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エネルゲイア×ディビエイト  作者: 加藤貴敏
第五章

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132/351

遠い空は、いつもより透き通って

「どこのどいつだか知らねぇけど、無事で帰れると思うなよ?」

その瞬間、その部屋に一筋の小さな閃光がほとばしると、同時に小さな落雷音と共に1人の男性が勢いよく吹き飛ぶ。

まるで心身のすべてを囃し立てる電撃のような緊迫感が体中を駆け巡ると同時に、すべての目線が吹き飛んだ男性へと向けられる。

僕もやらなきゃ。

とっさに腰までの高さがある1つのテーブルを持ち、目に付いた男性に素早く投げつけるが、テーブルは真っ直ぐ男性を通り過ぎるとそのままカウンターの背後に並べられた酒瓶に激突していった。

あっちゃー。

リアがこちらに顔を向けたとき、リアに向かって巨大な何かが迫ってくるのが目に入る。

「リアさんっ」

しかしリアがその方に顔を向けたときには、すでに龍の手のようなものがリアのバリアを丸ごと鷲掴みしていた。

な・・・でかい。

「くそ、バリアかよ」

その直後に再びリアの指から閃光がほとばしり、また別の男性が吹き飛ぶ。

「てめぇっ」

声を上げた男性の振り上げられた右腕が、甲冑を思わせる白い鎧に包まれてるのに気が付くが、考える間もなく、その男性の握り締められた右手はリアのバリアに勢いよく亀裂を這わせる。

「リアさん」

とっさに床を蹴って走り出し、その男性に向かって殴り掛かるが、勢いよく突き出した拳は、右手と同じように白い鎧で包まれたその男性の左手で真正面から受け止められる。

くっ・・・。

しかし僅かに押し返され、大きく後退りした男性はすぐにこちらに顔を向けながら舌打ちを鳴らした。

「馬鹿力が」

その時に右方向から何かを振り回す動きを見せるまた別の男性が視界に入ると、直後にまるで金属製の何かが打ち付けられたような音がこめかみに響き渡った。

「くそっ何だこいつ」

素早くその男性の腕を掴み、男性の脇腹に拳を叩きつける。

巨大なハンマーを持ったその男性が勢いよく複数のテーブルに激突していったとき、ふとこちらに向かって殴り掛かる、両腕を白い鎧で包んだ男性が視界に入る。

しまった・・・。

その直後、こめかみ辺りに凄まじい衝撃が襲い、景色が目まぐるしく流れていった。

あ・・・痛っ・・・。

重たい頭を上げて体を起こすと、目の前には両腕を白い鎧で包んだ男性、リアの目の前には何やら胸元を機械で覆った男性と、全身を白く刺々しい鎧で包んだ男性が居た。

く、このままじゃ。

「チッ死に損ないが」

そう言って男性は止めを刺そうとするように、素早く右手を振り上げる。

頭の中に過ぎった言葉を感じながら、とっさに男性の足元の床に勢いよく握り拳を叩きつけた。

すると突如舞い上がる床の木片が視界を覆う。

「んだよっ」

「りゃぁっ」

飛び込むように立ち上がる勢いで男性の腹に頭突きすると、顔を上げたときにはすでにその男性は決壊したカウンターの向こうで力無く倒れていた。

ふぅ、ふぅ・・・。

や、やった。

「お前ら、一体、どこの組織の、奴らだ・・・」

少し苦しそうに話す、全身を白い鎧で包んだ男性の声を聞きながらリアの隣に歩み寄ると、リアと対峙していた2人の内、胸元を機械で覆った男性はすでに気を失っていた。

すごい、リアさん、2対1でも優勢だなんて。

「白々しいね、その態度、本当は全然バテてないくせに」

え?・・・。

すると一瞬の沈黙の後、カウンターに手を置いていた男性はゆっくりと背筋を伸ばし、まるで余裕を見せつけるようにカウンターに軽く寄り掛かった。

嘘・・・リアさんでも倒せないなんて。

「そのウザいほどの頑丈さ、ちょっとあいつを思い出しちゃったよ」

あいつ?・・・。

「でもこの状況、どう見ても私達が有利だと思うんだけど?」

「・・・有利、か。お前らはあれだな、蛙だな」

・・・カエル?

再び訪れた沈黙の後、リアは呆気に取られたような声を出すが、その時にふとその男性から感じる闘志の薄さに違和感を感じた。

「何それ、意味不明なんだけど」

「だから、井の中の蛙、ってやつ」

「何それ、私達のどこか世間知らずなの?」

男性がゆっくりとどこかに目を逸らしていったとき、突如リアの右手が熱を帯びながら赤々と燃え盛る炎に覆われる。

しかしそんな殺気を見せつけるリアを前に、男性は急に笑い声を上げる。

な、何だよ・・・。

「良いのか?俺なんか相手にしてて」

「は?何それ、今更命乞い?」

「最初、お前は俺にネイチャーセーバーの仲間かって聞いたよな?」

落ち着いた口調で喋り出した男性のその雰囲気に、リアの手に灯る炎が自然と小さくなっていったのにふと気が付いた。

「俺達は、ネイチャーセーバーとは関係無い」

え、どういうこと?

じゃあ、ここは・・・。

リアの手から炎が消えると、腕を組んだリアと男性の間に妙な静けさが流れ始める。

「ネイチャーセーバーと名乗る組織は確かに存在するが、俺達はただその名前を使っただけでな」

するとそんな話をしながら、男性はゆっくりと入口の方へと歩き出した。

何をする気だ?

男性と距離感を保ちながら気を引き締めていたが、男性は特に何をする訳でもなく静かに入口の前で立ち止まった。

「要はカモフラージュってやつだな。お前らは、まんまと戦力分散の罠に嵌まったって訳だ」

戦力分散?何だって?

再びリアの手に炎が灯ると、男性はその佇まいから徐々に闘志を伺わせていった。

「今頃、アミシマの裏切りに混乱しながら、アリサカは1人で俺達と戦ってるんだろうな。さて、ここを通りたきゃ・・・分かってるだろ?」

その直後に男性に向かって燃え盛る炎が投げつけられたが、その炎は強く振り払われた男性の腕に呆気なく形を崩されてしまった。

そんな、アリサカさん。

まさか、アミシマさんが裏切った・・・。

でも・・・。

「音也行ってっ」

「え」

「ほらっ」

こちらに顔を向けた男性に向かって走り出すと、男性はその場からは動かずに素早くボクシングをするような構えを見せる。

そしてこちらが拳を振り上げると同時に、男性はその場で素早く拳を突き出すが、その瞬間、明らかに届かないその距離でもまるで腹を強く殴られたかのような衝撃が襲ってきた。

えっ・・・。

思わず尻もちを着いたが、直後に一筋の閃光が男性に向かってほとばしり、そして男性の上半身が燃え上がる爆風に覆われた。

勢いよく入口の扉に背中を着けた男性から爆風を突き抜ける何かが飛ばされていくと、それは真っ直ぐ上体を反らしたリアの横を通り過ぎていく。

何だあれ、まるで拳が飛んでるみたいだ。

その直後再び一筋の閃光が男性に向かってほとばしっていくと、続けてその場に3回の爆発音が轟いた。

うわぁ・・・容赦ないなぁリアさん。

入口の扉と共に吹き飛んでいった男性だが、扉の枠に手を掛けた男性は立ち上がりながら再びそこに立ちはだかる。

しぶとい、だけど効いてない訳じゃないみたいだ。

すぐに走り出すと、男性は再びこちらに向けて拳を突き出そうして見せる。

避けるか、いや。

男性の拳に集中し、男性が拳を突き出すと同時に同じように男性に向けて拳を突き出す。

くっ・・・。

「りゃあっ」

目には見えない何かを押し返した感覚を感じると、直後に男性は腹辺りに衝撃を受けたかのように体勢を崩す。

「くっそ」

その直後に男性の胸元に一筋の透明なものがほとばしったが、男性の胸元を貫き、背後の壁に血しぶきを掛けたのは電撃ではなく、水だった。

「っ・・・はっ・・・」

やった・・・あの鎧を貫いた。

「ふぅ、リアさん、すぐにアリサカさんのとこに」

「ちょっと離れて」

え・・・。

殺気を宿したリアの眼差しに自然と足が動くと、リアは最後に男性に向けて電気を纏った突風を浴びせ掛けた。

容赦、ないな・・・。

「さぁ、行こうか」

「・・・はい」

それにしても、リアさんの、炎と電気、風と水を操る力の仕組みはどうなってるんだろう。

今度聞いてみよう。

「そういえば、アリサカさんはどこの拠点に行ったか分かりますか?」

「うん、メールに書いてあったから」

リアがシールキーで作った扉を抜けると、真っ先に数々の高層ビルが視界に入った。

ここは、新宿?

こんな都会に、テロ組織の拠点が・・・。

でも潜伏するならその方が良いのかな。

「あの、思ったんですけど、アミシマさんは何でわざわざ僕に別の拠点の話なんてしたんですかね。アリサカさんを罠に嵌めたいだけなら、戦力分散も必要ないと思うんですけど」

「まぁ、それは本人に聞けばいいよ」

そう言ってリアは目の前にある、5階ほどの高さがあるビルに指を差す。

ここに、アリサカさんが・・・。

小走りでビルに入り階段を上るリアの後について、2階にある大きなホールのような場所に入る。

するとそこには1人の倒れた男性が居て、奥にはその男性を遠くから眺める、数人の男女が居た。

「アリサカさんっ」

アリサカに駆け寄るとアリサカはゆっくりと顔を上げたが、すでに疲労しきったその表情からは闘志の欠片も伺えなかった。

「やっと来たな」

「アミシマさん、何で・・・」

前に出たアミシマがふてぶてしく笑みを浮かべて見せたその瞬間、アミシマを含めたすべての男女が一瞬にしてその表情を引き締める。

その直後に背後からアミシマ達に向けて炎の塊が飛んでいったが、炎の塊はアミシマ達の目の前でまるで壁にぶつかるようにその形を失った。

「無駄だよ。全く手が早い人だ」

後ろを振り返ると、腕を組んだリアは黙ってアミシマ達を睨みつけていた。

「・・・何で」

「ん?」

「何で、わざわざ僕に、別の拠点の話なんて」

「そりゃあ、こうやってアリサカの無様な姿を仲間に見せるためだ。独りきりにさせて潰したって意味無いからな」

5対2か・・・。

さっきも同じだったし、勝てない数じゃない。

「下手な真似はしない方がいい。もうすでに、この建物は警察に包囲されてるからな」

何だって?

「さあどうする?逃げるか、アリサカみたいに這いつくばったまま警察が来るのを待つか」

「そんなの、やってみなくちゃ分からない」

何も考えず、速攻で決めるっ。

全速力で走り出した直後に背後から閃光がほとばしり、目の前の何も無い場所で爆風が広がる。

ちょうどいい、バリアの位置が分かる。

足を踏ん張り、拳を強く握り、肘を引く。

「りゃっ」

何かが割れるような感覚がした後に誰かの小さな悲鳴が聞こえたが、広がる炎が空気に溶けて視界が晴れた直後、まるで両脇を締め付けられるような感覚が襲ってきた。

何だ、これ。

閃光がほとばしり、男女の背後の壁に爆風が広がる中、1人の男性が目の前まで駆け寄ってくると、その男性は素早くこちらの腹に拳を叩き込んだ。

どうしよう、動けない。

とっさに男性の顔を殴りつけるが、男性の顔から何かが砕ける小さな音が鳴り、男性が激しく床を転がって勢いよく壁に激突していった後も、脇腹の拘束が解けることはなかった。

「くそっ」

まるで大型トラックに真正面から突き飛ばされたかのように力無く倒れた男性を見ながら、別の男性が恐れを伺わせるような素振りを見せたとき、突如ホールの入口から誰かの叫び声のようなものが聞こえる。

後ろを振り返ると、そこにはすべての入口を塞ぎながらこちらの方に銃を向ける、数人の武装した警察の人達が居た。

うわ、何だ、すごいな、ああいうのテレビでしか見たことないのに。

「警察の皆さん」

喋り出した男性に顔を向けたとき、すぐにその男性の隣で屈む女性の足元に倒れ込むアリサカの姿が目に入る。

アリサカさんっ・・・。

「アリサカの身柄は改めて渡すので、今はその2人を。では」

するとその直後、壁際で1人意識を失った男性以外の人達は皆、アリサカを連れて一瞬にしてその姿を消していった。

あっ・・・。

そんな、アリサカさん。

「お前達はアリサカソウマのグループに所属するテロリストだな。この建物はすでに警察が包囲した。そして我々には射撃の許可が出ている、大人しくして貰おう」

まさか、これが、わざわざ僕に拠点の話をした、本当の理由?・・・。

「リアさん」

「音也、今はとりあえず逃げるしかないみたいね」

逃げる・・・警察は普通の人達だし、手加減しないとな。

「はい」

待合室のソファーに座っているときに感じた沈黙の中、ふと初めてここに来るときの記憶が頭の中に甦える。

アリサカさんとはあまり話したことないけど、やっぱり助けなきゃ。

そんなふとした沈黙を破るように突如壁に扉が現れ、開かれた扉からホンマが姿を見せたとき、胸の底に小さな闘志が沸き立ったことに自分でも気が付いた。

「アリサカはどこだ?」

「分からない、けど、相手は警察だし、取り返すのは難しくないと思う」

「あぁ」

続いて別の扉からカサオカが入ってくると、深刻さに満たされた待合室の中に居る自分に、初めてアリサカの仲間に居るという感覚が実感出来た。

「それで、アリサカを嵌めた奴らはどこの奴らなんだ?」

「分かんない、何も言わずに逃げられた」

重々しい表情で頷くホンマを見るカサオカやリアも、その状況を受け止めるように黙り込む。

「あの、そもそも警察ってどうやって能力者を捕まえてるんでしょうか」

「眠らされてるか、最低でも目隠しはされてるだろうな、目が見えないってだけで、大抵の魔法系の奴は能力を使いづらくなる」

眠らされてる・・・。

それじゃ、普通に刑務所に入る訳じゃないのかな。

「とりあえずまず、アリサカがどこに居るかを知らなきゃだが・・・どうするか」

・・・ネットに脅迫文を書いたって、意味無いか。

「あ」

無意識に声を出してしまうと、3人はすぐに揃ってこちらに顔を向けてくる。

うわ、どうしよう。

「何か思い付いたか?」

「あの・・・都庁とかに立て篭もって、アリサカさんの解放を要求するとか」

案外、映画みたいなことをやったら上手く行くかも知れないな。

「・・・今は警察と連携する能力者の自警団なんかがあるからなぁ。派手にやるのは避けた方が良いだろうな」

「そ、そうですか」

ふ、普通に却下された・・・。

でもカサオカさんが真面目に応えてくれたのはちょっと嬉しかったかも。

いやいや、それより他に方法はあるかな?

そんな中、小さなため息を吐きながらホンマがおもむろに背を向ける。

「なぁ」

そして口を開いたホンマに、カサオカは落ち着き払ったふとした表情を向けていく。

「オレ、しばらく1人でやるわ」

しかしその瞬間、すぐさまカサオカはその眼差しに鋭さを伺わせる。

「お前まさか・・・」

「いや、ここを抜けるつもりはねぇよ。だがアリサカが居ないんじゃ世間も食いつかねぇしな。だからオレはオレなりに力をつけて、アリサカを嵌めた奴らを調べるよ」

ホンマさんは、アリサカさんよりも復讐を優先させるのか・・・。

「そうか、ならアリサカのことはこっちで何とかする。じゃあ何か分かったら連絡してくれ」

「・・・あぁ」

冷ややかではあるものの、刺々しさの無い空気に満たされた待合室からホンマが去っていくが、閉じられた扉を見ていたカサオカの表情はどこか苛立ちを感じさせていた。

「ねぇ、どうするの?何か良い方法ないの?」

しかしカサオカは苛立ちを宿した表情のまま、黙って目を逸らしていく。

ネットで、何か出来ないかな・・・。

「あの、協力者を使うのはどうですか?」

すると顔を上げたカサオカはその眼差しに若干の落ち着きを見せる。

「アリサカさんを英雄扱いするサイトで状況を説明すれば、きっと皆協力してくれますよ」

するとリアと顔を合わせたカサオカの表情からは、どことなく共感を示すような態度が伺えた。

「人手が増えれば、それだけ出来ることも増えてくるか・・・そうだな、その手は使えるかもな」

「ちょっと、何言ってんの?今さっきそのネットで選んだ人に裏切られたくせに。私、もう信用出来ないよ」

するとカサオカは反論しようとはせずに、再び深刻そうな顔色を見せながら小さなため息をついた。

「けどなぁ、このままじゃどうしようもないだろ?それならあんたは何か考えてんのか?」

「え・・・」

そんなカサオカの問いにリアが言葉を詰まらせると、待合室には再び焦りと苛立ちを纏う空気が流れ出していった。

どうしよう。

本当に、このまま何も出来ないのかな?

ふと頭の中にアリサカを連れていった人達の姿が過ぎる。

僕がもっと強ければ、あいつらを倒せてたら、こんなことにはならなかったのかな。

「あの・・・もっと強くなるには、どうすれば良いんでしょうか」

2人がこちらに顔を向けると、すぐにカサオカの真っ直ぐな眼差しに目を捕われた。

「お前、覚醒はしてないのか」

「え」

覚、醒?・・・。

「知らないのか。俺達の力にはな、簡単に言やレベルがあるんだ」

レベル・・・うわ、何かゲームみたい。

「じゃあカサオカさん達は皆レベルアップしてるんですか?」

「まあな、それに魔法の鉱石を使って別の力も手に入れてる」

へ?・・・な。

「何ですか別の力って」

鉱石?って、まさか。

「俺達だって詳しくは知らないけどな、魔法の鉱石を使うと力をもう1つ持てるんだと」

何だってっ・・・力を、もう1つ?

「え、そ、それ、すごくないですか?」

「あぁ。まぁとりあえずお前は強くなることが先だな、今はアリサカのことは俺達に任せろ」

「あ、はい」

あのクリスタルに、そんな力が・・・。

レベルアップした力に、別の力か・・・だからリアさんはあんなに強かったのか。

なら僕も絶対に強くならなきゃ。

アリサカさんの仲間なんだし。

あ、そうだ電話しなきゃ、緊張するけど。

手紙に書いてある番号に電話を繋げると、J-POPの曲に設定されている呼び出し音に何故か緊張感が増したように感じた。

「はい」

「あ、伊勢谷です」

「うん」

そういえば、こんな声だったっけ。

「そういえば、今日はすぐに居なくなっちゃったよね」

「・・・うん」

そういえば僕ってテロリストなんだよな。

「でも結衣歌は平気だよ。伊勢谷君がアリサカの仲間でも」

「そ、そう?」

やっぱり学校でじゃなくてこういう風に話す方が近く感じるな。

公園のベンチに座り、蒸し暑さの感じる風に吹かれながら、空を見上げる。

「ねぇ、今更だけど、結衣歌と、付き合ってくれる?」

「・・・うん。僕も気になってたんだ、山川さんのこと」

きっとこれからなんだ、アリサカさんの仲間として・・・。

「ほんと?・・・良かった」

それに、カノジョも、出来たし・・・。

人生もまだ捨てたものじゃないのかな・・・。

当初はここまでが第一章だと区切ってました。なので言い替えると、ここまでが第一幕とでも言いましょうかね。ちなみに、音也くんは第五章のゲスト主人公でした。

ありがとうございました。

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