学校に行きます
夜明けになって、そこでようやくアレクの家だと思われる建物を見る事ができた。
なんと三階建てであった。お城じゃないのに潰れないのか心配になった。
しばらくすると建物からアレクとイルぐらいの年の青年達が同じ服を着て出てきた。
あれ、アレクの家じゃない?
学校の制服か何かだろうか。それならこの建物は寮みたいなもの?
だとしたらアレクはお金持ちでも貴族でもないのかもしれない。
まあ、アレクに聞けばいいか。アレクはまだかな。
目を皿のようにして捜しているとイルと出て来たところだった。
「アレク、イルおはよう。」
イルには聞こえないが、それでもちゃんと挨拶しておきたかった。
アレクはチラリとこちらを見て瞬きした。
多分それが声を出さない代わりの挨拶なのだろう。
嬉しくてスキップしながらついていくと、さっきの建物より大きくて立派な建物が視界いっぱいに広がっている。
口を開けて見上げていると首が痛くなった。
これがアレクの言う学校なのだろう。
なんて大きいのだろう。ここは一体何を学ぶ学校なんだろう。
疑問はどんどん増えていく。
そうだアレク達は?
ギリギリ見えるところに赤い頭が見えて急いで向かった。
建物の中には部屋がいくつもあり、似たような景色で迷ってしまいそうだった。
アレク達と離れないようにしなければ。
そう決意してぴったりとくっつくと、鬱陶しがられて泣く泣く少し離れた。
迷子になったらどうしてくれよう。
そして一つの部屋に入り、多くある机と椅子の中で、後ろの方の窓側に二人して座るのを見届けると、わたしはギリギリ座れる位の出窓に腰掛けてこれから何が始まるのかワクワクする。
鐘の音が聞こえると一人の女性が入って来て、皆の前にある背が高い机の上に本を置いた。
この人は教師だろうか。入って来た瞬間、皆が背筋を伸ばした。
「お前達は最終学年だ。就職もお前達の頑張り次第で決まる。まずは来週の演習で今まで学んできた成果を出せ。この話しは以上だ。」
来週の演習とはなんだろうか。生徒達が緊張するのがよく見えた。
緊張するほど大変なのだろうか演習とは。
女教師の授業を始める声で皆が気持ちを切り替えた。
目がつり上がっていて見た目が厳しそうだけど、ハキハキと話すから聞き取りやすい。
授業内容は魔方陣の応用らしく、複数の魔方陣を効率良く描く方法らしい。
聞き取りやすいがわたしは基礎を知らない為、先生の言葉が呪文に聞こえた。
この体は睡眠を必要としないのに、眠い気分になる程だ。
先生は眠くなる魔法を使っているに違いない。
わたしは鼻歌を歌って時間を潰す事にした。
また鐘がなった。
今日の授業は以上だと女教師が言うと、部屋から出ていく。
そこで生徒達は本を鞄にしまい始めた。
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