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エネルゲイア×ディビエイト  作者: 加藤貴敏
第六章

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動き始める組織2

「どうや?その姿でも、俺の刀が通るようになったで?」

更にいびつに反り返り、半月を思わせるような形になった刀を肩に乗せ、シキは強い眼差しでニヤつきながらこちらを見据えている。

風の力だけあって飛ぶスピードも上がってるな。

「まあ、そのおかしな紋章の盾は、硬すぎて敵えへんけどな」

そういえば、鉱石を持つだけで力が強くなるって話はしたことあったよな。

「これはね、僕の力の中じゃ、1番硬く出来てるんだ」

紋章を出して見せながら応えると、シキは強気な眼差しではいるがリラックスしているような物腰で話を聞いている。

「そらぁ敵えへんはずやわ・・・ほんでも氷牙、もう切り札無いやろ?このまま戦っとったら、氷牙のその槍、俺には届かへんで」

「切り札なら、あるよ」

「・・・何やて」

シキの自信が滲み出るような強い眼差しの表情に少し陰りが見え始める中、ゆっくりと後退りながらシキと距離と取り始めると、肩から刀を下ろしながらシキの強気な眼差しが少しずつ戻っていくように伺えた。

極点氷牙を纏ってから再びシキに近づいていくと、シキは刀を前に構え、飛び出そうと足を踏ん張った。

最初の一太刀を紋章で受け止めるが、シキはすぐに回り込んで斬り掛かってきたので、あえて紋章で受け止めずに腕を出した。

刃が何かに引っ掛かるかのように勢いを失うと、シキの強気な眼差しは怒りに似たもので更に鋭さを増した。

「何や、盾を使うまでも無いっちゅうことかい。ナメられたもんやな」

「僕の組織の誰かから、聞いたことない?第二覚醒のこと」

しかし腕から刀を放したシキからはもうすでに怒りの表情は伺えなくなっていた。

「・・・何やそれ、覚醒て、1回こっきりのものやないんかったんかい」

「あぁ」

「・・・ほんなら、また俺の負けやないか」



一見2人はエニグマの力に負けてるけど、さっきの傷を治す人が後ろで待ってるから、2人がどんな傷ついても一向に戦いが終わる気配が無い・・・。

それにエニグマも生き物だ、長期戦になるならいずれエニグマのスタミナが切れる。

「ドラゴン、やっぱり・・・私も行こうか?」

きっと即死すればいくら何でも治せないだろう。

「仕方ねぇなぁ、まぁ、オレに任せろって」

ドラゴンが歩き出したとき、男性の放った白く光る球がエニグマに当たり、白い爆発と共にエニグマは盛大に地面に倒れ込む。

エニグマと言えど、ちょっと可哀相かも。

あれじゃなぶり殺しだ。

すると立ち上がったエニグマは、重たい足取りで逃げるように川の方へと走り出した。

「逃がすなっ」

「了解っ」

2人の男性がエニグマを追いかけ始めたとき、突如何も無い空から1つの巨大な火の玉が現れ、2人に向かって落ちていった。

爆風で吹き飛んだ2人に、傷を治す役の男性が駆け寄っていく。

その間にエニグマに意識を向けるが、まるで見えない何かに圧迫されるかのように胸元の赤い宝石が少しきつく感じた。

まずい、興奮し過ぎなのか、エニグマが言うことを聞かないみたい。

「今のうちにオレがあいつを回収すっからよ」

「ちょっとま・・・」

突然のエニグマの雄叫びに声が掻き消されると、2人の男性を見ているエニグマの体がほんのりと光り出し、更に巨大に変化し始めた。

・・・何が起こった?

あれも、進化薬とやらの効果なのか?

「何だこりゃ」

ドラゴンも知らないみたいだけど、エニグマは一体どうしたんだろう?

すると肋骨辺りからまた新しく生えた2本の腕のようなものと、背中にある腕のようなものの先端が3方向に開き、4本の腕のようなものから一斉に爆発音が轟いた。

するとその空気の波は地面をめくり上がらせながら、周りの木々や見物人もろとも3人の男性を盛大に吹き飛ばしていった。

随分と狂暴になったな。

けどもう邪魔な男共は居ないし、さっさとエニグマを回収しないと。

あれ・・・。

「ドラゴン、だめだ、もうエニグマの精神をコントロール出来ないみたい」

「・・・そうか。んじゃ、殺すしかないだろ。データは諦める」

「分かった」

上空からの巨大な火の玉にエニグマが怯んだ隙に、プラズマを手に集めて剣を作り出し、エニグマの首筋に突き刺して剣先からプラズマを放電させる。

セイカの新兵器にしては、このプラズマは結構役に立つな。

痙攣しながらエニグマが倒れ込んだときにすかさず剣を更に奥に突き刺す。

肉を焼きながら裂くようにして剣をエニグマから抜くと、首筋から血が溢れ出る中、少ししてエニグマから殺気が完全に消えた。

翼を消して周りを見ると、見物人の目がすべてこちらに向いていた。

何か目障りだけど、関わらない方が良いか。

「・・・いやぁ、これはさすがに想定外だな。ま、実験に関しては、この目でちゃんと見たから良いけどよ」

「じゃあ、これからどうするの?」

「とりあえず帰ろうぜ」

ドラゴンと共に見物人が居ない方へと歩き出し、なるべく早くその場を後にした。



「もう終わったの?」

「あぁ」

一気に安心したような表情になったミサはすぐに微笑みを浮かべてグラスを手に取った。

「何だったの?」

ミサの隣に座ったときにヒカルコがそう聞くと、ミサも話を聞こうと顔をこちらに向ける。

「大阪の組織にいる知り合いが、宮崎の組織のことを調査するんだって。もし、大規模な悪の組織だったら、乗り込むことになるから、その時は力を貸して欲しいっていう話をしただけだよ」

「ふーん」

ヒカルコが落ち着いた表情で頷いているが、ミサは腑に落ちない顔で首を傾げていた。

「でも何でわざわざ呼び出したのかしら?メールにそう書けばいい話なのに」

「どうしても会って言いたかったんじゃない?」

頷いてはいるが、それでもミサはまだ悩んだような表情でこちらを見ている。

「そう・・・それにしても、ただ話をしただけにしては、逆にちょっと遅くなかったかしら?」

「帰る前にちょっとシキと戦ったんだ。シキも覚醒したって言ってたから、試したかったんじゃない?」

ようやく納得したように頷きながら笑みを浮かべたミサは、更に嬉しそうにニヤつき出して顔を寄せてきた。

「じゃあ、これからランチ行きましょ?・・・大丈夫よ、あたしがお金払うから」

「そうか」

靴を持ってミサの家の部屋に入り、部屋からすぐ左手の階段を下りたとき、ふとこちらの方を見た2人の女性が執事の男性と共に近づいてきた。

「ミサが男連れ込んでるー。てかいつから?全然見たことないしー、しかも何で靴持ってんの?普通玄関から入るでしょ、ウケるんですけど」

「アリスっ」

「お姉ちゃん知ってる?このおじさん」

レイコがこちらに目を向けると、レイコは微笑みながらゆっくりを会釈をした。

「どうも」

「知ってんのかいっ何でアリスだけ知らないのー?ミサひどくない?彼氏出来たんならちゃんと紹介してよー」

「ちょっと、まだただのお友達なのよ」

恐らくミサの妹であろうその女性がこちらをなめ回すように見ると、少し近づきながら再度顔を覗き込んできた。

「おじさんじゃないじゃん、超若いじゃん、何それ、オシャレだと思ってやってんの?」

「何となくだよ」

「はぁーん、んで?あんた誰なの?」

「ちょっとアリス、もうちょっと行儀良く出来ないの?」

アリスと呼ばれた女性はミサに顔を向けるが、反省する様子もなくすぐにレイコに顔を向けた。

「お姉ちゃんいつから知ってんの?」

「・・・確か3週間くらい前に、ミサの部屋で、お会いしたのよ」

あれだけ速く喋るアリスでも、レイコの前では成す術も無いみたいだな。

「へー・・・てかミサ、ライブ行くにはちょっと早過ぎんじゃない?指定席あるくせにまさか陣取りしようとか思ってんの?」

「ち、違うわよ、今は一緒にランチ行くだけよ」

「あそ・・・じゃ行ってらっしゃい。お姉ちゃん行こ?」

アリスとレイコがエントランスの奥にある扉に向かうと、すぐに執事が扉の前に立ち、扉を開けながらミサが通るの待ち始める。

「じゃあシナガワ、ランチ行ってくるだけだから、すぐ戻るわね」

「はい」

シナガワに見送られたミサと共に家を出ると、すぐにミサが腕に手を掛けてきた。

「歳はそんなに離れてないの?」

「ううん、3人とも5歳ずつ離れてるわよ?」

「そうか」

ということはアリスはまだ15歳なのか。

ミサと同じくらいに見えたな、身長が同じくらいだからかな。

「ねぇ貴方、帽子でも被ったら?」

「何で?」

ミサを見ると少し戸惑うような表情で周りを見渡している。

「だって、その頭だと、すぐに貴方だって分かるじゃないのよ」

「そんなしょっちゅうテロなんて起きないし、北村刑事だってうろついてないよ」

そう言うとこちらに顔を向けたミサは言葉が詰まったように口をぱくぱくさせ始める。

「そ・・・そ、そうかしら?ほんとにそう、言い切れるかしら?」

確かにテロは最近増えてるしな。

住宅街から大通りに出ると、少し高級感のあるレストランに入り、席に案内されるとメニューを持ちながらミサが嬉しそうにニヤつき出す。

「ライブってほんとに体力使うから、今のうちに鋭気を養うのよ」

「そうか」

ステージに乗る側じゃないのに、そんなに体力がいるのか。

「やっぱりステーキはレアよね」



「おいおい、まだ生じゃねぇか?」

「私はこれくらいが好きなの」

網から引きはがし、黒く澄んだ色のタレにつけて口に運ぶ。

「ドラゴンってこの世界の人じゃないのに、よくこんな美味しいお店知ってるね」

「ああ・・・いや、これ見たんだ」

するとドラゴンは赤が基調となっている雑誌を1刷見せてきた。

受け取りながら少しめくってみると、割引券とやらと一緒に店についての情報が色々と書かれている。

「もしかして、また盗って来たの?」

「何言ってんだよ、そういう類の物は、誰でも持ってって良いらしいぜ?」

「ふーん」

雑誌をドラゴンに返し、再び箸を持って網からお肉を1つ取る。

この丸まった白いのは、弾力性があり過ぎだけど、何か癖になるな。

「お前、実験終わっても、まだこの世界に居んのか?そういやまだ敵討ち済んでないだろ?」

ドラゴンは箸を休めずに何気なく話す口調でそんな話しをし始める。

「・・・んー、でも、あの人には敵わないって分かったし・・・」

生焼けのお肉を1枚皿に乗せたとき、ふと沈黙が流れたので顔を上げると、箸を止めたドラゴンはこちらを見ていた。

「・・・何だ?はっきりしない顔だな、お前が敵討ちしたいって言うから、わざわざオレの仲間がそいつがどこに消えたか調べたのによ」

愚痴るような口調で話しながらも、ドラゴンは箸を動かしてお肉を1枚網に乗せる。

「うん、あ、でもまだ強くなれるんでしょ?だったら焦ることないじゃん」

「まあそうだな、まだチャンスはあるか・・・んん、ま、肉はどこの世界でも一緒だな」

ふと店を見渡すと、様々な内容の紙が壁に貼ってある中、先程見た平和を象徴させるような画のものが貼ってあるのを見つけた。

あんなふうに人々の記憶に残らせながら勢力を広げる作戦なのかな。

「いやぁ、食った、食った」

同じような黒い服を着ている人達を何となく見ていたとき、見覚えのあるような男性がこちらに近づいてくるのが目に入った。

「やっと見つけたぞ」

「君達、少々お話を聞いて貰っても良いですか?」

より見覚えのある澄ましたような顔の男性がそう言って少し前に出る。

「何だお前ら、オレ達に何か用か?」

「あぁ、あんたらあのデカブツを殺したんだろ?」

・・・エニグマの事か。

「そうだが?お前らが頼りなかったからな」

ドラゴンは少し警戒するような表情で面倒臭そうに受け答える。

「何だって?」

「まあ落ち着きなさい、クニサダ。私達は、君達に感銘を受けました。だから是非とも、私達と同じ道を歩んで頂きたいのです」

・・・縄張りにうるさいこの前の奴らと言い、こんな奴らとは関わりたくないな。

「お前ら何なんだ?」

すると澄まし顔の男性の隣に居る男性がニヤつき出し、自信が滲み出るような表情で前に出た。

「俺達はジンオウカイだ。俺達はな、すべての人類の頂点に立つ、神に選ばれた能力者なんだよ」

・・・ジンオウカイ。

神に選ばれた?

何をおかしな事を言ってるんだ、この人達。

どうやらハオンジュは生焼けのお肉が好きなようです。笑

ちなみにミサの身長は168cmですかね。でも三姉妹で一番高いのはレイコです。僅差ですが。笑

ありがとうございました。

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