容疑者3、タジマショウヘイ
俺には家族がいる、恋人がいる。
だけど実際、恋人より、コイツらといるほうが楽しい。
だから、この受験競争の年の大事な夏を捨て、お泊まり会に参加している。
夏を制する者は受験を制す、、、
いや、、、俺は別に受験勉強をしないわけじゃない。
なんて、思って海で遊んでいた。
みんなガキみたいに遊んでいた。
俺もガキみたいに遊んでいた。
それも遠い過去だ。
たった一時間強前の過去が最高の思い出だ。
ドラえもんはいないのだろうか?
いたらどれだけ嬉しいんだろう。
雄大は死なずにすんだ。
殺されなくてすんだ。
親友が、、、
琢磨、日向、雄大、時雨、俺
この5人なら出来ないことはないと思う。
本当に。
真姫が狂った
その直後、紡樹が倒れた。
「おい!紡樹!どうしたんだ!おい!」
琢磨が焦っている。
「おい、もしかして、、、」
「毒!?」
みんなが焦っている。
「いや、違う。この反応は喘息だ。」
琢磨が落ち着きを取り戻した。
「加織、紡樹のバッグを持ってきてくれ!」
?
誰も出すなと言ったはずなのに。
「翔平もだ。」
「俺!?」
何故俺なんだ?日向じゃダメなのか?
目で訴える。
はぁ。という感じの目だ。
そ、そうか、あの日向は加織の事が好きだ。
もし加織が犯人なら助けてしまうだろう。
それだから俺か。
「わかった。行こう加織」
犯人かもしれない人間と隣を歩くなんて、、、
意外と簡単だな。
「誰が犯人だと思う?」
加織に聞く。
「わ、わかりません、、、」
「そうか、、、心配するなよ。俺は犯人じゃない。じゃないと琢磨は俺ら二人だけをいかせないだろ。」
琢磨は何かの確信に俺らを犯人じゃないと判断したらしい。
いやあるいは、、、
それはないか。
「それはそうですよね。たっくんは頭良いですから。」
「ああ。」
女子の部屋に入る。
「ありました!紡樹ちゃんのバッグ!」
「急ごうか。」
「えぇ!」
俺の見たかぎり、コイツは琢磨のことが好きだ。
あのメンバーの中で一番、恋愛経験のある俺はそう思う。
「琢磨のこと好きか?」
「え?いきなりですか?」
「琢磨のこと好きなんだろ?」
「翔平くん、、、違いますよ。たっくんは兄妹みたいなものです。」
「そうか。なら間違いだったんだな。」
間違いだったんだな。
それでよい。深く追求、追及する必要はない。
ただでさえ、友達を信じられない状況にいるんだ。
「あっついでに警察に電話を。」
「あぁそうだな。」
琢磨は何故警察に通報しよいと言わないのか、、、
理由は簡単だった。
「繋がらない、、、」
「畜生!電話線が切られてやがる!」
「えぇ、、、どうしよう」
「琢磨はここまでわかっていたのか。」
はたまた、、、
俺らはどうすればいいんだろう。
、、犯人を見つけて、、、殺られる前に殺るしか、、、
急いで皆が待つ食堂へ戻った。