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2-4 魔法を使いたい

 息巻いて頑張ると言ったのだが、数日経つも使える気配など無い。


 あまりにウィルムに何度も魔法を見たときの事を聞くものだから、かなり嫌になっているのであろう。今朝も聞きに行ったら、しかめっ面してたし口調が荒くなっていた。

 まあ、使えるようになるまで通うことになるだろうけど。



 ウィルム曰く、遠かったから詠唱の呪文については不明、魔法陣は見えてはいなかったとの事。

 それと、魔法の威力は不明、ただ見た目の迫力は凄かったようで、毎回その事を自慢げに語って話しが終わりになっている。



 後はあいつの言っていた『マナ』がキーワードになるくらいかな。

 小説とかの主人公であれば、大気中なり体内にあるマナを、集めるなり絞り出すなりといった手順でどうにかしてしまうんだろうけど。うまくいかない。


 もう武器を使った戦闘などは無理なんだ。魔法を使えるようになるしか道は残っていない。

 パソコンが欲しい。パターン表なり作って条件を潰していきたい。頭の中だけで記憶し整理していくのは厳しいなあ。




 ジードが村に帰ってきた。自分の用事はすぐ片付いたらしいのだが、ローズさんにでも捕まっていたのだろうか。

 色々聞き出したいところなんだけど、村を見て回りたいと言い出した。仕事熱心なことでして。



 ちなみに村の皆が総出で頑張っているのは、ジードが提案したのはこの3つ。


 1、緊急時の避難所用に、村長宅の防御を固めること。


 2、村の中に見張り台を建てること。


 3、村の周りが木に覆われすぎているので伐採すること。


 木の伐採がうまく進めば、村長宅や見張り台用の木材が手に入るんだけど。前回の打ち合わせの感じでは、あまり順調ではなかったみたいなんだよな。


 おっと、俺の役目は魔法を使えるようになり、ゴブリンを倒すことだ。練習に集中しよう。



 日も暮れかけて、作業が終わって帰ってくる皆の中から一際でかい筋肉の塊を見つける。探す時は目立ってて非常にいいなあ。

 これでようやく話しを聞けると、手を引き引っ張っていこうとするが、重すぎてびくともしないじゃないかよ。


「ジード、話したい事がいっぱいあるんだからね」


「お、おう?」


 乙女チックな口調になったけど、逃がしはしないんだからね。




「リースを、村の子供たちを、助けてくれてありがとう」


 頭を上げると、意外そうな顔で首をかしげている。


「何言ってやがる。助けたのはおめーさんだろうがよ。礼を言われるようなことはしてねーぜ」


「そうかい。まあ、言いたかった気持ちを伝えただけだよ。ところでジードさんやい」


「なんでえ気持ちわりーな」


「色々聞きたい事やら教えてもらいたいことやらが、かなり溜まってるのさ」


「あん?」


「まずは、ゴブリンの事なんだけど――」


 ちらりと横に目をやると、リースは食事の準備をしている。ジードを連れて帰ると『そういうのは前もって言いなさいよ』と困った子を見る目で呆れられた。

 料理の邪魔はしないほうがいいだろう。


「実は、ゴブリンのアジトらしき場所を発見しててね。準備が整ったら攻撃に移ろうと、村では意気込んでいるんだ」


 あー、この顔は。あれだ。


「まずは率直な意見が聞きたいんだけど」


「おめーらはバカしかいねーのかよ。余計な手出しなどするもんじゃねーぜ」


 深いため息と共に呆れられた。


「やっぱそうだよなあ」

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