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努力畢生~人生に満足するため努力し、2人で『無敵』に至る~  作者: たちねこ
第一部 乳幼児期 『エピローグ』
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第1部 エピローグ

 レイ歴327年。

 4月10日。



 あの日の事を話し終えた俺とサティスは、静かに『プランター村』の跡地を、丘の上から見下ろしていた。

 「・・・ふふっ。本当に私を1人にはしてくれなかったわね」

 俺の右腕を抱いて、前を見据える、美しく成長したサティス。

 口元には微笑み。

 「当然だよ。今までもこれからも」

 「・・・ありがとう。愛してるわ」

 「俺も愛してる」

 目が合って、どちらともなく笑いあう。

 「それに、今、サティスの隣にいるのは俺だけじゃないしな」

 「あら、妬いてるの?」

 俺の言い方に勘違いしたらしい。

 ちょっと悪戯に笑うサティス。

 その、大人な無邪気さに心臓が跳ねる。

 「違うよ」

 「ふふっ。冗談よ。分かってるわ・・・。でも、そうね、私、幸せ者だわ」

 必死に隠したつもりだが、俺の動揺はバレている。

 相手はサティスだ。

 隠し事なんて出来ない。

 楽しそうな笑顔が、幼い頃から変わらずで安心する。

 「行こうか、ファセールが待ってる」

 「えぇ」

 俺とサティスは立ち上がって数歩前に出る。

 日が落ち始めていた。

 夕陽が『プランター村』を照らす。

 「でも、その前に」

 サティスが俺の腕を掴んだまま、歩いて木を向いた。

 俺は回されるように回転して後ろの木を見る。


 母2人が肩を寄せ合い、穏やかな表情で背を預けて眠っていたと伝えられた大きな樹。 

 

 1本の樹が墓標のように立つ。

 幹には母2人の名が刻まれている。

 そんな樹の前にはサティスが置いた花束が、風に吹かれて揺れていた。

 2人、並んで手を合わせる。

 

 さぁ、あれからと、これからの話を2人に報告しよう。


 心地よい風が吹き抜ける。



 レイ歴270年。

 4月17日。



 心地よい風が吹き抜けた。


 あの日から1週間。

 あの、いつもの丘の上、巨木の前で手を合わせる。

 目の前には、コラソンに勧められて、『ディナステーア』で購入した花束。

 大きな樹の幹には2人の母の名が刻まれている。

 1本の樹が墓標のように立っていた。


 隣でサティスが俺の真似をして手を合わせている。

 意味を聞かれたから、報告をしていると答えた。

 そしたら、すぐに真似をしたのだ。

 少しして目を開けて顔を上げた。

 

 今日から俺とサティスは1年間、『アロサール家』に修行をつけてもらう。


 これからは完全別行動だ。

 サティスは『アロサール家』でコラソンから修行をつけて貰う。

 俺はボカとコルザと共に2人の修行場に連れて行ってもらい、そこで修行をつけて貰う。

 寝食も完全別。

 顔を合わせる回数はゼロになるだろう。

 

 「フェリス。私、もう1つの夢が出来たの」


 サティスが報告を終えたのか、右隣で木の方を見ながら口を開いた。

 背中にセドロから譲り受けた剣を背負っている。

 まだ、両手で持つのが精いっぱいなのだ。


 「いま、お母様たちには報告したのだけど、フェリスにも伝ておきたいのよ」


 言いながらこちらを向いた。

 春の心地よい風が吹いた。

 その風はサティスの『深紅』の『ショートヘアー』を揺らす。

 先日、髪をバッサリ切った。

 お母様を追い越すまで、サヨナラだそうだ。

 まだまだ幼い相貌に収まる大きな深紅の瞳が細まる。

 彼女の笑顔には心惹かれるものがある。

 とても美しい。

 

 「優しくて大事な人を守れるくらい強くて、沢山の人に慕われる・・・。そんな凄い、お母様たちのような、大好きで、憧れる2人みたいになりたい!!」

 

 俺はその夢に視界が歪んだ。

 あぁ・・・。


 母さん、師匠。

 2人の娘は何処までも2人を愛している。


 「・・・変かしら?」


 俺は首を振る。


 「立派な夢だ。それなら俺はどんなことがあってもサティスと一緒に居て、必ず守ってみせるよ。サティスが1人で倒れてしまわないように俺が支える。だから安心して目指すと言い」


 サティスがぽかんとする。


 「フェリスってよくそこまで考えが行きつくわね。さすがだわ!」


 言いながら笑顔になる。


 「それなら、期待してるわ!よろしく頼むわね!」


 セドロと同じ、期待の目と言葉。

 そっくりで笑顔になる。


 「あぁ、まかせろ」


 俺は右拳をサティスに突き出す。


 「でも、あの夢も忘れるなよ?」


 その拳に、サティスが自身の右拳を合わせてくる。


 「えぇ、もちろんよ!」

 

 コツンと音を立てて拳がぶつかる。

 


 「「2人で『無敵』になる!」」



 2人、どちらからともなく笑いだす。


 互いの事を、信じていると伝え合うかのように笑いあう。


 さぁ、ここからは別方向。

 サティスは北の駅に向かう。

 俺は東の山奥にある待ち合わせ場所に。


 笑顔が収まったのが合図。

 真剣な目で合図。

 頷き、歩き出す。



 「「また、1年後」」



 寂しくはない。

 1年後、また会えるのだから。



 また、正面で会える時、俺達はどれくらい強くなれているのだろうか。

これにて、第1部完です!

お付き合いありがとうございました!!


間話5つを挟んで2部に入ります!


1部を描き切れたのは、皆様の応援のおかげです!

評価、感想、いいね、pv、ユニークetc。

全てが私の励みです!

本当にありがとうございました!


これからも頑張っていきます!

よろしくお願いします!

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