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努力畢生~人生に満足するため努力し、2人で『無敵』に至る~  作者: たちねこ
第一部 乳幼児期 『6歳編』
80/720

コルザ 1

ちょっと、グロいかもしれません。

苦手な方はごめんなさい。

 僕は絶望していた。

 『プランター村』の現状にだ。

 家は殆どが倒壊。畑は踏み荒らされ、使いものにならないだろう。

 村中に大量の死体。槍を握ったままの首の無い物。腕が飛び、仰向けに倒れる死体。

 雑に切り捨てられたであろう男の死体。

 道の端では女の子を守り切れなかったのか、背中から深々と槍が突き刺さり、女の子ごと串刺しになっている2人の遺体。

 この村には一度だけ訪れたことがあった。

 皆いい人で、優しく、とても居心地の良い村だったのを覚えている。


 とても、前線で『魔族』が動いた際の第一波を受け止め、隣の『ブランコ村』を隠す。

 そんな、非常に危険な役回りをしている村とは思えないほどに。


 『プランター村』とは、『王命』を受けた村長『プランター』を中心とした、『防衛戦』の『要』となる拠点である。

 『プランター』が、行き場をなくしていた実力のある者たちを集めて作ったのが始まり。

 強ければ誰でも歓迎する『プランター』の意向は、それがたとえ『魔族』の血をひくものであろうと受け入れた。

 そこにブリランテとセドロが所属するパーティーが、『王』から直々の依頼を受けて移り住んだ。

 そして、フェリスとサティスが生まれたのだと父さんから聞いたことがあった。

 最近は、村が潤っていたためか、『ディナステーア』で行き場をなくした『東区』のスラム街からの移住者を受け入れ始めていたが・・・。

 その移住者たちも、恐らく生き残っていないだろう。

 念のために村中を見て回る。

 ・・・『人族』の死体が少なすぎる。

 僕は顎に手を当てて考える。

 どこかに避難している?

 ・・・そういえば、村長の家の地下が避難場所だとか言っていたな。

 僕はそれに思い当たり、『転移』を使用し、空から『村長』の家を探す。

 確か、一番大きな家だ。

 あった。

 『転移』する。

 目の前。

 倒壊した家屋。


 「『空間魔術』『空間把握』『魔素』」


 呟いて『魔術』を使用する。

 視界が青く染まる。

 同時、『魔素』が視認できるようになった。

 両手を見る。

 自身の体を覆う青色の『魔素』を確認した後、周囲を見渡す。

 誰かが生きていれば『魔素』が把握できるはず。

 ・・・『人族』は『魔素』を持っていないから把握できないが。

 「・・・見当たらない」

 村長宅を一周してみると、裏のほうに大きな穴があった。

 近づく。

 「うっ・・・」

 酷い匂いがした。

 濃厚な血の匂い。

 大きな穴の中は階段。

 恐らく地下室への入り口が壊されたのだろう。

 僕は覚悟を決める。

 多分、この先はひどい状態だろう。

 嫌なものを見るかもしれない。

 『魔族』と戦闘になるかもしれない。

 意を決して一歩踏み込んだ。


 暗い。

 しばらくして目が慣れてきた。

 そのころに扉があったであろう入り口が現れた。

 『空間把握』は解除していない。

 中に入る。


 「ひどいな・・・」


 覚悟はしていた。

 だが、これは・・・あまりにも。

 中は死体の山。

 地上で不自然なほどに見つけられなかった『人族』の死体。

 一番奥に、緑色の顎髭を長くした年寄りが、腹に風穴を開けて死んでいた。

 ・・・『プランター』だ。

 あの、母とともに挨拶に行った際に聞いた凄い笑い方を覚えている。

 身を屈めて様子を観察してみると、光無く、開いたままの涙で濡れた瞳がどこかを見つめていた。

 口は吐血しながらも何かを言いたそうに開いている。

 見つめる先を見る。

 そこには、首の無い女性の死体があった。

 立ち上がってその女性のもとに向かう。

 目の前に立ち、その姿を視界にとらえる。

 無い頭部。

 切り裂かれた下腹部。

 「うっ・・・」

 口を押える。

 妊婦だったのだろうか、身に付けている衣服は、妊婦が着るようなワンピースだった。

 切り裂かれた下腹部は、不自然に穴が空いていた。

 ・・・中の赤ちゃんはどこへ?

 ふと、彼女が左手に握っている手記が目に入った。

 中を見たら後悔する。

 そう、わかっていてもなぜか手が伸びた。

今日は3本連続で投稿します。

次は、『残された手記』の最後のページです。

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