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distortion.  作者: kou∞
12/12

エピローグ後編 サクラダタクマ

「紡樹ちゃん?今までの人生楽しかった?」



「はい、楽しかったです」



紡樹の声が震えている。



「はぁ、、、もういいよ母さん。俺が言う。」



「紡樹!」



「は、はい!」



「この雰囲気で勘づいてるかもしれないけど、今、お前の目の前に座っているのがお前の本当の家族だ!」



「「えっ!?」」



「本当に今まで黙っていてごめんなさい!」



三人で頭を下げる



「実は亡くなった両親から、本当の両親は他にいるということは聞いていました。」



意外と冷静に紡樹が切り出してきた。



「そうか、、、」



父が言う



「あの、、、なんで私は別の家庭で育てられることになったんですか?」



これを聞きたい理由はわかる



「昔、私がまだ未熟だった時の話しになる、、、犯人は2歳の子供を人質に奪った。まぁ展開はわかるだろう?私の所為で子供は死んでしまった。」



僕がこの話をきいたのは高校生になってすぐだった。



「その子の両親に謝罪しにいったら、その夫婦はもう子供が出来ないんだという話を聞かされ、、、私は迷った挙げ句、生活も苦しかったという理由もあり、君を育ててもらうことにした。」



「、、、」



泣きそうな紡樹。



捨てられた。



という思いがあるんだろう。



「紡樹、俺らは双子だ。」



そう、言った。



その言葉で泣き始めた。



「私たちが君にしたことを許されるなんて思っていないが償っていくつもりだ。」



「えぇ。人生をかけて」



両親が泣きながら言う。



僕は真っ直ぐ紡樹を見つめる。



「紡樹、一緒に暮らそう。」



「まだわかんないよ、、、気持ちの整理がついてないの、、、考えさせて」



「あぁいくらでも待つさ。」



「うん、、、」



そして、その日は5人で外で食事をとった。



帰り道、両親は先に帰らせ、僕は紡樹を加織と送り、二人で歩いた。



「たっくん、、、なんで今まで私に言ってくれなかったの?」



「言わなかったんじゃない言えなかったんだ」



紡樹にとって真実を知るのが幸せなのかどうかと聞かれたら答えは、、、わからないからね



「どうするの?つみっきー、たっくんの事好きだったんだよ?」



「僕の所為で、、、」



何も知らない子に家族としての愛情を与え続ければそうなるだろう。



なんて優しい人なのか、、、と。



「たっくん、、、なんで今日、私もよんだの?」



「それは、、、」



「つみっきーの親友だから?」



「違う違う、見ていて欲しかったんだ。」



「見ていて欲しかった?」



「あぁ。お前が見てると僕はしっかりしなきゃって思える。強くなれる。」



「えっ?」



「いや、何でもない。」



なんて会話をしている時に電話がきた。



「どうした日向?」



「お前、、、紡樹と双子だったのか、、、?」



「黙っててごめん」



「いやそれはいいんだけどよ、、、」



「何?」



「俺、紡樹の事好きなんだよ。」



「は?え?加織じゃなかったのか?」



「そんなこと一度も言ったことねーよ!」



あぁ確かにそう言われてみれば、、、



でも言動が、、、



「んで、それだけの為に電話してきたの?」



「うん。じゃ」



プーッ



いや、いやいや、、、



「なんて?」



「なんか、紡樹の事が好きだから。だって」



「それだけ?」



「うん。」



「なんかすごいね」



「うん。」



「反応薄いね。」



「うん。」



「ひどい、、、」



「えっ!?何々?ごめん考え事していた。」



「いや、何でもないの、、、」



「加織?」



「何?」



「久しぶりだよな二人で歩くの」



「小学生の時はずっと二人で遊んでたもんね。」



「正直、お前が双子ってほうが現実味があるよ」



本当に



「うん。私も、、、でも嬉しくはないかな」



「僕もだ。」



「つみっきーとは?」



「どうかな?そーかー。くらいだったよ」



「そっか、、、あのたっくん、、、こんな時に間違っているとおもうけど、、、私、、、」



「僕、加織が好きだ!」



「えっ?」



もうどうにでもなれ!



「幼稚園の頃から一緒で、、、それでも中学からだんだん話さなくなってきて、、、、んで気づいた。加織が好きなんだ!」



家の前で告白をした。



もちろん興奮していたので大きな声をだしてしまい、僕と加織の家族に聞こえている。



「私も、、、好き。」



抱き締め合った。



家族や通りすがりの人の視線をバシバシ感じながらも2人だけの世界に、、、



「入れるかぁ!!」



ビクッと加織がする



「どうしたの?」



「いや家族たちが見すぎ!」



「えっ!?」



「気づいてなかったんかい!」



「気づかないよ!」



僕は一日に人生を変える告白を二回もしてしまった。



一週間後、紡樹から電話がきた。



「私ね、決めた。一緒に住みたい!」



「ああ。じゃ迎えにいくよ。」



父と僕は紡樹を迎えに行った。



ここに至るまでには壮絶な葛藤があっただろう。



そして、日向の絶大なる支えがあったんだろう。



最近、あの2人の距離が近くなっているので昨日言っといた。



「妹に手を出すなよ」



いや、妹かどうかまだ聞いてないけどなんとなく、、、



「いつか、お前をお兄さんとよんでみせるぜ。」



「殺すぞ」



「どんだけだよ」



いやまぁ日向なら許せるけど



まだ、紡樹の家族って実感も無いけど



さぁ僕ら家族はこれからだ。



沢山の壁があるかもしれない。



まだみんなに加織とのことも話してないけれど、、、



加織に少しの間、内緒にしようなんて言われたから、、、



僕の両親はずっと紡樹と暮らすことを考えていたらしく部屋を用意していた。



僕より随分広い部屋だ。



「父さん、どっちが早く産まれたの?」



「琢磨だ。」



「ってことは琢磨くんはお兄ちゃんってことだね」



「そうなるのかな」



「じゃお兄ちゃんって呼ぶね」



「いや、それはやめてほしい、、、」



日向にバカにされるのが見え見えだ。



時雨はこんなことをバカにするような奴ではないからいいけど



家に着き、荷物をおろした。



「広っ!」



「確かに、、、」



広い。



「これからよろしくね。」



「あぁよろしく。」



さらっと紡樹の不幸を語ってしまったがこれらが僕の物語である。



歪んで歪んだ僕らの絆や人生。



ただそれはギターのエフェクターと同じだ。



ディストーション。



オーバードライブより歪み、ファズよりは歪んでない。



歪みの中に美しい音。



人生にも多少の歪みが必要だ。



毎日がクリーンなら平穏過ぎて飽きてしまう。



嫌なこともあるからこそ楽しいと思えることがある。



美しい曲と、美しい人生



それを作り出すのはディストーション

読んでいただきありがとうございました。

なんかだんだん明るい感じになりましたね。


最初の予定では時雨が犯人で、、、人間関係が、、、

っていう感じだったのですが

ありきたりな感じに見えたり

好きな人が出来たり、、、

で変えました(笑)


サクラダタクマくんでこれから推理小説書きたいなとも思うのですけども、、、なんか今回の作品、、、全然見てくれてねぇwwwみたいな


ちょっと涙目、、、


まぁ受験を終えたらサクラダタクマくんで書きたいななんて思います。



ディストーションでした。


本当にありがとうございました

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