第10話・MOVE!異世界で住む場所を探せ
「ふあ~あ……、退屈だなぁ」
「そうねぇ……」
異世界に来てから、1週間が経とうとしていた。
あれから毎日、薬草採取の依頼を受け続けていた俺達は、早くも行き詰まっていた。
他にやる事ねーもんな……。
初めての料理後、採取した薬草を《素材解析》を使い、色々と判明させた。
そのおかげで依頼とは関係ない薬草も採取し、いつかの為に確保をしてる状態だ。
特に食事はまぁまぁ満足度が上がった。
というより、現状それしか使い道がない。
なぜなら宿屋では調合などは禁止されているから。
そんな訳で、早いとこ家が欲しいんだけど──
マスターの方でも難航してるのか、肝心の家は未だ決まらず、俺達は仮宿暮らしのままだった。
「なー、家ってどんなのがいい?」
「家?……2LDKかしら」
「LDKっていう概念がこの世界にあるのかは知らんけど、確かに2部屋は欲しいよなぁ」
「欲を言えば、こじんまりとした戸建、お風呂、トイレ……」
「風呂は欲しいな!」
俺達が元々住んでいた家は、神社に繋がる一軒家。
田舎だから土地だけはべらぼうに広かった。
正直、畳がないのに未だに慣れてない。
「家が手に入るまで、あとどれくらい掛かるんだろうなぁ」
「突然過ぎて難航してるみたいだし……」
「やっぱ俺らでも探してみっか!」
「……そうね。どうせ1日1件の依頼しか受けられないし、暇だもの。」
「よっし、決まり!」
「決まりはいいけど、どうやって探すの?」
それなんだよなぁ……。
「不動産屋とかあるのかなぁ」
「それらしいものは見たことないわね」
「ここはやっぱりギルドで聞くのが1番だな!」
依頼終えたばっかで、また行くの面倒だけど……。
「すいませーん!俺達の家がどうなってるか分かりますか?」
忙しそうに書類整理をしてる受付嬢が手を止めてこっちにくる。
「こちらでは把握してないんですよぅ。聞いてきましょうか?」
「いや!それよりも俺達で家を用意する場合、どんな方法あるんすか?」
「そうですねぇ。いくつかありますが、1つ目はギルドですね」
「やっぱそうなんすか」
「ただギルドと言っても、この冒険者ギルド、商人ギルド、この2つで斡旋しております!」
「商人ギルドもあるんすか!?」
「あれ、ご存知ありませんでした?」
「今初めて知りました!」
「それは申し訳ありません!街で商売するには商人登録が必須なのですが、後回しになってたのかもですね」
「確かに売り物はないものね……」
「カレンさんは錬金術師ですし、いずれポーション販売をすると考えたら、登録しておくのも1つの手かと!」
「……なるほど」
確かに、何かを売ることを考えたら必須かもな。
まだ華蓮はスキルすら使ってないけど……。
「あとは街などにある仲介屋さんですね。こちらは住居だけでなく、売買に関してなど様々なことを扱っているようです」
「なるほど……」
「主にこの2つですね。あとは個人間での取引などありますが、ツテがないとなかなか……」
不動産屋の代わりにギルドか仲介屋か。
うーん、異世界っぽい。
「ちなみに住居としてなら、仲介屋をおすすめします!」
「ギルドではなくてですか?」
「冒険者ギルドでは仮宿、商人ギルドでは店舗用の物件が多いんです」
なるほど、住み分けされてるのか。
「たまに悪質な仲介屋もいますが、街の中心地に近い仲介屋でしたら問題ないかと思います」
「分かりました、色々ありがとうございます!」
「いえいえ、いつでもどうぞ!」
二人でお礼を伝えてギルドを後にする。
「さーて、どうするか」
「うーん……。商売に関してはまだ分からないし、仲介屋さんに行くのが良さそうよね」
「まーな、探してみっか!」
こうして俺達は、『拠点探し』という地味だけど重要な新たな課題に向けて、街へと歩き出した。
……正直、難易度SSな気はするけど。
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次回更新・2月13日




