よく考えて…
うん…?
いや、ちょっと、待てよ。
「いや、でも、なんでオトコとして育てたの…?」
そうである。学校に行かせるため、私のためと言っているが、
元々、どうしてオトコとして育てたのか。
「それはな…引き取った時に、決めとったんじゃ。
いつ死んでもおかしくないわしらじゃ、この子を一人前に育てることが出来ないだろうと。
だから、一人で生きていける力を早く付けさせる為にも、オトコの子と思い厳しく、強く育てようとな。」
「そうです。貴方には、本当に申し訳ないと思っています。
ですが、これもたった一人の孫娘の将来のためと思い、心を鬼にして接して参りました。」
そうだったんだ…若作りのクソババアなんて思ってごめんなさい。
「何やら、とても失礼なことを思っているようですが…
まぁ、いいです。貴方には、オトコとして育てましたが
女の子にいつ戻ってもいいように、私の持てる全てを教えてきたつもりです。
至らぬ点ばかりですが…大丈夫でしょう。
学校には私達が信頼している者もおりますし。」
確かに、立ち居振る舞いは常に気品を損なうことがないようにと
散々、注意されてきたし変態のせいで女装もしたことあるし…
女の子として生活しても支障はないと思う。
「けど、学校か。離れたくないなぁ…」
「お前は、美人だし勉強もできる。力の使い方も上手いから、普通のオトコには負けん。
サバイバル技術も仕込んであるから、軍隊に入っても困らん。
ただ、圧倒的に足りんモノがある。それは、コミュニケーション能力と集団生活の経験じゃよ。
コレだけは、ワシらだけじゃ育てることができん。」
「だから、貴方の将来の事を考えて、街の学校に行かせることにしました。
これは、近い将来訪れる大きな出来事に備えるため必要なことです。」
「その通り。あと、友達を作りなさい。
心の底から信頼できる友達をな。」
なんか、一気にいろんなことを言われて、混乱してきたぞ!?
友達…コミュニケーション能力…集団生活…
「ゴメン。頭痛くなったから、寝ていいかな…」