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悪魔の祝福  作者: でこっぱ
12/12

小学生編その5

しまった。やってしまった。



背筋を嫌な汗が流れる。



小学生には、やってはいけないことがいくつかある。



1つ、先生を間違えてお母さんと呼ぶことなかれ。

これは、単純に恥ずかしいし、弄られる。



1つ、学校で大きい方をすることなかれ。

生理現象なので仕方ないが、小学生にそんなことは関係ない。一度見つかれば、あだ名はウ○コまんとかになる。



1つ、女子に嫌われることなかれ。

小学生と言えど、既に女子には堅牢な砦にも似たコミュニティが存在する。そこに敵として認識されると、徹底的に潰されてしまう。



とまぁ、これは僕の時間逆行前の教訓だ。



2度目の小学生でも既に、寝ぼけてからのお母さんは達成済みだが、皆が飽きてしまったので問題ない。



今回は、この比ではない問題を起こしてしまった。




この休日、母親に頼まれて、レンタルしていたDVDを返却に来た。


この任務は問題なく遂行した。


精神は大人なので、お使いなんて余裕でこなせる。



しかし、その後がまずかった。


返却が終わりぶらついていると、時間逆行前の癖で、のれんのような場所をくぐり、大人のムフフなコーナーに入った。



しばらく吟味していると、知らないおじさんに子供はまだ入っちゃだめだよと言われ、ようやく、自分が小学生であることを思い出した。



慌てて大人のコーナーから飛び出すと



目が合った。



クラスで一番可愛いロングヘアのあの子と、ミディアムショートに眼鏡をかけた委員長、僕の走りを見て泣いたあの子の3人だ。


休みの日に3人で遊んでたのだろうか。




「いや、間違って入っちゃった。入ったらだめなの知らなくて、でも直ぐ出たからセーフ。」

僕は慌てて意味のわからない言い訳をする。



「でも……」

委員長が口を開く。


「入ってから出てくるまで、結構時間経ってたよね?」

ロングヘアとひそひそと話している。




…………しまった。入るところも見られてたみたいだ。


女子の人気を手に入れたい僕にとっては、取り返しのつかない過ちだ。スケベ系なんか特にだめだ。



翌日


女子ネットワークとは怖いものだ。

清々しいくらい、みんな僕の失態を知っている。


女子の鉄の掟により、僕は粛清された。




挨拶したら逃げられた。


目も合わせてくれない。


ひそひそと何かを話しあってる。



「おまえ、また何やったんだよー。」

昼休みになり、たかおが笑って聞いてくる。


「いや、べ、べつに。」

男子にまで知られる訳にはいかない。中学生ならいざ知らず、小学生にはエロネタはまだ早い。



慌ててごまかそうとして、机の上にあった消しゴムに手があたる。



消しゴムはコロコロと、輪になって話していた女子の集団の足元へ転がる。



女子達はゴキブリでも見たかのように悲鳴をあげて散っていった。



「スゲー!モーセだ!モーセの海を割るやつだ!」

たかおが嬉しそうに叫んだ。


何でお前はエジプト脱出の話を知ってるんだよ!と心の中で叫ぶ。


そこからたかおは僕のことをモーセと呼びだした。




翌日


結局、レンタルの件も男子にも知れ渡っていた。



レンタルエロス・モーセにクラスチェンジした。




僕の得た称号

・地獄のハイスピードゾンビ

・レンタルエロス・モーセ

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