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零話
この世には多くの行方不明者や死人
それにこの世界から完全に“消えた人”々がいることを
消えたものは世界により不要とされ何も無い世界と世界の境界あるいははざまの虚無へと消えた
消えたものの中には偶然によって再びどこかの地に足を踏める可能性もある
忘れ去られたものたちの最後の楽園かあるいは一瞬の開いた世界の穴へ巻き込まれるかだ
消えたものは
その明晰すぎる頭脳によって排除されたもの
優れた発想により文明を進めかねないもの
過ぎた身体能力を持つもの
特異な能力を持つもの
数多く存在するがその中に含まれている
余りにも不完全で最底辺で欠陥だらけで今生きているのも不思議な男の物語です