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3三参  作者: きっき
四話
9/11

四話

クラス

(元気のいい連中)



[そういえばさ、この夏にWBCあるよな]

[野球のか?]

俺が質問すると、ソイツは、そうそう、と頷いた。


[というか、野球以外WBCなんてあんのかよ]

[ほら、たしかボクシングでもあったはずだぞ]

[知らないよ、そんなの]


するとソイツ2が

[前は日本勝ったんだっけ?]

と、言った。

[そうそう、あんときのダルビッシュの投球よかったよな]

[そうなのか?]

[ヤバかったね、ビューって球走ってたしさ]

ソイツは俺の質問に興奮気味に答えた。


ソイツはいきなり立ち上がると

[こうさ、構えて]きっとダルビッシュの投球フォームのつもりなのだろう。足を上げるとシュッと腕を降り下ろした。


[あーやばい野球したくなってきた、やりにいかね?]

[はぁ今からかよ]

[いいじゃん昼休みまだあるんだし]

ソイツは俺とソイツ2を立ち上がらせるとクラス全体に


[野球やろうぜ!]と、声をかけた。

なんという行動力。その声にクラスメイトの大半が反応して、そしてソイツと共に教室を出ていった。


そのときふとクラスの中央を占拠している女子等に目を向けた。その女子等は明らかに、出ていく男子に嫌悪感むき出しの表情を浮かべている。


俺はそんな女子に蔑む目を向けた。

コイツらは、こんなクラスで喋るだけで楽しいのか?

学生の内にバカしないといつするんだろう

背伸びの恋愛ばかりで、それが社会に出た時に

誇れるものにはならないはずだ。


[なにやってるんだよ、お前の居場所はクラスじゃないだろ。野球しようぜ]

と、ソイツから声がかかったので

[そうだな]そう言ってクラスを出た。

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