『青の仕事編』 『奴隷市へ』
『ドラドアマリージョ獣王国』『城下町』。
『裏路地』。
余りにも怪しい4人組がそこに居た。
漆黒のローブを深く被っているため顔が分からない。
そんな4人組。
それは、フェリス、ティン、ハール、アーラの4人だった。
夜の闇に紛れるように進み、地下への階段へとたどり着いていた。
「この下だ」
ひそひそと言葉を紡ぐティン。
3人は頷いて下へと潜って行った。
『奴隷市』。
広大な地下世界。
入り口はあの場所ともう一つだけ。
知る人ぞ知ると言う大きな地下空間である。
地下は3階まであり、地下2階で『奴隷市』が開かれていると言う。
地下3階は入る事が出来ない。
なぜなら入り口が無いからだ。
本当に限られた存在だけが入る事が出来ると言われているが、地下3階は謎に包まれている。
下水道である地下1階の闇に紛れて地下2階への階段に辿り着いた。
躊躇せずに潜り込む。
光が漏れてくる。
階段を降り、出口を潜る。
喧噪。
異臭。
熱。
それらを感じる4人はここが『奴隷市』である事を確認した。
並ぶ檻。
中では老若男女問わず、様々な『種族』の『奴隷』が捕らわれていた。
ティンが動いた。
売人らしき人物に話しかけたのだ。
「・・・子どもの奴隷はどこだ?」
「お? お兄さん幼女趣味かい? 良いのが揃ってたぜ? すぐに買われちまうんじゃねぇかな? ・・・とりあえず、あっちの一角だ」
言いながら指さされた方角に走り出した。
教えた売人に少しばかりの報酬金を与えながら。
「どーも。 まいどあり」
フェリス達3人も追いかけた。
そして辿り着く。
子どもが立たされてセリが開かれている会場に。
10人の子ども。
ティンが言っていた攫われたと言う5人の男女と、それ以外の獣人族4人。
『長耳族』1人だ。
痛々しくボロボロになった布切れ一枚をかぶせられステージの上に横一列に並ばされている。
涙するこどもたち。
大の大人たちにセリにかけられるこどもたち。
俺の中で何かが吹っ切れた。
「・・・ティン。 耐えられない。 こどもは宝だぞ・・・。 それをあんな。 あんな事に」
拳を握りしめる。
見た所2、3歳の子どももいる。
『獣人族』も1人は2歳くらいだろう。
つまり、『獣人族』の年齢計算的に1歳にも満たない可能性がある。
10歳くらいの女の子や8歳前後の男の子までいる。
俺は、前世の仕事で様々な子どもを見てきた。
こどもは皆、健やかに成長し発達するべきだ。
俺達大人はそれを促し、保護しなくてはならない。
こどもは宝だ。
生きる上での基礎を培う大切な時期であるのにここに居る大人たちは何をしようとしている!?
「・・・あぁ、俺も同感だ。 間に合ってよかった。 助けるぞ」
4人はフードを脱ぐ。
仮面。
スーツ。
黒い手袋。
本人を特定する情報は何も与えない。
フェリスの髪はダークブラウンに染められていた。
耳は髪で隠している。
誰がどう見ても『人族』『4人組』
ティンが大声を上げた。
「我ら『レベリオン』!! 『家族』を救いに来た!!」
フェリスは腰の剣を抜く。
「拙者、義によって助太刀いたす!!」
「何言ってんの?」
ハールの冷静なツッコミが痛い。
いいじゃん! ちょっとカッコつけたいじゃん!
一度は言ってみたいセリフだったんだよ!
「あははっ! 面白いなぁ! やっぱり」
アーラが大爆笑である。
ええい、何はともあれ目の前のこども達だ!!
前世で福祉系の仕事をしていた物としてこれは許せん!!
「行くぞ!!」
ティンの号令と同時に俺達は子どもの元に飛ぶ。
異変に気付いた奴らが一目散に逃げだした。
子ども達を開放してアーラに頼む。
彼の『転位』は俺と違って壁は関係ない。
そして、この数年で錬度も上がって体力もかなりついている。
地下から外へ一気に『転位』出来る。
流石に10人全員は無理だが、4回程の往復で子どもは助けられる。
だから俺達3人はこどもとアーラを守る!!
「来いやぁあああ!!!」
子どもを守る為だったら容赦しねぇぞ!!
周囲から奴隷を売りに出していたやつらの用心棒と思われる奴隷たちがステージに上がってくる。
こうして、『子ども奪還戦』が幕を開けた。




