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やちむんとサンピン  作者: 玲於奈
2/14

ダブルスコア

なし

その一団は現れた。

そして、寒いわけではないのに

ボードを持つ手がふるえた


さすがに商売柄

服装には氣をつかう

今日は、ロンドンセルフリッジにて

クリスマスバーゲンで買った

吊しのスーツ、日本円で8万円

経験から言って

日本の銀座、青山、六本木では倍の値だろう。

この円高のご時世に

誰が差額をふところにいれるのか。


街で見かける

円高還元の文字がしらじらしい。


私のスーツも負けていないが

さらに、その上をいくダブルのブラックスーツ

もちろんお値段は倍以上。


そして、その一団。

お値段以上に恐怖もダブルスコア。


私、高雄 秋則(28)


東京の

中堅私大を卒業後

この不況の中

とある会社に拾ってもらった


いちお

親会社は、

聞いてびっくりのあの超一流会社。


しかし、

秋則が入社した会社とは

単なる提携先に過ぎないことを

秋則は、入社してから知った。

親会社とは違い

ふけば飛ぶようなこの会社に

親から時々発注される玉。


立っている時のしけた陰氣顔。

営業にあるまじき顔。


今まで何度失敗したか。

しかしながら、ああ、やっぱり。

また、陰氣顔になってしまった。


しまった、顔に出てしまった。

クライアントに氣づかれたか。


彼らとの距離

あと10m。


先陣を切って歩く男の視線が痛い。


あんなに遠くからこちらを刺す。

ただ者ではない。


思わず作り笑い。

とびきりの営業スマイル。


「株式会社 丸井商事の皆様~

 ようこそこちらへ」


ああ、あの頃がよかったと現実逃避。



なし

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