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努力畢生~人生に満足するため努力し、2人で『無敵』に至る~  作者: たちねこ
第二部 少年期 前編 『人形編』
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『戦闘』『アーラ』

 「にゃあ」


 ガートの鳴き声が響くと同時、俺とアーラが動く。


 「『転移』!」

 「『転位』!」


 姿を消す。

 俺はいったん上空に移動。

 眼下で青紫色の魔法陣のような『魔素』の集まりを視認。

 それは俺がいた場所の背後。

 そこからアーラが現れた。

 

 速度は俺の『転移』よりわずかに遅く、あの『魔素』の集まりに体を移動させることが出来る。


 と言う情報を得てすぐに攻撃にうつる。

 再度の『転移』。


 「『空間剣術』『転移切断』!」


 アーラが現れたタイミングに合わせて背後に『転移』。 流れるような回転切り。


 「うぐっ!?」


 浅いが、背中を切りつけた。


 「なんで!?」


 言いながら再度『転位』するアーラ。

 俺は『空間把握』で彼が出現する位置を把握している。 それは少し奥。 『転移』で追いかける。

 

 「『転移切断』!」


 今度は正面からの横切り。


 「うぅ!」


 アーラの腹を浅く切り込む。


 「・・・ばれてる!? くそ!」


 逃げる気だろう。

 路地裏の道の方。 奥の奥にかすかに『魔素』の集まりが見えた。

 追いかけて『転移』。

 が、遠すぎて間に合いそうにない。

 それを察して武器を変える。

 直剣から短剣に。

 ステップ。


 突発的なリズム上昇。


 「『剣舞術』『クラコヴィアク』!!」


 踏み込み。

 刺突一線。


 「うわっ!!」


 『転移』ほどの速度は無いが、代わりに圧をかける。 当たれば怪我するぞと。 刺突で狙うは腕。


 「はぁっ!」


 「『抜剣術』『煌』!」


 一瞬輝いた、夕陽の反射光で狙いがずれる。 俺の刺突は、長剣によって防がれた。

 ガンッと火花を散らしてぶつかる長剣と短剣。


 「ティン!」


 アーラの叫び声。

 

 「一回退くぞ!」


 俺の目の前。

 剣を交差させる少年。

 『義賊パーティ』『レべリオン』『リーダー』。

 『ティンブレ』が逃げる事を宣言。


 「させるかよ!」


 「はっ! やるじゃねぇか! 確か『フェリス』とか言ったか?」


 「そういうお前は『ティン』だろ? アーラともども捕まえて話を聞いてやる!」


 「おぉ怖い。 だが、俺、お前らみてぇな『パーティ』嫌いじゃないんだぜ。 出会い方が違ったら友達になりたかったよ」


 「意味が分かんねぇ・・・よ!」


 俺は体を回転させる。

 『アルマンド』の動きで長剣を下にいなす。

 長剣が地面に突き刺さる。


 隙。

 素早く直剣を抜きつつ『転移』。


 「『転移切断』!」


 狙うはアーラ。

 アーラを止めれば逃げられないはずだ。

 しかし、すでに準備は整っていたらしい。


 「『転位』!」


 アーラは『魔術』を使用。

 ティンごと俺の把握できる場所からはるか遠くに『転位』してしまったらしく、見失ってしまった。

 

 「くそ!」


 俺は悪態をつきつつ、振り返る。

 サクリフィシオの元に戻らねば。

 剣を鞘に納めながら『転移』で戻る。

 

 ・・・よかった。 まだいた。


 もしかしたら逃げられたかもしれないと思ったが。

 ちゃんと待っていてくれたらしい。


 「良かった。 ちゃんと待っててくれたんだ」


 「・・・この子の事を頼まれてしまったから」


 サクリフィシオは腕の中の猫、ガートを場でながら答えてくる。


 「あ、サティス!」


 俺は、ガートの姿を見てサティスを思い出し、サクリフィシオとともにサティスの元に戻ろうと振り返る。


 「あ! 2人とも! よかったわ! 無事ね!」


 路地裏の道からサティスが顔を出した。

 嬉しそうな笑みである。


 「ごめんなさい。 ハールに逃げられちゃったわ・・・。 あとティンも止められなかった」


 「大丈夫だよ。 こうしてサクリフィシオもガートも無事だ」


 サティスが微笑みながら「ありがとう」と言って、俺の後ろのサクリフィシオに近づく。


 「良かったわ。 無事で」


 抱き着く。

 あわわっと嬉しそうな焦ったような表情になるサクリフィシオ。

 2人に挟まれたガートが苦しそうににゃあにゃあ鳴いていた。


 「話、聞かせてくれるかしら」


 サクリフィシオは、観念したように頷いていた。

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