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distortion.  作者: kou∞
8/12

容疑者7、サクラダタクマ

今日は僕の誕生日です(笑)

僕はこんな状況で冷静でいる。



異常だ。と思われているのはわかっているよ。



単純に場馴れしているだけなんだ。



父は警察のお偉いさん。



そして僕は父に事件を解決する人間になるよう育てられた。



父はアツい人間で、被害者や被害者親族を大事に思っている。



僕も被害者やその親族のために解決してあげたいと思っている。



理由は様々だけど、やっぱり殺人は解決をしてくれない。



そう思うんだ。



本当は僕も間崎さんのように泣きたい。



雄大は本当に失いたくない友達だった。



でも、泣くなんてだめだ。



事件を解決してやること。



それが一番のアイツへの弔いだろう。



しかし、僕にも予想外な事があった。



紡樹が倒れた。



紡樹。



僕は一生かかっても彼女を守り、助け、幸せにしてあげなきゃいけない。



それは、僕と、紡樹が付き合っているから



僕が紡樹を好きだ。



とかいう理由なんかじゃない。



ましてや、解決出来なかった事件の被害者や被害者親族ってわけでもない



父と母がしてしまった、大きな罪。の贖罪だ。



でも、今語るべきじゃない。



だから後だ。



今は事件を解決しなきゃ。



意識を取り戻さない紡樹の頭を膝に乗せたまま、



「全員から話を聞きたい。そっちに移動してくれ。」



といった。



みんなぞろぞろと僕が示したほうに移動する。



間崎さんが座っている椅子の近くだ。



「まずは日向からだな、俺のところへ来てくれ。」



僕がそういうと了解。という感じで日向は歩いてきた。



そして、話を聞く。



犯人はわからない。ということだけだった。



そんな感じでみんな感じで話を聞いた。



荒木さんは間崎さんが犯人だと思ってる。



そんなことがあるから個別で聞いたんだ。



人間関係が崩れる。



この状況では当然だ。



しかも、条件、状況で間崎さんが犯人だというのは普通に思う。



だけど、、、それは一つの可能性でしかないし、犯人じゃない可能性もある。



さて、みんなから聞いたことを整理し、あと、現場検証をしなきゃ。



「加織、紡樹を頼む。」



僕は紡樹を加織に任せた。



加織は犯人じゃない。



つーか信じたくない。



昔からこいつは優しくて、、、



まぁそんなワケで任せた。



これは計画殺人だ。



僕がここにきた時に、癖で電話線を確認したら切られていた。



加織の叔父のリラクゼーションのための別荘と聞いていたから仕事から離れるために切ったのだと思っていた。



だけどこの状況からしてみたら犯人が切ったということが考えられる。



何故切ったのか。



ここに観点をおこう。



何故なら雄大を殺したいだけならそんな必要なんてない。



まだ、殺したい相手がいたのか



はたまた、恐怖を味合わせたいのか?



「みんな、リビングに行ってくれないか?俺、一人になりたい」



事件を解決する時はいつも一人で現場検証しているんだ



「だ、だめよ!あんたが犯人だったら証拠を抹消されるじゃない」


いつの間にか心の整理が出来たのかたまた覚悟が出来たのか、間崎さんが僕に向かって言った。



「じゃ真姫、残る?」



僕は真剣に言う



「えぇ。」



「わかった。」



僕は素直に受け入れた。



「でも、2人だけなら危険じゃ?」



加織が言う。



「そうだな、どちらかが犯人で、襲われたから殺るしかなかったなんて嘘をつかれたら俺たちも危険だ。」



さすが日向、そこまでちゃんと考えている。



「だから、それで戻ってきた奴をどんな事情でも捕まえればいい。後は警察に任せればいいじゃないか。」



わかったという感じで出ていった。



まずは倒れていた場所からだ。



「これって血の他にトマトとケチャップも含まれてるわね。」



「あぁ。さっきから気になっていた」



「雄大、、、」



「辛いなら向こうへ行ってくれないか」



僕も泣きたくなる。



「大丈夫よ!犯人を捕まえるの!」



「そうか、、、頑張ろう。」



「えぇ」



凶器は包丁。



ざっくりと背中を一刺しねぇ、、、



苦しみながら亡くなったろう。



本当に辛かっただろう。



ダイイングメッセージを書いて、僕らに犯人を教えようとしてくれた。



でも、犯人はそれを言葉通り踏みにじった。



次に窓の外の足跡を見た。



男サイズの足跡。



だからといって犯人が女じゃないっていいきれない



さて、落ち着け。



「犯人の目処はたった?」



「つかないな。まだまだだ。」



「頑張ってよ!あまり長すぎるとあんたが犯人だって思うわよ!」



「あまり叫ばないでくれ、気が散る。」



気にかかるのは間崎さんが通るまでの15分間、アイツが何をしていたのか。だ。



「みんなにプレゼントって言ってた、、、」



「プレゼント?でも何も残ってないぜ?」



何も残ってない。



プレゼントとはなんだろう?



まさか、それを奪うため?



いやいや、食堂で用意する程度のプレゼントを欲しがるかなぁ?



うーん。



「トイレから戻って来るときは電気は消えていたんだよね?」



「えぇ。だから一人で戻ってきたの。」



「そっか。」



「あっでも、食堂から帰るとき音がしたから、ネズミかと思って怖くて走って帰ってきたわ」



「音?」



「えぇ、ドンッというか何か落ちる音に似てたわ。」



「何か落ちる音?」



「えぇ。」



何も解らない。



「今から雄大を調べるよ。」



「え?」



「残酷かもしれない。誰かと見張りを変えても構わないけど?」



「い、いえ、大丈夫。今は私は自分しか信じられないから。」



「わかった。」



冷蔵庫を開き、雄大の遺体をひきずり出す。



他に刺された場所はない。



「このポーチ、、、」



雄大の誕生日に間崎さんがプレゼントしたやつらしい



「何故、ビニール袋でコーティングされてんだろう?」



「解らないわ」



「中を見てみよう」



「ええ。」



中にはマジック用のナイフと釣り糸



何か繋がる。



「ちょっと静かにして、僕がなにを言っても無視してただ見ていて。」



「ぼ、僕?」



「静かにしろ!」



「はい。」



1、空白の15分間



2、プレゼント



3、音



4、トマト、ケチャップ



5、マジック用のナイフ



6、足跡



7、開いた窓



8、切れた電話線



9、ドンという音



繋がった。



「みんなをここによんでくれ。」



「え?」



「解ったんだ。」


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