表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
主殿、我だけを見よ~異世界で助けた奴隷少女は元・魔王軍幹部!?独占欲と戦闘力が規格外な娘と遺跡探索スローライフ~  作者: 猫村りんご


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

83/108

【第81話】ナヴィの手ほどき

【第81話】ナヴィの手ほどき


翌日、人通りの少ない街の外れ――

俺は空き地で、ナヴィに手ほどきを受けていた。


「主殿、そっちの腕が遅れておるぞ!」


「ぐ、動かしたいのは別の腕なのに……うわっ!」


俺の目の前を、黒髪がふわりと舞う。

ナヴィが軽く跳ねるようにして“腕”を避け、盛大に空振りした俺は地面へ尻餅をつき、ナヴィは目の前に着地してニヤリと笑った。


「くははっ、どうしたどうした?そんなことでは我に触れることはできぬぞ?」


「それはどうか…なっ!」


俺が返事を返すと同時に、地面を突き破るように下から別の腕を伸ばす。

――が、それすらふわりと飛んだナヴィにかわされてしまった。


いま訓練をしているのは、多腕の指輪を通じて具現化した半透明の腕――見た目は薄い光をまとった魔力の塊だ。


思考の指輪で自身の処理速度をあげ、複数の腕を操る訓練をしているが、二本同時に動かそうとすると感覚がズレる。

動かそうとした瞬間、片方が止まったり、タイミングが噛み合わなかったり。



「うーん……二本は、なんとか動かせるけど、三本目は完全に制御不能だな」


立ち上がり服についた埃を払う。


「実戦では一本にしたほうが良さそうじゃな。――さて、次は耐久力じゃ。腹の辺りを殴るゆえ、しっかり防ぐんじゃぞ」


言った直後、ぐっと目の前で構えるナヴィ。

俺は咄嗟に魔力の腕を二本、交差させて腹の前に――


ドゴォン!


「ぐはっ!?」


腹に重い衝撃と共に魔力の腕が弾き飛ばされる。

視界がぐるりと回転し、俺は無様にゴロゴロと空き地を転がった。

全身に鈍い痛みが走り、息が抜ける。……と、とりあえずヒールを――。


「おお、今のを防いだか!見事じゃ主殿!」


「ごほっ、吹っ飛ばされただけだよ……」


ナヴィが差し出してくれた手を取り立ち上がった。

魔力の腕も問題なく動く。


「うむ、それなりに強く打ったつもりじゃが、腕は無事のようだのう。耐久は十分じゃな」


「それなりに……ちなみに、どれくらいの強さで殴ったの?」


「…………それなりに、じゃ」


「ナヴィさん???」


そんなやり取りを繰り返しながら、俺たちは夕方まで特訓を続けた。


結果として検証できたのは――

腕は一本なら自在に操れる。二本だと若干もたつき、三本は無理。四本目以上はそもそも出せなかった。


伸ばせる長さは三メートル前後で、攻撃力としては岩を砕く程度の威力がある。

また、ナヴィの“それなりの威力”にも耐えられることができる。


ナヴィの総評はとっさの盾としては十分に実用的。

使える腕の数が増えれば話は別のようだが、いまのところは戦闘力というより、いざという時の奇襲や防御に使える程度、とのこと。


「課題は主殿の反応速度かのう。盾があっても反応できねば意味はない」


「うーん、たしかに……」


「とは言ったが、魔王軍の一般兵と比べてもそこまで遜色はないぞ。思考の指輪の影響もあるじゃろうし、鍛えれば多少の戦闘はこなせるようになるやもしれんのう」


そう言って、ナヴィがにやりと笑う。

元・魔王軍幹部のお墨付きも貰えて、確かな手応えが残る訓練になった。




訓練を終えた俺たちは宿へ戻り、汗を流して夕食を済ませた。

夜風が涼しくなる頃、約束の時間より少し早めに宿を出る。


待ち合わせ場所に着くと、リックがすでに到着していた。


「お、来たか。ちょうどいいところだ」


リックの声に続いて、足音が響く。

現れたのは黒いジャケットを羽織ったリズベルと、その後ろには大柄な男、デズの姿もある。


「待たせたね。今夜の取引現場の特定ができた。場所は――倉庫街の外れにある古い倉庫だ」


緊張が、空気を一気に締める。

俺たちは顔を見合わせ、リズベルの指示に従って歩き出した。


いつも読んでいただきありがとうございます!


下の★★★★★を押しての応援やブックマークをして頂けると日々の創作の励みになります!


よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ