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立川健太郎の能力

「…なるほど。つまり健太郎さんは全くの別世界”ニホン”という場所からやってきたんですね」

「そーなのよ〜!あんた物分かりいいワァ〜!!なんか一回死んだら変な神様?に声かけられて気づいたら井戸バシャーン!みたいな!?ほんっとひどくなイ!?」

「はぁ…そこはあんまり理解できないんですが。災難でしたね」


立川健太郎は助けてくれた少女の家の中にいた。


濡れた体を冷やすために暖炉の前でタオルにくるまっている。

もう殆ど濡れは乾いていた。

家は街の外れにある小さな二階建ての庭付き一軒家だ。


「でも助かったワ〜!!なんか言葉も通じるシ?文字も読めるシ?前世の能力かしラ!」

「降ってきた時は驚きましたけどね…」


少女の名前はテルテル。目の前で紙に書いて教えてくれた。それは見たこともない文字で書かれた文字だったが健太郎には何故かそれが理解できた。


テルテルは栗色の髪を耳の下で二つに結びにしている。鼻の上にはそばかすを散らばせ、健太郎の肩ほどまでの背丈であった。その容姿から予想される年齢は中学生くらいだ。


テルテルは警戒心も少なく、1時間ほど話をすればすぐに打ち解けるようになった。


テルテルから話を聞いて得た事は3つ。

聞くところによるとここは「バル」という名の君主制の国であること、

その中でもここは「バル穴」と呼ばれるバルの中央にある街であること、

そして、日本でもなければ地球でもない。全くの別次元の世界線だということ。


「いやほんと草だワ〜」

テルテルから話を聞きながら健太郎はそんなことを呟いていた。



「文字や言葉がわかるのは、知能スキルが12以上であれば言語能力のスキルが備わってるはずですよ」

テルテルは「上を見てください」と健太郎の頭の上を指す。

そこには”Lv 1"の文字と”詳細”という文字があった。


「ナニコレ!ゲームみたイ!!」

「詳細を押してみてください。えっと…健太郎さんは今、知能スキルは12、身体能力が2…これはそこらへんのモンスターにも勝てないレベルですね…」


知能スキル…向上すると様々なスキルが得られる。年齢と経験値によって向上する。

身体能力…攻撃力や体力とも呼ばれ。物理的な戦いや労働で必要となる。

特殊能力…魔法攻撃やスキルなどを使用する時に必要。

テルテルは紙にわかりやすく表を書いた。


「あくまで初期設定ってワケなのネ…」

「あとは特殊能力ですね。これは生まれつきの素質が殆どですので、まぁ高くてもにじゅーーー2000000!!??」

テルテルは健太郎を凝視したままワナワナと震え出す。

「え?にひゃくまん?高いノ?」

凝視していた目はキラキラと輝き出した。

「たたた高いってもんじゃありませんよ!!!!未だかつてこんな数字見たことも聞いたこともありません!!!すごいです!!!これは魔王も勇者も余裕で倒せるレベルです!!」

「え、えぇ〜!!!もしかしてアタシ最強????超ヌルゲーじゃなイ〜!」

「2000000のスキルって一体なんですか!!使ってみてください!!!」

「エッ?スキル??これ??」

健太郎の目の前には"スキル発動"の文字が青白く光っている。

「きゃっーーッ!!」


衝動的に押してみると辺りがフラッシュをたかれたように一瞬だけ眩しくなって、それ以外は特に何も起こらなかった。



「……何が起きたノ??」


数秒の沈黙の後に健太郎が口を開く。


コレがスキル?

テルテルの方を見ると、特に変わった様子もなく不思議そうに健太郎を見ている。

「何…も起きていませんね。不発でしょうか?何か条件の必要なスキルなのかもしれませんね」

「え〜〜面白くないワネ…あ。」

青白い光を失ったスキル発動の上には「スキル 支配(女性のみ)」と書かれていた。その下には解除の文字が青白く光っている。


もしかして。


健太郎はここへ来る前の神の言葉を思い出した。

ーーーお主にとっておきの能力を与えてやろう。


もしかしてコレじゃないか。


それと同時に、何故かあゲイバーでの仲間とのどんちゃん騒ぎも脳裏を巡った。


「「「王様だ〜れだ!!!」」」

「きゃ〜〜アタシよ〜〜!!じゃあ1番と2番が愛のク・チ・ヅ・ケいっちゃいましょ〜!!!」

「え!?ヤダちょっと皆も!!!コールやめてよ〜!」

「王様の命令には絶対よ〜!」



そしてスキル名の横の(女性のみ)という文字に落胆した。



「ちょっとォ!!!!ゲイにこんなの意味ないじゃなイ!!!!!」


突然の大声にビクッとテルテルは肩を跳ね上げらせ、また不思議そうに健太郎を見ていた。


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