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ゆるふわお姉ちゃん(年下)と行く異世界紀行  作者: kdorax
4章 聖女の聖水と死者の村
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第11話 戦略目標

 七人で料理を美味しく頂いた後。

 皆の体調に問題ないことを確認してから、明日のことについて話し合いを行うことになった。

 あんなカラフルなキノコが入っていて良く無事だったものだと関心する。


「私めらの目標は二つあるのでございまし」


 ベアトリクスの説明はこうだ。

 

 一つ目はゾンビを発見すること。

 目撃情報はあるものの俺たちはまだゾンビを目にしていない。

 まずは本当に実在しているかを確認する必要がある。


 二つ目はゾンビの親玉を発見し、これを叩くこと。

 ゾンビは自然発生するものではなく、その背後に必ずゾンビを作成した者が存在する。

 これを何とかしないことにはゾンビを倒しても次のゾンビが現れるだけだ。


 実際の所、冒険者協会の手配書にも動く死体として手配されているが、報奨金が出るのはその親玉を倒したときであるときちんと記載されていた。


「まずはゾンビを見つけることが先決ということだな」


 俺は目標の優先度を再確認することにした。


「ああ。一体ではないだろうからヨ、それを追いかける内に親玉に辿り着くって寸法ヨ」

「親玉が見つからなかったときはどうしますか」

「その場合は全てのゾンビを駆除するのでございまし」

「一万とか出てきたらしんどいわねぇ」

「元が人間だからゴブリンとは違って体格があるもんな」


 千体を超えるゴブリンはプリメロの街の力を結集した結果退治できたものだ。

 今は七人しかいないのでお姉ちゃんの言う通り一万とか出てきたら詰んじゃうよねという話。

 少数精鋭いえば聞こえは良いが多勢に無勢ということもある。

 そういう場合であってもお姉ちゃんだけは守り通してみせるのだが


「そんなときのためのソフィアとジェシカでございまし」

「邪を払えばゾンビは無力」

「魔力を消去すればいいのです」


 返事だけは頼もしい二人。

 まだソフィアの聖なる力とジェシカの魔力が実際にゾンビに効果があるのかは見ていないのだけど。


「それで本当に一万なんて数のゾンビがいたらどうするよ」

「正直不明」

「それは一日で戦わないといけないのですか?」

「一個軍団を超えてるしナ。ありえないとは思うが今の人数では正直無理だヨ」

「戦術としては分断して個別撃破になるのでございましが……知恵も焦りも無い相手ですからどこまで行動が予測できるか……」

「分からないわよねぇ」


 策というのは相手を嵌めるために使う。

 それは相手の知恵の回りも考慮にいれて組み上げるもの。

 とても利口とは思い難いゾンビにどれほど多くの策を用意できるかは分からない。

 

 例えば人間を見るなり一心不乱に迫ってくるとして、出来るのは障害物を設けてその突進を阻むことだろうか。

 それをこの人数でどれくらい用意できるかという話だ。


「夜にゾンビが訪問してきたらたまらんので戸締まりはしっかりとな」

「そういうときのためにケイ君が一人外で夜を明かすんですけど~」


 ああ、俺が部屋で寝られないのって見張りの役目があったからなんだ。

 それならそうと先に言っておいてくれれば良かったのに。


「おたのみー」

「頑張ってくれヨ」

「期待しているのございまし」

「ゾンビが出ても原型を留めるように倒しておいてください」

「役目大事」


 俺を置いて六人はそれぞれの寝室へと連れ立って入っていった。

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