私の為…?
「しっかりしなさい!」
衝撃的な事実を打ちあけられ、半ば放心状態だったがおばあちゃんの一喝で目覚める。
「ハ!?」
「もう一度いいます。あなたは、女の子なのですよ。」
女の子??冗談でしょ???
「いきなりで混乱しとるだろうが、お前は女の子なんじゃよ。」
「おじいちゃんもおばあちゃんも、ボケはじめたの!?大丈夫!?」
「ボケてもないし、ボケたとしても貴方よりかはしっかりしてます!」
ヒドい言い草である。確かに2人とも80を超えているのに外見も中身もかなりしっかりしている。
おじいちゃんなんて、筋骨隆々で凄まじい身体付きだし、おばあちゃんも若々しく気品ある佇まいをいつも崩さない。
「でも、女の子だとしてもなんで今更打ちあけたの?」
「お前を学校に通わすためじゃよ。」
学校?学校なら村の学校に通っているのに??
「貴方に集団生活を学んで貰いたいのと、世の中を知ってもらうためです。」
「ここには同い年の子供もいないし、山奥でなにもないからな。」
確かに、外の学校に憧れはあるし友達もたくさん作りたい。
しかし、年老いた祖父母を置いて行きたくないし、ここにも数は少ないが大切な人達いる。
「イヤだよ。ここにも学校があるし、変な人達だけど面白い先生達もいるし!」
先生達がいる。私にたくさんの事を教えてくれた、愛すべきバカで大切な大人達。
「そ奴達とも、話あって決めたことじゃ。一部、猛反対した者もおったがほとんど賛成してくれたんじゃ。」
「え!?そんな…」
みんな、ずっと私と一緒に居たくないの!?
「勘違いしないで下さい。みんな、本音は貴方を行かせたくないんですよ。」
「そうじゃ。一部、本音しか言わない奴もおったが…みんな、お前と一緒に居たいんじゃよ。」
「ただ、お前の為を思ったらここにいるよりも、広い世界を見た方が良いと思っての…」
私の為…私は、どうしたらいいのだろうか。