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キモオタの俺を殺そうとした黒髪美少女は異世界では俺の可愛い妹  作者: 伊津吼鵣
第6部 ルシアニア公国編
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クズ人間再生処理事業   (閑話)

ちょっと書くのに詰まったので、何と無く思い付いた話を投稿してみました。

いずれ編集してキチンとした閑話にします。

5人の男達が席を囲み、内1人が怒鳴り声を上げ3人が真剣な顔をし1人がハンカチで額の汗を拭いながら顔は今にも泣きそうである。


「君のところが担当している『クズ人間再生処理事業』、明らかに実績が出ていないって報告が来てるよ!これどういう事?」


泣きそうな男は、怒鳴る男にしどろもどろしながら答えた、その答えが更なる怒鳴り声を呼ぶと知りながら答える他は無かった。


「私にも、どうする事も出来ません‥‥‥元がクズばかりですよ。真面な奴なんて1人もいないんですよ。それに先の事なんて誰も判りません。しかし一部ですが再生に成功し頑張っている元クズも確認されています。そちらの方に是非とも注目して頂けませんでしょうか‥‥‥」


そして、やはりだが更なる怒鳴り声を呼ぶ結果となった。


「君ねぇ、私は実績が出ていないという話をしているんだよ!実績って意味が分かるか?実績っていうのは成果を上げろ!って意味なんだよ!報告書よると再生してもクズはクズにしかなっていないじゃないか!これを何とかしろと私は言っているんだよ!君には意味が理解出来るのか⁉︎」


泣きそうな男は怒鳴られながら思った。


クズを再生しろなんて誰が考えついたんだ!無意味な事を考えやがって!やらさせられる俺の身にもなれよ!という怒りを腹の底に隠しつつ男は、この場を難とか耐えきった。


そして疲れと涙を隠しつつ自分の担当する部署に戻ると列を成すクズ所謂デブ・汗・ドモり口調のキモイ奴らが怠い顔をしながら順番を待っていた。


お前らのおかげで俺は何の罪もないのに怒鳴られたんだ、頼むから早く死ねよ!

もう大半がトラックに轢かれて死んだクズ人間達なのだが、そう無意味な事を思った。


席に着こうとした時、自分の同期である嫌味な男がニコやかな顔をして声を掛けて来た。


「やあ調子はどうだい?俺の部署なんて忙しくて目が廻りそうだよ、ホント大変だよ。」


喋りたくはないが声を掛けられた以上は無視する訳にも行かず愛想笑いを浮かべながら返事をした。


「いや、こっちは忙しいだけで無意味な作業が嫌になるほど続いているよ。君のところの『有能人間適所派遣事業』が羨ましいよ。」


「まあ確かに忙しいけど、適材適所に人を送るってさ達成感と遣り甲斐はあるよね、達成感と遣り甲斐は!」


何が達成感と遣り甲斐だ!?お前のところは有能な人間を無理やり拉致して別世界に飛ばしてるだけの馬鹿でも出来る当て馬作業じゃねえか!

この列を成すキモイ奴らを見ろよ、こっちは端からマイナススタートなんだよ、最初からマイナスなんだよ!


これまた本心を腹の底に隠し愛想笑いを浮かべて、お互いに頑張ろう!と言って話を濁した。


それから一生懸命・懇切丁寧に説明をし更には『努力』という言葉を足して仕事を進めるが自分が相手にするクズ人間達は全員が毎回同じ事を希望する。


異世界に転生して可愛い女の子と冒険をして結ばれて幸せな人生を送る。


お前はアホか!と思うような非現実的な夢物語のような事しか希望しない。


それでも必死に耐えて笑顔で希望に応えようと頑張った。

しかし、これまた腹の底では違う事を考えながらである。


どんな世界でも嫌な事苦しい事は多々あるんだよ、お前らみたいなのが理想通りに行く訳ねえだろ!

だから、お前らはこんなところに来るんだよ!さっさと死ね!


その時だった。


報告書が送付されてきた。

男には再生させた人間をどうこうする事は出来ないが、再生した人間達がその後どうなったかの報告書だけは定期的に送られてきていた。


その中に、よく覚えている奴らの名前があった。

以前、男が懸念した魂が2つに分かれた女の子と、その魂達に伴わせたデブ2人だ。


デブ2人を見てみると片方は苦労しながらも騎士という身分になっており頑張っているようだ。

もう1人も苦労しながらも国の摂政という役職に着いて頑張っていた。

そして、あの女の子の魂も片方は女王に仕える身分となり、片方は女帝になっていた。


へえ頑張っているんだな。


そんな感想を持った。


少なくとも自分がやった仕事の中で彼らは頑張っているという事実を見せてくれたのだ。

自分がやった事は間違いじゃなかった!

怒鳴られる事なんて彼らのように良い結果を出してくれている元クズ達がいるなら、いくらでも我慢できるじゃないか!


そう思うと心が穏やかになった。


良い仕事をすれば、きっと応えてくれる人がいる!


そう心晴れ晴れとなって順番を待っていた新たなクズ人間と対面した。


だが直後に心の中に暗雲が立ち込めた。


男の目の前には見た事のあるクズ人間が立っているのだ。


「あれ・・・・君は確か・・・・・・」


「どどどどどどど・・・・も、また死んじゃったっす・・・・・・」


そのクズ人間は男が苦労しなくても良い世界に再生できると説明したのに自分からスライムになりたいと希望した変わり種のクズ人間だった。


「隠れてたけど狩られました・・・・・」


詳しく聞くとスライムになってから岩陰で暮らしていたが腹が減ったので虫でも食べようと出たところにバッタリと勇者に出くわしてしまい狩られたそうだ。


「・・・・のんびり干渉される事の無い生活だったんですけど・・・・・」


「そうか大変だったね、でも君の権利喪失しちゃったから、もう希望通りには出来ないよ」


「そそそそ・・・・こをなんとか・・・・・」


「でもねえ、これルールだから仕方ないよ・・・・・」


「そそ、そうっすか・・・・・もうスライムはダ・・・ダメなんでですね・・・・」


「え・・・・・またスライムなの・・・・希望?」


「楽っすから!」


男は、コイツは真のクズ人間だ!と思った。

優雅に冒険したいなんて甘ったるい理想すら持ち合わせていない、真のクズだ!そう思った。


だが、こうも思った。


こういうクズ人間を再生させてこそ自分の仕事の意義があるのではないのか⁉︎


「ちょっとさ、もう少し現実的に考えてみようか。何かさ、こうしたいああしたいって希望はないの?」


「何も無いっす。」


「君にだって希望っていうか、やってみたい事があるでしょ?」


「人から干渉させない生活が欲しいっす。出来れば鍵付きの部屋の中で食料の不安も無しに一生アニメや漫画、ネトゲやニ◯動だけを観賞する生活が希望っす。」


このクズ、実に困った事を言いやがる。

そんな環境は、どう考えてもどんな再生先にも無い。


その時、ふと以前再生させたデブ2人が言った単語を思い出した。


「そうか新たに再生させた先の世界で、もしかしたら『ビキニアーマー』とか『ツルペタ』なんかにも会えるかもしれないよ。まぁそこは努力次第だけど。」


すると、やはり言葉は知っていたのか反応を見せたが直ぐに興味を失った顔をした。


「‥‥でも2次元じゃないんでしょ。」


クズの言う『2次元』なる意味は具体的には解らなかったが、それでも一生懸命懇切丁寧に男は言葉を繋いだ。


「でも、会えない2次元より会える可能性のある3次元じゃないの?」


そう言うとクズは悩み出した。


「狩られる確率の高いスライムより、会える可能性が少しでもある3次元の『ビキニアーマー』だの『ツルペタ』だのの方が良いと思うよ。」


説明していて馬鹿らしく思えたが男は懇切丁寧に頑張った。


長い時間クズが悩み出すと後ろで列を成すクズ人間達が汗を流しながら叫び始めた。


「早くしろよ、順番待ってんだよ、こっちはルールを守ってトラックに轢かれてきたんだ。」


クズのくせに偉そうに叫ぶな、お前らゴミは黙って大人しくしてろ、さっさと溜め込んだ腹の脂肪で燃えて死ね!

何がトラックに轢かれただ、そんなの関係あるか!


これまた腹の底に本心を隠したまま笑顔で対応した。


漸くクズが男に言ってきた。


「ぼぼぼ‥‥僕でも会えるかな?」


「うーん努力次第だけどね。じゃあ内密に会いやすい環境にしてあげるよ。これ絶対内緒だぞ!」


「‥‥‥じゃあ」


「良し善は急げだ!」


本当は単に面倒臭くなってきただけだったが、出来るだけ親切に接しています。

そんな顔を全面に出しながら再生させる準備を急いだ。


だがクズが躊躇しだした。


「‥‥‥やっぱり、ちょっと‥‥‥」


このクズ面倒臭せー、コイツの人生は絶対に周りの人を面倒臭くさせてきたんだ。


だが、これまた本心を隠しながら顔は親切心全面に『励まし』という名の強制をした。


「今しかないないよ、これを逃すとチャンスは無いよ。ちょっと勇気を出して踏み出してごらん。君にも『ビキニアーマー』だの『ツルペタ』が待っているんだよ。」


そう言うとクズを無理矢理、再生させて仕事は完了した。


俺は嘘は言っていない。

あのクズが最終的に希望したんだ。

機会があれば『ビキニアーマー』だの『ツルペタ』に会えるさ。

頑張って運良く生きていれば!の話だけどな。


そして男は新たなクズ人間と対面し親切面をしながら対応に追われるのであった。


何百人と対応し再び怒鳴られたりしながら時間が過ぎた頃、新たな報告書が送付されてきた。


確認すると、あのクズの事も載っていた。


読んでみると山間部に居住する少数戦闘民族の人間に再生されて現在は新たに知り合った仲間達と旅の途中らしい。


そしてクズが『希望』したビキニアーマーにも会えたようだ。


あのクズも其れなりに努力はしたんだな、良かった。


だが詳しく読んで行く内に、あのデブの1人と一緒に行動している事が解った。


そして思い出した。


そう云えば、クズをスライムに再生させた時に、あの女の子の片方の魂とデブも直ぐ近くにいたはずだ、確か女の子もクズの事を聞いた様な・・・・・。


もしかしたら、あの時既にクズも巻き込まれていたのかもしれない‥‥‥


そう男は思った。


だが直ぐに‥‥‥


まぁ今更俺にもどうする事も出来んし、もう関係無いか!


そして新たなクズ人間と対面し親切面をしながら懇切丁寧に対応する男だった。


ちなみに現世では、この場で云う『クズ人間再生処理事業』を『異世界転生』、『有能人間適所派遣事業』を『異世界転移』と呼ばれているのかどうかは定かではない・・・・・と思う。







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