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3-6 報告です

 アルスは困惑していた。


 行方知らずだったジードから、便りが届いただけでも驚きだったのに、わざわざ『会わせたい奴がいる』などと書かれていたのだ。なにせテミズ村関連となると嫌な予感がしたので、かなり身構えていたのだがジードの横にいるのはただの子供ではないか。


 まあ気にはなるのだが本題は盗賊の件だ、ジードとの確認を進めよう。



 「ふむ、こちらから探りを入れてみた調査報告とも一致するね。盗賊達による大掛かりな子供の誘拐があったのは間違いなさそうだ」


 「なんでえ、調べがついてんなら長々と話させるんじゃねーぜ。それで親玉の目星なりは付いてんのか?今回はたまたま防げたが、はええとこ帝都の軍隊さまに動いてもらいてーところだぜ」


 「確かに盗賊達の規模からして放置できる問題ではないんだけど、困ったことに我が軍は動けそうに無いんだ。というのも…」

 

 そこでずっと黙って座っている子供の方へ視線を送る。


 「こいつらなら大丈夫だ。やばい話しだとしても、ちゃんと糸で口を縫い合わせとくから心配しなくていいぜ」



 即答しなかったのを否定と受け取ったのか、男の子が一礼して部屋を出ようとする。


 「待ちなさい。出て行く必要はないよ」


 「アルス様、狙われたのは年端も行かぬ幼子ばかりですどうか…」


 「ケント君と言ったね、君を信じてないから話すのを躊躇したんじゃないよ。汚い大人の事なんて、子供に話すべきじゃないよなと思っただけなんだ」


 すると黙って頷いて、大人しく座ったではないか。子供がここまで相手の意思を読み取り行動出来るのだろうか。賢い子はみてきたが、気に食わない事があると大抵癇癪を起こしたりするものだ。

 

 ケントは特別何かをしたわけでは無いが、その落ち着いた行動は聞き分けのいい子供とは意味が違うと感じだ。


 「簡潔に言うと調査を妨害されたんだ、それも盗賊の残党とかじゃなく帝都の有力者と見ている。妨害によりこちらも被害が出たので、うちの部隊を動かそうとしたらそれを上から止められた。なんとか調査は続けたいんだけど、大規模な軍の行動は無理なんだよ」


 「おめーが無理って言うならしつこくは言わねーがよ、調査は続けておいてすぐ動けるように準備しといてほしーぜ」


 「ああ、すでにこちらは目を付けられたと見ているよ。早急に何とかするなどと軽々しくは言えないけど任せて欲しいな、遺留品も届けて貰った事だしやることは沢山だよ」


 「メモはもう読めそうにねーのが悔しいが、栄えある帝都軍のアルス様なら何とかできっだろ。武器とかは役には立たねーかもだが一応渡しておくぜ」


 「そういう皮肉は勘弁しておくれよ。役に立たないとは一概に言えないんじゃないかな。この防具の紋様は古代文字に見えなくもないし、あれ裏に付いてるこれって?」


 「それは防具を剥ぎ取った時にくっついて来た死体の骨です。骨に金具が食い込んでいたのでそのまま持って来て…あ、これ骨って書いてるのか。それだと確か”むくろ”だったっけ…」


 「むくろ?君は一体何の事を言ってるんだい?」

 

 「この紋様の事ですよ。少し字体が汚いですが”むくろ”と読めませんかね?」


 「読めませんかだって?ここに刻まれているものが古代文字だとしたら、それは失われて久しいものだよ。研究された歴史が――」



 ケントを問いただそうとしたところで、バーンと大きな音を立てて部屋の扉が開いた。

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