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ガチャで生き抜く異世界転生  作者: 無職尊命
4/12

ハズレスキル



もう4階級の魔法を覚えたんだって?すごいぞルカ!流石私の娘だな!


ーー

ーーー

ルカ、父さんちょっと遠くへ仕事に行かなきゃ駄目なんだ。母さんと一緒に待っててくれるかい?心配するな。なるべくすぐ戻るさ。


ーー

ーーー


「父…さん…」


ずいぶんと昔の記憶。それは私が父さんを見た最後の記憶だ。


「ん…」


見知らぬ天井、フカフカのベッドの上で目を覚ます。宿屋だろうか?窓から差す夕陽が部屋を照らしている。


「…ここは」


辺りをキョロキョロと見回していると、部屋の扉がそっと開いた。


「…ん?おお!!おーいリン!ルカが起きた来てくれー!」




「…タケル?」



「いやー心配したぞマジで。急に倒れるんだもん。あ、リンゴ食う?さっき宿屋のじーさんに貰ってさ。…てかこっちの世界でもこれはリンゴなのか?」



「お目覚めになりましたかルカ様」


 

小さな少女が開けた扉から姿を見せる。



「えっと貴女は?」



「申し遅れました私はリン•ガンダリア。先程は助けていただき本当にありがとうございます。お二人がいなければどうなっていた事か」



「ああさっきの…良いのよお礼なんて。無事で良かった」




リンと名乗る少女は背負った鞄の中から小瓶を1つ取り出し、ルカに差し出した。



「どうぞ使ってください。ある程度魔力が戻るはずです」



「これは…魔力回復薬?しかもこの色…純正の物じゃない!かなり高価なはず…良いの?」



「助けていただいてなんのお礼もしないなんて父に怒られてしまいます。遠慮しないでください!」



「…それじゃいただくわ」



小瓶に入った赤色の液体を飲み干す。身体に魔力がみなぎるのを感じる。



「…すごい…ずいぶん楽になったわ」



「それは良かったです」



「なにそれトマトジュース?まぁとりあえず今日はゆっくりしとけよ。宿屋のじーさんには話つけてるからさ。なんかあったら隣の部屋にいるから呼んでくれ」



そう言ってタケルは部屋を出た。



「ではルカ様。私も失礼します」



「ええ、ありがとう」



リンも部屋を後にする。



今日だけで二度もオーガと出くわすなんて…大変な1日だったわ。アルドランダに何か異変が起きているのかも……



「…考えても仕方ないわね」


少女は思考を止め瞼を閉じた。


ーー


「くぅー疲れた。異世界初日にしちゃずいぶんとハードだった」



鉄球をクルクル回しながら今日の出来事を振り返る。



「死んだと思ったら転生して空から落ちたり、ガチャガチャ回して竜になったり、女の子助ける為にデカイ化け物と戦ったり結構大変だなぁおい」



「今何時だろ…時間の概念は異世界も共通だよな?」



キョロキョロと部屋を見回すと、元いた世界と同じような形の時計らしき物を見つけた。



「おう時計あんじゃん何時だ?……読めんな。異世界の字か?針的には12時になりそ」



『ご主人!日付が変わりました!今日のガチャを回しましょう!』



「うわ!びっくりした」



『ご主人!今日のガチャを



「わかったわかったから静かにしろ!夜中だよ今!…ガチャタイムだな…12時更新なのか。よーし回すぞ」



ガチャガチャ…ポンッ!



ーーー

ーーーー


翌朝



「ん…もう朝」


窓の外から鳥の鳴き声が聞こえてくる。



「あの娘から貰った薬のおかげで魔力も戻ったみたいね。いつもより調子良いくらいだわ」



ベッドから起き上がり、軽く腕を伸ばし時計を見る。



「てもう昼じゃない!」



バタバタと準備を整え部屋を出る。

階段を下って一階へおりると、宿屋の店主と少女が話をしていた。



「ルカ様おはようございます」


「おぉ、お嬢さん。もう具合は良いのかね」



「おかげさまで…あれ?タケルは?」



「タケル様ですか?下りてきていないですが…」



「まだ寝てるのかしら…起こしてくるわ」



2階へ戻りタケルの部屋のドアを叩いた。しかし反応が無い。



「隣の部屋ってここよね?」



ドアノブを捻り部屋に入るがタケルの姿が見当たらない。軽く部屋を確かめると、ベッドの上に小石が転がっているのに気付いた。



「?なにこれ」



不思議に思いながら小石を手に取ると



「!!」



小石が突如輝きだした。



「なに!?」



小石から手を離すと、それはみるみるうちに人へと姿を変えた。



「ぐあっ!!はー!助かった!!」



「え?…タケル?」


ーーー



ガチャガチャ…ポンッ!


白色のカプセルが出てきた。


N【石心せきしんストーンヘンジ】



『ご主人!本日の能力はノーマル【石心ストーンヘンジ】です!動かざる事山の如しです!』



「ノーマルかぁ…まぁしゃあない。どう言う能力なんだ?」



『石になります!』



ガチャ子がそう言うと、タケルの身体は輝き、どんどん小さくなり、数センチ程の小石へと姿を変えた



(うわ!なんじゃこりゃ!これが石か)



(なんだろう。石ってこんな気持ちなのか。なんか悲しくなってきた。おーいガチャ子これどうやって戻るの?)



ガチャ子は反応していない。



(ガチャ子さん?ちょっと聞いてます?)



ガチャ子は反応していない。



(あれ?もしかして今日1日このままか?……誰かぁっ!!助けてくれぇえええッ!!!)



そして夜が明けた。

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