. 幕間 .
幕間へようそこ。
そう、ここは幕間です。
幕間とは基本的には第一幕が終わって次の幕が開くまでの間の事を指します。
とは言えこの話は幕が開けたらもう終わりが目の前ですが。
ここを幕間たらしめる特徴は本編では無いと言う事でしょうか。
さて、この話のタイトルは「多分恋、きっと愛」となっていますね。
あらすじには「愛や恋の同位体的な愛や恋の話」と言った一文がありますね。
同位体とは何かを乱暴に説明すると、本来の物質より少し軽かったり重かったりする物質の事です。
同じ性能の二輪車に体重の異なる人が乗れば二輪車の性能が少し変わってしまう様に、同じ性質である筈なのに違った反応を示します。
中でもその差が顕著な物質は水素ですね。
重水素や三重水素、または重水と言った単語を聞いたことはありますよね。
それらは水素の同位体やそれによって構成される水の事です。
愛や恋の同位体と言う事は、即ち愛や恋ではないと言う事。
分かり易く言い直しましょうか?
即ち本編では愛や恋は微塵も出て来ないと言う事です。
似たものは頻出していますので、恋愛ジャンルとしてはギリギリの水準を彷徨っています。
閑話休題。
本編では愛は与える物、恋は与えられる物としていますが、そうなると愛を持って接する人と恋を求めて接する人が一セットになりますね。
と言う事は、愛し合ったり恋し合ったりする事は非生産的な事になってしまうでしょうね。
ならば私は、恋をしていなくてはならない事になってしまう。
それはまた困った事ですね。
さてさて、そろそろ幕間の幕引きで御座います。皆様は物語に戻り、私は残酷荘の大家に戻ります。
私は私を愛する人の作った食事でも食べに行きましょうか。




