2-9 テストしてもらいます
ブライはジードを見上げて固まってしまった。
まあ、あれと戦えってのは無茶だよなあ、けれど――。
「テストだあ。何をまた言い出してんだか」
ジードはちょっと落ち着いたのか、話しかけてきた。
「テストってのは警備隊への入隊テストさ、これに受かればブライは警備隊に入れるよ」
まずい、ジードが突っ込んできた。多少は離れていたので顔を手でガード出来たが、腹をおもいっきり殴られ息が止まる。
ゲホォ
これはきついぜえ……。
しかし、ここで仕掛けないといけない。もっと楽な案を思いつけていれば、こんな痛い思いはしなくてよかったのに。
「ブライ。村で化け物が暴れてるぞ……、戦えるのはお前だけだ、村を守るんだろう……」
「うわああああ」
ブライは喚きながらであるが、木の棒を振り回している。
ジードは撫でるくらいの感じだったが、ブライを振り払った。
お?反撃しないとも思ってたけど、意図は伝わっているのかもしれないな。
ブライは手を地面につき泣いてしまっている。うーん、もうちょい頑張ってみよう。
あれ、ジードさん。私への追撃はもういらないと思うんですよ。
寝ているところを、睨みながら蹴飛ばされた。脇腹は痛てぇ。
「ブライ。立つんだ、父ちゃんが守った村を、レイラをお前が守るんだろう」
ブライは立ち上がり、相変わらず垂れている鼻をぬぐった。
手には何も持っていないが、拳を振り上げて、ジードに向かって突っ込んでいった。
ブライは再び転がされ、泣いているようだ。さすがに可愛そうなので教えてあげないとな。
「くそう、あんなでけえのひきょうだぜ――」
「ブライよくやったな、テストは合格だ」
「あん?なにいってんだ、負けたおいらを笑いものにしてーのかよ」
「素直に聞いておけよ。ジードに勝てなんて言ってないだろ、村を守ろうと向かっていったんだ。だからテストにお前は勝ったんだよ」
「あんだよ、よくわかんねーけど。守ってやるぜ、あんちゃんボロボロだしな」
ブライと寝っ転がって笑っていると、リースとレイラが駆け寄ってくるのが見えた。
ジードは了解してくれた訳ではなかったが、もう殴りかかってこない。こちらの粘り勝ちと判断しておこう。
あれから数日過ぎ、警備隊の子供たちも増えた。子供たちには警備小隊として村の巡回、安全な場所の罠の確認をさせている。
もう少しでジードを指導役に説得出来そうなので、そっちも頑張らないとな。




