四話 2
(女子ら)
男子が出ていくと、一人が
[あいつ等バカだよね]と、せせら笑った。
実際私もバカだと思った。
そんなことして、何になる?私は不思議で仕方なかった。
[どうして、男子ってあんなにバカなんだろうね]
私が言うと、[わかんない]と、ぶっきらぼうに返ってきた。
[そんなことより、大学生の達也くんがどうって?]
[それがね、私デートに誘われたの]
[えー!すごいじゃん]
[それであんたはどうするの?]
[もちろん行くよ。しかも達也君、良い車乗ってるんだって]
[ええ!いいな~]
やはりこういう会話をしていると、恋愛が一番いいものだと思い知らされる。
恋愛話は誰がしても盛り上がる。そして何より聞いている私達がドキドキしたり、
腹が立ったり出来るのだから飽きない。
…それに比べて
窓際には先ほど男性が出ていったときについていかなかった、陰気な男性が窓の外に目をやっている。
頬杖ついているその姿に哀愁漂っていて思わず鼻で笑ってしまうが、小さく咳払いしてやり過ごす。
あの子は何が楽しくて、一人でいるのだろ。
貴重な学生生活を無駄遣いな気がする。
[いいな~私も恋愛したいな]
誰かがそう言ったので私は[だよね]と、食い気味に述べた。