失恋
「くっは~~~~。いい天気~♪やっぱ晴れてる日の屋上は気持ちー!」
昼休み私は一人、屋上にきていた。とにかく一人になって考えたかった・・・・。
3日前 夢川大我は転入してきた日だ。
その日なっちゃんの様子がおかしかったため、昼休みどうしたのかききに言った。
「開花ぁ~。私、私ね、雄太に振られちゃった。」
「えっ・・!?」
雄太・・・なっちゃんの彼氏・・・振られた・・?
私は一回だけあったことがある。その時は二人ともすごく幸せそうだった。
あんなに仲がよさそうだったのに、どうして?
「昨日ね、メールしたの。そしたらね、電話がかかってきてね、うれしくってうれしくってね、飛びつくように電話に出たの。そしたらね、ごめんわかれてくれって・・・」
「なっちゃん・・・・」
なっちゃんは目にいっぱいの涙をためていた。
「納得できなくて、理由を聞いたの。」
「なんて、いわれたの?」
「ん。好きな人ができたんだって」
そういったら、なっちゃんは泣き出してしまった。
それは、辛い、大好きだった人に振られるんだ。平気で居るほうがおかしい。いくら彼氏が居ない暦を記録に残し続けている、私にもわかる。
だけど、なんて声をかけていいか、、、わからなかった。
「なっちゃん・・・。」
ただ、保健室につれていってあげられることしかできなかった。
その日からなっちゃんは学校に来ていない。
どうやってなぐさめたらいいのかも思いつかない。
大切な友達が悲しんでいるのに、何もできない自分に腹が立つ。
なっちゃんには、学校に来てほしい。いつも隣で笑っていてほしい。
そのためには、失恋の傷を癒さなければならない・・・。きっと簡単のようで難しい。
そんなことを考えながら私は空を眺めていた。
ピンポーン。
ピンポーン。
二回インターフォンを鳴らした。
「はーい」
「すみません。杉野です。夏樹ちゃんはいらっしゃいますか?」
「あら、開花ちゃんね!?ちょっと待ってね!」
ガチャ
ドアが開くとなっちゃんのお母さんがでてきた。
「こんにちは。開花ちゃん。夏樹、最近部屋にこもりきりなの。どうしたのかしらね~。」
「こんにちは。おばさん。夏樹ちゃんやっぱりこもってましたか~。」
「ま、あがって。話でも聞いてあげて?」
「はい、おじゃまします。」
コンコン
なっちゃんの部屋をノックし返事があったため中に入った。
「開花じゃん。どうしたの?」
「なっちゃんの様子を見に来たよ。」
「そっかー・・。」
「うん。」
重い沈黙が流れた。私は、何を言っていいかも分からない。
「開花、私さ、今すごい顔してるでしょ?!」
「え?あ・・・・う、ん」
「へへへ~。この三日間ずーーっと泣いてたもん。」
「そんなっ・・・」
「心配しないでよー。たかが一回の失恋よ?あんまひきずっちゃいけないでしょ」
なんで、私が聞きたかったようなことをなっちゃんはいったんだろう。
なんで、辛いのをこらえて無理して笑うんだろう。
なんで、なんで、そんな無理な嘘をつくんだろう。
私には分からないことだらけ・・・・。
「なっちゃん。無理、しないで。」
「え?無理って、、全然無理してないよ!もう全然元気元気」
もう、やめてほしい、そんな空元気。泣いてよ。我慢しないでよ。
「なっちゃん。我慢しなくていいよ、無理しなくていいよ、泣いていいよ、今までためてきた分。私にぶつけてよ。一人で抱え込まなくていいからさ。
胸無いけど、肩くらいならかすよ!」
「開花っ・・ふっ」
「え!?なんで笑ったの?おかしいこと言ったけ?」
「ありがとう。花遠慮なく肩貸してもらうよ」
そういってなっちゃんは静に泣いた。