◆イェスカのしょうがい
講談社Box新人賞で落選した作品です
手直ししつつ発表していきたいと思います
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イェスカがうまれたとき、「このよのおうさま」にあいたいと、たくさんのうらないしがやってきました。それをききつけたおうさまは、そのとしにうまれたこどもたちを、みんなころしてしまいました。イェスカだけがたすかりました。……
まいとし、おうさまがおこすたたかいで、たくさんのひとがしんでいました。おかねもちのうるもののねだんはたかく、ひとびとはびんぼうでくるしんでいました。しんでんのそうりょはかみさまをあがめるふりをして、あつめたおふせをかってにつかってぜいたくをしていました。……
イェスカはくるしむひとびとのこころをすくうために、じぶんのおしえをひろめました。イェスカはまずしいひとびと、びょうきのひとびと、しいたげられているひとびとのなかでかみさまの“あい”をかたりました。そして、つぎつぎときせきをおこしました。めのみえないひとは、みえるように、びょうきになやむひとはけんこうなからだになりました。……
おおくのひとびとにうやまわれるようになったイェスカは、やがてそのにんきをおそれられるようになりました。おうさま、おかねもち、しんでんのそうりょ、そしてかれらにしたがってくらすひとびとは、はげしくイェスカをにくみました。……
イェスカはとうとうへいたいにつかまりました。イェスカをしたっていたはずのでしたちはこわくなり、われさきにとにげだしました。イェスカをうらぎり、へいたいにひきわたしたのは、でしのジユウダでした。……
しゃりんかにかけられたイェスカはくるしんだすえに、しにました。したいはだれもひきとろうとしなかったので、けがれたしごとをしていたおんなたちがほうむりました。……
かなしんでいたおんなたちはおどろきました。イェスカのしたいがはかからきえていたのです。……
いきかえったイェスカは、やがてふたたびかえってくることをでしたちにつたえ、かみさまのもとへとかえってゆきました。
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――学習絵本
外次元(D.T.K.I.P.C.)の偉人⑬
「イェスカものがたり」より