ルーブルの旅の女神「ニケ」
おはようございます。
旅から戻り、書いています。
驚くべきことに、前回の旅でフランスに来た時も、私誰に見せるともなく旅行記を書いていました。
ほんと、描くの好きだなぁ。
以前よりは、アイパットにタブレットと、めちゃくちゃ執筆しやすい環境が整っているので、もう、私生きている間にどれだけ文字を起こしてしまうのかってくらいになっています。楽しい♪
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個人旅行の醍醐味といえば、やっぱり時間的に自由なことだ。
以前ツアーでルーブルに来た時は滞在できる時間が短くて、じっくり鑑賞できなかったことを覚えていた。
同じツアーの人が、スリ被害にあったりもしてたし、美術館をじっくり巡るって感じではなかったので、心ゆくまで堪能できる時間にワクワクした。
エントランス、出入り口にはわかりやすく透明なピラミッドのモチーフがあるので、ルーブルは広いけれど迷うことはない。
ただ観光客が多いゾーンに行くと、スリもたくさんいるらしいので、モナリザ周辺は注意した方がいいと思っていた。
この日は比較的空いていた。
私は石膏像のゾーンから見ていくことにした。コインロッカーに荷物を預けることを教えてくれた係員のおじちゃんが、そっち側に座っていたからだ。
石膏像ゾーンに足を踏み入れると、すぐにその迫力に圧倒された。
ふぇー。一日ここで座っていても飽きないくらい。
私は絵を描く人間なので、全てが完璧すぎる石膏モチーフだった。
画用紙を持ち込んでデッサンしている少年がいた。
君は偉い。私はこの旅、画材具を持参しなかったヌケサクだ。
次回来るときは、持参しようと心に誓う。
携帯で写真と動画を撮りながら、私はそのゾーンをひと回りして、次のゾーンに入って行った。
おそらく順番的には、メジャーではないゾーンから見て行ったので、空いている。地方の美術館の人の少なさを彷彿とさせるほどだ。
次はレンブラントに似たタッチ、つまり光と影で精巧に描かれた17世紀ぐらいのヨーロッパらしい作品が並べられているゾーンだった。
私は絵が好きだ。でもさほど絵に詳しくない。
うんちくなんて語れない人間の部類だ。
他にも本も好きだけれど、作家にも詳しくない。
なぜかっていうと、絵を見れば鑑賞するよりもすぐに自分も描きたくなってしまうし、小説だって読んでいるうちに違う空想が浮かんで、自分で文字を並べてしまうからだ。
だから私の絵の見方は、気に入った絵のところで立ち止まって、「わーこれどうやってこんなふうに描いたのかなぁ?」と近づいたり遠ざかったりして楽しむ感じになる。
思い返せば学生時代、私の母は一生の趣味を作るのがいいと言ってきた。
そして絵にする?
写真にする?
みたいなことを聞いてきた。
おやおや。
うちの母は幼稚園時代の私にも可能性に期待した節があった。
バレー、そろばん、エレクトーン、ピアノ。
あらゆる習い事の選択肢を、私の前に広げてくれたものだ。
その中で唯一、絵はハマった。
でも流石の母も、小説を提示してくれてはいなかった。
空いているマイナーゾーンでかなり楽しんだ私は、中庭を左手に見ながら、最後に観光客が多く滞在するメインゾーンに向かっていった。
最初にお出迎えしてくれるのは、やっぱり印象的な「ニケ」だ。
首から上がない、羽の生えた女性の彫刻。
やっぱりかっこいい。
首から上には、一体どれほどの美しい顔がついていたのか、想像してしまうほど、人の視線を釘付けにする。
しかもさ。
長い石の階段上に展示されているから、おのずと彼女を見上げながら近づくので、そりゃかっこいいわって感じです。
記念撮影している人も多く、何を隠そう私も、今回の旅の思い出に作ったフォトブックの表紙は、「ニケ」を選んでいました。
作者不明だけれど5メートルほどもあるニケは、元々は118個ものパーツで見つかったものを合体させていったとのこと。ほんと残念だけど、顔とか腕とかは出てこなかったらしいのだけれど、羽が素晴らしい。
頭部や腕がなくても、自由でいる。海の勝利の女神らしくて、船の先端に飾られていた彫刻なんだとか??
そうすると旅の女神様だなぁと私は思った。
一人旅だし、今回の旅無事に帰れますように、と願いながら、私は彼女の横を通り過ぎた。
旅行記なので、特に後書きはないです。
どれくらい続くのか……。現状未定です。
一緒に旅しているような気分になってくれれば嬉しいです。