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3-2 手紙が来たようです

 手紙は盗賊どもを倒して、街にジードが行った時に出したらしく、話すのをすっかり忘れていたとの事だった。


 お相手は、帝都にいるジードの友人らしい。

 あの時、生け捕りにした盗賊どもを街の詰め所に引渡したが、話は全く聞けなかったそうだ。ギルドの方にも寄ってはみたが情報はあまり持っていなかった。

 このままでは、たまたま人数を増やした盗賊が、なぜか大量の女子供を攫い、どこに向けて届けようとしていた事が、全てうやむやになってしまうと、ジードが手紙を出したというであった。



 手紙の中身は見せてくれなかったが、書いてあったのはこうだという。


『各地の盗賊に動きが見られるのは把握している』

『ただし、盗賊を捕まえた件については報告が届いていない』

『通常であれば、捕らえた盗賊も帝都へ届けられるだろうが不明である』

『盗賊のアジトや死体の遺留品なども検分したいが、上記のとおり知らせも無いため動けない』


「何もわからねーって事じゃんこれ……」


「ああ、ここには何も書かれていねーな。ちと用心深すぎだな」


「なんでちょっと嬉しそうな顔してんだよ」


「いやな、付き合いが長いもんだからか、やつの言いたい事はちと違うと思うんだぜ。要は――」


『こちらは動けないから、代わりにアジトや遺留品を調べて欲しい。何か分かったら教えて欲くれ、次は手紙じゃなく会ってからな』


 まるで会いたいと正直に言えないツンデレのようではないか。というか、その手紙から気持ちを読み取るのも、気持ち悪さがあるな。


「という訳でな、帝都に行ってくるぜ。しばらく留守にするから――」


「いや、帝都には俺も行くぜ。ちょっと用事があるんだ」


 肩をがっと掴まれ後ろに引っ張られる。いや予感はしてたというか、わかっていますよ。


「私も、行くんだからね」


 リースさん、顔が近すぎです。


 こうして3名での帝都行きが決まった。

 その日は、旅の支度を終えた頃には日が落ちてしまった。



 アジトがあったはずの場所は、燃えカスしか残されておらず、復習のために燃やされたというよりは、証拠を残さないよう燃やし尽くしたと感じられた。


「何も、残っていそうにないわね」


 盗賊の死体についても、とうに処分され何か残っているとは思えない、そう考えていたが。

 ふと気になった事がありジードに聞いてみる。


「ジード、俺が途中に倒したやつらも、処分されてるんだよな?」


「あん?途中に倒した、なんの事でえ?死体とかは、街から兵隊やら来て処分しちまったはずだぜ」


「いやだから、2回目くらいに止まったときに、俺が見つかって倒したやつらだよ」


「おめーそんなことしてたのかよ。だがでかした、そんなこと知らねーから報告してねーぜ。調べてみる価値はあると思うぜ」




 あの時は暗かったから、辺りの風景などは覚えていなかったが、ジードが街道に工作した場所を覚えていた。

 確かこっちに向かって逃げたはずと、歩きながら辺りを見渡す。


 腐乱は進んでいるが、人の死体と思われる物が転がっている。自然に白骨化するのは、もっと時間かかるはずだ。啄まれでもしたのか骨が目立つ。

 そういえば、こいつらが初めての殺人の相手……。


 リースは見た目のグロさに耐えれなかったのか、離れてうずくまっている。

 まあジードが死体をひっくり返してまで調べているから、休んでいて大丈夫だよ。



 地面の草が禿げ上がったところにある死体、こいつが確か最初に俺に気がついたやつ。何かないかと探ってみる。


 残っていたのは小刀と言えそうな武器と、頭部を守っていた防具の金属部分。防具は紋様のようなものが刻まれている。

 時間はかけてみたが、他には何もない。


 敵でしかない相手だが、最後に手を合わせておがんでおく。


「何やってんでえ。こっちはメモが残ってたんだが、雨やらで滲んでて読めそうにはないぜ。そっちはどうでえ」


「なんでもないよ。こっちは、武器と防具が残ってただけだよ。持って行くかい?」


「そうだな、俺らには何もわからねーが、あいつならひょっとするかもしれねーしな」



 その後も戦った場所など調べたが、何も残っていなかった。

 大した物は見つける事が出来なかったけど、切り上げて帝都へ向かおう。

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