表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
distortion.  作者: kou∞
2/12

容疑者1、ヨシミツヒュウガ

夏。



親しい間柄である、桜田琢磨(サクラダタクマ)神里時雨(カミサトシグレ)田嶌翔平(タジマショウヘイ)綾瀬雄大(アヤセユウダイ)、そして俺、吉満日向(ヨシミツヒュウガ)



の男5人と



南雲加織(ナグモカオリ)間崎真姫(カンザキマキ)荒木結衣子(アラキユイコ)田城紡樹(タシロツミキ)



の女4人は、夏休みに加織の叔父の別荘に宿泊する予定をたてていた。



「どんなところなんだ?」



琢磨が加織に聞く。



「うん、場所は近いんだけど孤島でね。海が凄くキレイなの。」



その言葉でみんなは盛り上がり、次々と計画を立てた。



楽しい夏の思い出。



一緒の思い出。



一生の思い出。



になるはず。



輝く笑顔だった。



船でその孤島までいく。



加織は言っていた。



加織は頭が良く、優しい。



高校最後の夏。なのだから叔父は船の送り迎えだけ。



にしてもらう。



と言っていた。



それが今思えば間違いだったのかもしれない。



夏!



海!



最高じゃないか!



ビキニ!



これは素晴らしい!



加織はスタイルが良いなぁ



紡樹も負けちゃいねーけど。



「おいおい、、、真姫さんを見すぎじゃないですか?綾瀬雄大くん。」



「う、うっせーな!」



片想いに馳せる少年の笑顔



を馬鹿にするのも楽しいもんだ。



「結衣子も見てよ!」



「あぁ見てるよ!」



「キャッ!エッチ!」



なんてやつだろうか。



あるのかないのか解らない胸を隠すポーズ。



全くセクシーさを感じない。



まぁ良いか、、、



俺はのんびりしたいしな。



ここで寝ていよう。



んで起きたら。



「なんじゃこりゃー!」



生き埋めにされていた。



いや、顔だけは出ているんだけど。



みんな爆笑。



「日向のあれでかいな!」



指を指す翔平



土でアソコをもの凄い感じに作られていた!



「男子最低~」



とか言いつつもガッツリ見ている間崎。



「おい、日向。」



俺の頭の上から話掛けてきた琢磨。



「何だよ?」



「これなーんだ?」



それは灰色で、、、足が長くて、ハサミのついてる、、、



「蟹じゃねーか!」



「これどうしようかなぁ」



最低。



コイツのこういう所大っ嫌い



「落ち着け!やめてくれ!それだけはやめてくれ!」



「無理かなぁ。」



「なんでだよ!?」



「俺、不器用ですから。」



「意味わかんねぇよ!?」



「冗談だよ冗談。1割は冗談」



「9割は本気かよ!」



まぁ、、、本当にそんなことをするわけもなく、、、



と言いたかったが、耳の横に蟹を落とされた。



マジで不器用だった。



琢磨はワザとじゃなかったらしく、本気で蟹を捕まえようとしていて親指を挟まれていた。



馬鹿め!



面白かった。



本当に面白かった。



夜。みんなでずっとトランプをしていた。



「つーか残念だったよな時雨来れなくて、、、」



「熱発だろ?体調管理ぐらいしっかりしろよなぁ。ね?結衣子。」



「な、何よ!?その笑顔!」



「大好きな時雨くんが来れなくて寂しいんでしょ?」



「五月蝿いわね!日向こそ、今ここであの人に告白したら?」



「携帯つながんねーもんここ。」


「は!?何言ってんの?携帯なんて、、、」



俺は急いで結衣子の口を塞ぐ。



バレたくない。フラれたくない。



「一日目からフラれたくない。」



結衣子にこそこそという。



なるほど。と親指を立てる結衣子。



実はそれだけはないんだが。



まぁいい。いいんだ。



俺はどうしても彼女を手にいれられない。



だけど気にすることはないかな。



みんなの笑顔を見られれば。な



「つーかさ、、、雄大遅くね?」



翔平が言う。



「ジュース取ってくるって言ってから一時間近く経つぞ。」



「う、ウチ見てくる」



間崎が言った。



アイツら両思いなんだっけ?



なら行くわな。



『キャー!』



間崎の叫び声。



「どうした!」



確かに全員で見に行った。



雄大が血を流し倒れていた。



翔平が確認して、死んでいることがわかった。



一瞬にして恐怖が躯を押さえ付ける。



足が震える。



「ま、窓、、、」



窓が開いている。



その向こうには足跡がくっきり残されていた。



外部犯、、、怖いのは変わらないけど安心した気がする。



メンバーじゃなくて良かった。



しかし、琢磨は



「犯人はこの食堂にいる。」



と言った。



「何がダイイングメッセージだよ!この中に犯人?あり得ねぇよ」


俺は叫ぶ



嫌だ!認めたくない。



誰かが犯人だなんて、、、



「それが事実なんだ。俺も信じたくないけどさ、、、」



翔平が言う。



この一時間。



みんなそれぞれトランプから抜け、いろいろしていた。



みんながいる部屋を出た奴は、、、俺以外全員。



全員チャンスがあったわけだ。



俺じゃない。犯人は俺じゃない。



「琢磨、、、俺はあの部屋から出て無いぞ、、、」



「あぁ。まぁトリックを使えば出来るかもしれないがな。アリバイは成立してるよ」



「そっか。」



犯人。



一番可能性が高いのは間崎だろうか?



しかし、好きな相手を殺すだろうか?



愛が憎しみになったわけか、、、



いや、、、でも、、、



解らない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ