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努力畢生~人生に満足するため努力し、2人で『無敵』に至る~  作者: たちねこ
第二部 少年期 前編 『人形編』
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『猫探し開始』

 『建国記念日』へ向けて残り一週間を切ろうとしていた頃。

 俺たちミエンブロに依頼が舞い込んできた。


 『猫探し』

 ・依頼日 レイ暦271年4月27日

 ・場所  『ディナスティーア王国』『城下街』

 ・依頼者 リッコ・ナシオン

 ・目的  飼い猫の捜索。

 ・理由  逃げ出してしまった為。

 ・内容  城下町のどこかに居る猫を探す。

 ・備考  猫の特徴。

      黒猫。 首に鈴が二つ。

      左目の周辺だけ白い。

      名前『ガート』

 ・報酬  そこそこ。


 なんでも、貴族でかなりのお金持ちであるらしい。

 そこで飼われている猫が家出したのだという。


 『建国祝賀会』の警備でただでさえ忙しいというのに。

 深夜の『人形』も日を追うごとに増えていて大変だというのに。


 ボカが依頼を俺たちに丸投げしたのだ。


 ボカ曰く。

 『サティスの勘ならすぐに見つかるだろ。 ちゃちゃっと済ませてそれなりの報酬だ。 うまい話だろ?』

 とのことだった。

 確かにサティスならすぐに見つけられるだろうし、報酬の8割を俺たち3人で山分けして良いとも言われている。 だが、それでも。 ただでさえ忙しいこの時期に『ディナスティーア』全域を捜し歩く必要がある。

 いくら、『東区』に動物が出入りするのは難しいため除いても良いとは言え、それでも『西区』『北区』『南区』を探す必要がある。 それなりの労力となるのは避けようがない。 酷ければ1日使ってしまうかもしれない。

 

 それでも俺たちは、ボカの作った『万事屋パーティ』だ。 ボカの指示には従うほかない。 コルザも特に嫌がることなく、その仕事を引き受けた。 で、あれば。 俺とサティスは強制参加だ。


 『城下町』『ディナステーア』。

 『中心区』『ディナステーア駅』『西駅前広場』。

 

 俺、サティス、コルザの3人は、家を出てまっすぐ『中心区』の西側に来ていた。

 

 「さて、今日は西、北、南に分かれて、手分けして『猫』を探そうと思う。 僕は南に行って、『商業街』で『建国祝賀会』の警備をしながら探す。 サティスとフェリスはどっちがいい?」


 そうか、今日は3人別行動か・・・。

 まぁ、そっちの方が効率的ではあるがな。

 でもそれだとコルザの負担が多くないか?


 「私! 『西区』にいる気がするわ!」


 サティスはコルザの負担に気づいていないのだろう、元気な顔と声で手を上げながら立候補した。

 まぁ、サティスが言うのであれば『西区』にいるんだろう。


 「わかった。 それじゃあサティスは『西区』を頼んだ。 フェリスは一応『北区』を頼む。 まぁ、多分『西区』にいるんだろうけど、一応ね」


 コルザも察しているのだろう。

 それでも、一応、万が一と言うものがある。

 俺は頷いた。


 「わかった。 任せろ」


 出来るだけ早く終わらせてコルザに合流しよう。


 「うん。 よし。 それじゃあそうだな・・・。 夕方にもう一度ここに集まろう。 日が暮れてきたらで良い」


 まだまだ午前中なのを考えると、大分時間がある。

 街中をくまなく探すのだ。

 それなりに時間が必要という事だろう。

 

 「了解。 早めに終わるようだったら『南区』に行くよ。 コルザ1人だと大変だろ?」


 俺の提案に目をぱちくりとするコルザ。


 「あ、あぁ。 まぁ。 うん。 そうだね。 ・・・そうか。 フェリスはきっと早く終わるね。 うん、 それじゃあ頼むよ」


 「任せろ」


 俺の提案にサティスもコルザの負担が大きいことに気づいたのだろう。

 手をポンッと叩いて閃いたような顔をした。


 「私も! 早く見つけたら『南区』に行くわね!」


 サティスの言葉にくすりと笑うコルザ。


 「それじゃあ、待ち合わせの意味がないじゃないか。 でも、うん。 そっちの方が僕も助かるよ。 よし、それじゃあ待ち合わせは無しで、終わり次第僕に合流してくれ。 3人集まり次第、みんなで猫を渡しにいこう」


 コルザの話に2人で頷く。


 「うん。 じゃ、解散!」


 「行ってくるわ!」


 コルザと俺に向かって跳び跳ねながら元気良く手を振って去っていくサティス。


 「また後で!」


 俺も2人に手を振りながらその場を後にした。


 と、いう事で三者三葉に持ち場に散っていったのだった。

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