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エネルゲイア×ディビエイト  作者: 加藤貴敏
第五章

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ヒーローは突然に

素早く巨人に向けて絶氷弾砲を撃つが、大きな炎を纏った手で受け止められると、更に破裂した氷の弾の爆風で巨人の姿が見えなくなる。

おっと・・・。

爆風が消えるのを待ちながら絶氷弾砲を構えていたとき、突如巨人の前に円を描くような位置で炎の塊が6つ現れ、そして瞬く間にその6つの炎の塊から槍のような長い炎が飛んできた。

すぐにもう片方の手にも紋章を出して槍のような炎を防いだものの、太ももと肩、左胸の下辺りに貫通した槍のような炎はそのまま地面に深く突き刺さった。

仮にも炎だし、絶氷牙じゃ貫通されてもおかしくないかな。

しかも槍のような炎はずっと燃え続けていて消える気配がないので、仕方なく肩に刺さってない方の手を巨人に向けるが、すぐにまた放たれた槍のような炎に手を貫かれ、身動きが取れなくなる。

油断したか。

「ソル・ラグナロク」

辛そうに立っているヒロヤが両手を勢いよく振り下ろすと、ヒロヤの動きに勘づいたその巨人は何やら素早く6つの炎の塊を特大の光の剣が降ってくる方に移動させる。

すると6つの炎の塊が炎の線で繋がり合い、魔法陣を思わせるものになると、巨人はそれを盾のように扱い、太陽のように光り輝く巨大な光の剣を受け止め始めた。

きっと1回は覚醒してるだろうな。

あんなテロリストが、今この日本にどれくらいいるんだろ。

体と地面に押し潰されていた尻尾がようやく抜け出せたので、尻尾から巨人の顔に向けて絶氷弾を撃ち、巨人の気を逸らせる。

すると集中力が途切れたのか、特大の光の剣が半分のところまで砕けたときに炎の盾は消え、そのまま特大の光の剣に押し潰されながら巨人は轟音と共に地面に倒れ込み光の爆風に包まれていった。

何とかなったか。

さっきよりやじ馬が増えたみたいだし、今極点氷牙になったら衝撃波がやじ馬にまで届いちゃうかな。

しかし特大の光の剣が突如噴き出した巨大な炎の柱によって消し飛ぶと、巨人はまるでものともしないように素早く立ち上がり始める。

え・・・。

そして巨人が炎を集めた拳を地面に叩きつけると、地響きと共に数発の炎の塊があちこちに一斉に飛び散った。

ある炎の塊は建物を破壊し、ある炎の塊は地面に落ちたときの爆風で避けようとしたヒロヤを激しく吹き飛ばし、そしてある炎の塊はやじ馬達の中へと飛んで行った。

仕方ない、極点氷牙になって早く終わらせないと。

「あーあ、見てられないな」

そんな時に突如そう呟きながら1人の男性が近寄ってきて、体のあちこちに刺さっている槍のような炎を落ち着いた表情で見つめてきた。

何だ?誰だろ。

「なぁそれ、すぐに抜け出せる感じ?」

「あ、まぁ、わりと」

小さくニヤつき出すと、その男性は巨大化した人の方に体を向け、おもむろに両手を小さく広げた。

するとどこからともなく男性の腹の位置に、横に伸びた白い楕円形の何かが現れ、同時にその楕円形の両端から男性の腰を巻くようにベルトが現れた。

「変身」

男性が真ん中にある模様のついた白い楕円に向かって、左右にある三日月の形をしたものを両手で同時に挟むように動かす。

「Drive!Infinity!」

真ん中の白い楕円から声のようなものが聞こえると、突如男性の全身が筋肉質な白いスーツに包まれた。

「相手は炎か」

呟きながら男性は真ん中の白い楕円の、2つのSの文字が風車のように重なった模様に指をかけ、そしてそれを時計回りに4分の1だけ回す。

すると真ん中の楕円から左右の三日月の形をしたものが離れたが、すぐに男性は再び左右の三日月の形をしたものを同時に真ん中の白い楕円を挟むように動かす。

「Drive!Volcano!」

再び真ん中の白い楕円から声が聞こえると、男性の全身を包む白いスーツが赤く染まり、頭や肩、腕や脚の一部が刺々しく変化した。

「じゃあ、ちゃちゃっと加勢してくれよ」

こちらに顔を向けて一言告げると、男性は巨人の方へと走り出していった。



「もしもしアリサカ?、今、幕張海浜公園のテロ組織の奴を1人やったところなんだけど・・・うん」

それにしても、リアさんって見た目はモデルみたいなのに空手も出来て戦い慣れてる、きっとこの組織のファンの人もリアさんのファンだっていう人が多いんだろうな。

「分かった。じゃ。きっと仲間がやられて動きを見せるかも知れないから、今は待機だって」

「はい。別の奴が出たらやっつけるっていうのを、繰り返してれば良いんですかね」

「ああ、そうかもね、結果的にテロ組織を潰せれば良いんだし」

テロの情報なら、ネットを見れば分かるし、案外簡単だな、この仕事。

「じゃあ、後々のために電話番号教えてよ」

「あ、はい」

何だろ、何か嬉しい。



とりあえずこの炎を何とかしないと。

体より地面に刺さってる方を折れば抜け出せるな。

助っ人の男性が両肘と両かかとから火を噴き出し、飛ぶように向かっていって巨人の胸元を殴りつけると、踏ん張りながら巨人も負けじと炎を纏った拳で殴り返していく。

そんな情景を見ながら体を少し反らせて尻尾を体の下に向け、紋章を重ねた絶氷弾を撃つ。

3発目の後に体が宙に浮き上がる感覚がしたので、すぐにブースターを出して体を浮かせながら、折れずに残った槍のような炎から掌を抜く。

その途中で助っ人の男性の方に目を向けてみると、巨人が放つ炎の塊を真正面から受けても、まるで効いていないかのように後ずさりすらしない。

炎に強そうだな、あれ。

掌の穴を塞いで太ももに刺さった槍のような炎を両手で掴むが、その瞬間にまるで気化するように掌から水蒸気が溢れた。

やっぱり力を入れると鎧が溶けちゃうな。

でも空は飛べるようになったし、やじ馬から離れられるか。

「よぉ、抜け出せた感じ?」

巨人が放つ炎の塊を片手で払いながら、助っ人の男性が後ずさりしてきた。

「まあね」

「じゃあ、ちょっと動き止めてくれない?」

「分かった」

巨人に目を向けると、その巨人は再び6つの炎の塊を出現させたので、ブースター全開で素早く回り込みながら絶氷弾を撃つ。

6つの炎の塊から放たれる槍のような炎を避けながら、敢えてその巨人の目の前に飛び込み胸元に絶氷弾を撃つ。

するとすぐに2つの炎の塊に繋がれた槍のような炎に体を貫かれ、そして瞬く間に2本の槍のような炎にも体を貫かれた。

止めを刺そうと巨人がこちらに近づき、炎を纏った拳を振りかざしたと同時に極点氷牙を纏う。

体中に刺さっている槍のような炎はすべて消し飛び、巨人も体の前面が凍りついたので、更に蒼月を2発撃ち込んだ。

こんなんで良いかな。

巨人が勢いよくメリーゴーランドに背中を叩きつけられるの見ながら、助っ人の男性の近くに降り立つ。

「・・・お、お前、やるじゃん」

戸惑ったような声色で助っ人の男性がそう言ってこちらの胸元を軽く叩くと、動きが止まっている巨人の方に走り出した男性は体中に炎を燃え上がらせながら飛び立ち、そして上空から巨人に向かって勢いよく飛び込んだ。

「ヴォルカニック・インパクトぉぉっ」

全身を炎で包んだ男性が叫びながら巨人の胸元に拳を叩きつけると、爆風のように広がる炎に包まれながら巨人はメリーゴーランドにめり込み、辺りには建物が崩壊する音が轟いた。

壊しちゃったけど、良いのかな?

周りを見渡すと、ヒロヤがパトカーのそばで倒れているので駆け寄った。

どうやら気を失っているみたいだ。

「ヒロヤ」

呼びかけながら軽く肩を揺らすと、ヒロヤはゆっくりと目を開き始める。

大きな怪我は無いな。

「氷牙君」

横たわったパトカーに手を置きながら、ゆっくりとこちらに近づいて来る北村に体を向ける。

「怪我は?」

「大丈夫です、全身を強く、打っただけで」

「そうか、一応テロリストが2人倒れてるけど」

巨人が居た方を見ると、巨人は元の人の姿に戻って倒れていて、途中から加勢してきた男性も元の姿に戻っていた。

「そうですか、ありがとうございます」

振り返るとヒロヤが立ち上がっていて、北村は疲れたような表情でこちらを見ていた。

「あの、すみませんが、これ、倒してくれませんか?」

「あぁ」

2人が車から離れたので潰れた窓枠を持ちながら丁寧に車を元の位置に倒すと、北村は扉が外れた運転席から入り込み、ぶら下がっていた無線を取った。

使えるかな?

呼びかけても応答がないところを見ると、使えないみたいだな。

「ヒロヤ、戻ろうか」

「・・・そうだな」

北村が携帯電話を取り出すのを見ながら鎧を解いて歩き出すと、やじ馬の中には救急車や、取材をするような機械を持った人達も見えた。

取材に応えている加勢してきた男性を横目に見ながら組織に繋がってる扉がある場所に向かう。

「あのすいません」

知的そうな雰囲気の眼鏡を掛けた女性に話しかけられたのでゆっくりと足を止めると、眼鏡の女性はメモ帳とペンを持っていて、自信が滲み出てるような笑みを浮かべていた。

「週刊アンバーズ・クイーンの者ですけど、お話、聞かせて貰っても良いですか?」

ヒロヤに顔を向けると、ヒロヤは少し迷惑そうに眼鏡の女性記者を見ていた。

「ちょっとなら」

するとこちらに顔を向けた眼鏡の女性記者はその微笑みを深くして見せた。

「もしかして、先ほど戦っていた能力者の方ですか?」

「えぇまぁ」

見てたのかな?

「それなら自警団の方ですか?」

「僕は違うけど」

すると眼鏡の女性記者は片眉を上げて微笑みながら、鋭い眼差しをヒロヤに向ける。

「じゃあ、あなたは自警団ですか?」

「まぁ、それほどのものじゃないが、違うとも言えないな」

頭を掻きながら少し困ったような表情でヒロヤが応えていると、眼鏡の女性記者は微笑みを浮かべて小さく頷いているが、依然として強気な自信をぶつけるような、鋭い眼差しでヒロヤを見ている。

「自警団とは言え、あなたも能力者ですよね?戦いの最中に一般人にも被害が及ぶことは考えないんですか?」

「そう言われても、それが目的のテロリストだって居るだろうしな・・・」

確かにテロってそういうものだしな。

「オレはだからこそテロリストを戦闘不能にするのを優先的に考えてんだけどな」

「一般人の命より、ということですか?」

眼鏡の女性記者が若干見下すようなニヤつきを向けると、ヒロヤは面倒臭そうな表情で目を逸らす。

「・・・オレは救命医じゃない、それにやじ馬だって救急車も呼ばないのはおかしいんじゃないか?」

小さく眉間にシワを寄せた眼鏡の女性記者は小さなため息をつきながらメモを取っている。

「確かにそれはそうですけど、じゃあ最後に1つだけ、能力者から見て、能力者に対する世の中の見方について、どう思われますか?」

「あぁ?・・・あー」

ヒロヤは相当困ってるみたいだ。

そういえば異世界に行ってたから、どんな内容の世論か分からないな。

「逆に、オレら能力者の方が肩身が狭いと思うんだけど、能力者って知った途端に何か避けられるしな」

「そうですか・・・ありがとうございました」

メモを取った後に自信が滲み出るような眼差しで微笑みながら軽く頭を下げた眼鏡の女性記者は、ヒロヤが応えると颯爽とやじ馬の中へと去って行った。

組織に戻ると、キーボードを片手で叩きながらおじさんは半分だけ体をこちらに向ける。

「お帰りなさい、怪我はありませんか?」

「あぁ、たいしたことはない」

おじさんに応えながらヒロヤは止まることなく会議室に向かっていく。

「お帰りー、怪我とかある?」

会議室に入るなりマナミが少し心配そうな表情で声を掛けてきて、それにつられるかのようにミント達もこちらの方を見る。

「いや、マナミの力を使うほどじゃないよ」

ヒロヤが優しい口調で応えるとマナミが笑顔で頷いたので、ヒロヤと共にホールに戻った。

ライムミントが居たってことは他に援軍要請は来なかったってことかな。

レベッカとレンの下に戻り、こちらに気づいて笑顔になったレベッカと、寂しそうな眼差しでこちらを見ているレンを見ながら2人の前に座る。

「終わったの?」

「まあね、じゃあこれから公園行く?」

レベッカに応えると、2人は顔を合わせてからこちらに目線を戻す。

「じゃあまずあたしの部屋に行って、レンに合う服を探そうよ」

「あぁ」

「行こ?」

レベッカが笑顔でレンに目を向けるとレンが黙って頷いたので、レンを連れて部屋に向かうレベッカについて行く。

部屋の前に着くとレベッカはジーンズのホットパンツのポケットからカードキーを取り出し、扉の鍵を開ける。

分かりやすくしたつもりですが、分からなかったらすいません。笑

はい、仮面ライダーです。笑

ありがとうございました。

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