表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/80

 何故私は、買い物よりもバトルの確認を先にしたのか。その答えは、最初に何を目的とした買い物をするかにあった。


 スキルフォースの中で、私は販売されているメニュー一覧を前に頭を悩ませていた。


 《 World 》では、スキルは大きく二種類に分けられている。

 取得するだけで効果がでる常時発動型の《パッシブスキル》と、MP(魔力)やSPスキルポイントを消費して使用する《アクティブスキル》の二つだ。


 私が修得した【かくれんぼ】は常時発動型のパッシブスキルであり、この種類のスキルは行動によって手に入る物が殆どらしい。

 そしてアクティブスキルの方は、基本的な物はスキル屋で買うことができ、熟練度を上げることで上位スキルが修得可能だとヘルプに記載されている。

 その他にも、どこかのボスモンスターからしか手に入らないレアスキルもあると公式HPに書いてあった。


 ともあれ、スキルである。


 メニューを睨むようにして考え込んでいると、耳に心地よく馴染む穏やかな声が優しい口調で話し掛けてきた。


「如何でしょう。お嬢様のお眼鏡に適う品はございますか?」


 声の主は、カウンターに立つ銀髪の男性NPCだ。 すらりとした長身を黒い燕尾服に似た服で包み、手には白い手袋。少し若いが、どう見ても執事にしか見えない。

 制作者、趣味に走ったな……。


「えーと……、すみません。ここって買い取りもしてますか?」


 私は曖昧に笑みを浮かべ、執事にしか見えない店長に尋ねた。

 人見知りの激しい私だけど、買い物くらいはなんとかなります。それに、相手がNPCだと思うと、なぜかあまり緊張しないで済むしね。

 

「はい、どれを売っていただけるのでしょうか?」


 店主の言葉と共に、目の前のメニュー画面がトレードメニューへと変わった。 横に表示されたイベントリから、ダンデリードのドロップアイテムを移すと、金額が提示される。

 【綿毛】が60Cで、【根っこ】はなんと150C!

 うわあ、根っこ高い! これは狙い目かも知れないなー。


「こちら二つで210Cとなりますがよろしいでしょうか?」

「はい、お願いします。それで、これとこれ、買います」


 ドロップアイテムを売ったお金でスキルを購入して、私は次に隣にある雑貨屋に向かった。

 ……雑貨屋の店員は、ツンデレな金髪ポニーテールな美少女でした。

 制作者……。


 さて、制作スタッフの趣味は置いとくとして。


 私が買った物は、スキル【鑑定】と【調合】。そして、アイテム《初心者用調合キット》と《薬草図鑑》でした。


 ……うん、その通り。回復手段を手に入れたかったのだよ。ソロで戦うなら、回復は大事だと思うし。

 回復系の魔法とどっちにしようか悩んだんだけどね。私のキャラは獣人で、体力や感覚に優れている反面、魔力系統はさっぱりなので諦めたのだ。


 ということで、ソロでもバトルが出来るってわかったから、回復に力を入れた買い物になりました。


 ……すっからかんになっちゃったよ。頑張って稼がなきゃ。

 その為にまず、バトルで削られた体力を回復しないといけないよね。

 回復薬は所持品に入っていたけど、薬屋で調べてみたら一つ200Cもした。

 序盤では痛い出費だと思う。だからこそ、自力で作る事にしたんだけど……。

 ……大丈夫! 座ってても回復出来るらしいから!


 お金が無いって切ないなーと哀しくなりながら、私は座り込むのに良さそうな場所を探して歩くのだった。

 スキルとアイテムを購入の回でした。

 説明が間違っていたり、分かりにくい場合は感想などで知らせていただけると助かります。


 5月13日、推敲。一部改定(《雑貨屋》で回復薬の値段を調べたを《薬屋》で、に。《LP》を《SP》に変更)しました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ