また一難
【龍蟷螂】
龍種に分類される蟷螂型のモンスター。
龍種特有の非常に高い魔法耐性と、昆虫種に多く見られる強固な甲殻を持つ、Sクラス危険モンスターである。
「どうする!どうする?どうする!!」
「うるさいわよタケル!黙って走りなさい!」
「•••」
「急に黙るのも何か気持ち悪いわね」
「どうしろと!?」
「あわわ」
畜生!なんでこんなヤバい日に俺は石になるだけの能力なんだ!てか後ろどうなってる?振り向きてぇけど振り向けねぇ!だってなんかめちゃくちゃズバズバ鳴ってるし!!
龍蟷螂は周囲に散る蟻達を引き裂きながらタケル達を追っている。目に映るもの全てがこのモンスターには攻撃対象なのだろう。
「どないしよ」
ジンは迫ってくる3人と怪物を前に思考する。
まさか女王の後にあんな大物が出て来る思わんやん?武器無いしどうしたもんか。ワイだけ離脱すんのは簡単やけど…
「まぁ放っとくわけにゃいかへんな」
ジンは足元に散らばった剣蟻女王の甲殻の欠片を拾いあげる。
「あんだけ硬かったんやしそれなりの加速には耐えるやろ」
「避けや兄ちゃんら!!」
「五重加速」
ヒュバッ!
「へ?」
空を切る音と共に顔の横を何かが横切るのが見えた気がした。直後後ろでガンッ!と激しい音が響く。
「うおおなんだ今のあぶねぇ!!」
ジンが飛ばした甲殻片は龍蟷螂の頭に直撃した。
「グオオオシャアアアアッッ!」
その咆哮に思わず振り向くタケルの目に映ったのは腹部が大きく膨れる龍蟷螂の姿。
ヤバい。
瞬時にそう判断したタケルは叫ぶ。
「ルカッ!リンッ!」
龍蟷螂の口から灼熱の炎が放たれる。
ーーー
「アカン!!」
下手な攻撃で龍蟷螂をキレさせてもうたか!ブレスが来よる!!
「四重加速ッ!」
間に合うか!?兄ちゃんらを【加速機構】でブレスの射程外まで飛ばす。それしか
「ぐっ」
視界が霞みよる。女王に加速を使いすぎた…アカン間に合わへん
龍蟷螂の灼熱のブレスがタケル達襲った。
かの様に見えたが
「な、なんや?あれは」
ジンが見たのは焼き尽くされた3人の姿ではなく、龍蟷螂のブレスを遮る巨体な岩だった。
勢いで書いている為ちょこちょこ文面を修正するかと思います。…はい。