第3話「続・師弟関係?」
ども!花月です!
(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
≪クリス視点≫
「ぎゃーーーーーー!!!くまーーーーーー!!!」
我を忘れた私は、様々な魔法を放つも熊には一向に当たらない。むしろ、環境破壊を繰り返している。家の周りの木が軒並み穴だらけになる光景が広がる。何故、魔法が当たらない。冒険者として、剣聖としてこの熊に負けるわけにはいかない・・・。ん?私は剣聖だ。剣で戦えば負けるわけがない。私は、腰に手を伸ばし剣の柄をつかもうとするも、どうも掴める様子がない。ツーっと汗が流れる。
私は忘れていたのだ。実験という名で家で魔導書をいじっていたのを。その結果、旭陽に出会い、ここに戻ってきたのだ。剣など腰に付いている訳がない。絶体絶命が頭によぎる。ヤバい・・・。私ここで死ぬのか?
「よーし、熊公こっち向け。俺がいいものをやろう」
そんなことを考えているとき旭陽の声が聞こえた。
≪旭陽視点≫
「ま・・・まっ・・・て・・・」
クリスは俺の言葉を無視して、まだ先に見える家に駆けだしていた。体力の限界を感じ、俺は倒れこんでしまった。不甲斐ない。最近仕事で忙しかったからな、運動不足だ。これからはしっかり体力をつけよう。そんなことを考えていると
「ぎゃーーーーーー!!!くまーーーーーー!!!」
は?あの美男子のクリスがこんな声をあげるんだなぁ・・・、って、クリスが危ない。ほとんど空になった体力と気力をふり絞り、クリスがいる方へ向かう。
『ギュンッ』
俺の顔スレスレを何かが通過する。俺の額からツーっと汗が流れる。
『ドカッ、バキッ!』
不穏な音が鳴り響く。これは、あれか?クリスが原因なのか?これはヤバい。俺の命がクリスによって奪われてしまう。急がねば。
必死に足を動かしクリスの家と思われる場所に着いたが、クリスは青い顔をしている。それに対し熊は、困惑した顔をしているように思える。えっと、何かあったのか?何か気を引けるものがあればな。あっ、アレがあるか。よし。俺は、一大決心をして声を張った。
「よーし、熊公こっち向け。俺がいいものをやろう」
俺は鞄からビーフジャーキーを取り出し、熊に見せつけてみた。
「これは、うまいぞ。一口食べてみるか?それとも俺が食ってるのを見とくか?」
俺はいやらしそうに熊を挑発し、ビーフジャーキーを口元に運ぶ。熊は、じっとみているものの、ビーフジャーキーの匂いが届いているのかよだれを垂らしている。よしよし、うまくいっている。俺は、ビーフジャーキーを口に入れ食べ始める。
「あー、うまいっ!」
正直な感想が漏れた。それもそうだ。飲まず食わずで2時間も歩き続けたんだからな。塩分が足りないんだよ、塩分。正直、喉がかなり渇いている。しょうがない、これも必要なことだと割り切りビーフジャーキーを次々に口に運ぶ。
「旭陽!!!危ない!逃げろ!」
「ガウ、ガウガウ」
ビーフジャーキーを食べるのに夢中になっていたためか、熊の接近に気づけなかった。だが、熊は俺を襲うことなく、ビーフジャーキーを欲しそうな目で見つめている。ビーフジャーキーを熊にあげますか?そんな選択肢が頭の中に浮かんできた。
「ほら、やるよ。これ食ったらおとなしく森へ帰れ」
熊にビーフジャーキーを渡し、食べるのを待つ。熊がビーフジャーキーを美味しそうに頬張っている。よしよし、さぁ森にお帰り。そんなことを考えながら目が点となったクリスに近づく。
「クリス、大丈夫だったか?」
「馬鹿者!!!素人で何もできないやつが熊の前にいきなり現れるなんて、何を考えているんだ君は!」
クリスからお叱りの言葉が飛んでくるも俺は
「いいじゃん、お互い何もなかったんだから。さっ、家に入ろう」
「おいっ!ここは私の家だ!!!!」
熊との死闘を終えた後の一言にクリスから突っ込みを受けながら、互いに笑顔でクリスの家に入るのであった。
美夜「くまおにいちゃん食いしん坊だね」
旭陽「・・・・・。」
美夜「なに?前回から一言も発さないじゃん」
旭陽「・・・・・。」
美夜「え、私が原因なの?」
旭陽「お前も俺のつらさを体験しろ!」
美夜「私、マヨネーズの件忘れてないから」
旭陽「すみません、俺が悪いです」
美夜「次回!ひと時の休息」
旭陽「お前、次回!って言いたいだけだろ・・・」