僕は、幸せから自主的に離れてしまう体質に加えて、幸せ不感症らしい。

そこをどうにかして、幸せな人生を送らせることが大悪魔の腕の見せどころらしい。



納得はしかねるが、契約してしまったものはしょうがない。おっしゃる通り、幸せにしていただこうではないか。




「何か願望はありますか?」


どの程度まで叶えてくれるのだろうか?

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