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何となく書いてみたら続きモノだったらしい^^;
「朱里、おい! 起きろって!」
すぐ傍らから聞こえる声は涼やかで耳に心地よい。
男勝りなその口調をもってしても、その魅力は1㎜たりとも損なわれずに頭の中に響いている。
こんな声で起こされたって全く起きる気はしない。
むしろずっと聞いていたいくらいだ。
「起きろっつってんだろがボケェ!!」
「ぶっ!?」
それはどんな口調になっても変わらなかったが、顔面に水をかけられたとなれば話は別だ。
すぐさま起き上がって鼻やら口やらに入った水を排除する。
むせる私を見下ろしているのは、美しいプラチナブロンドを腰の辺りまで伸ばした美少女だった。
宝石のような見事なブルーの瞳は怒りに満ちており、寝ている人間の顔に水をかけるという悪魔の所業をやってのけた犯人は彼女だと分かる。
それでも、こちらが怒る気にならないくらい彼女は美しかった。
同性の私から見てもそうなのだから、異性など彼女に触れることすらはばかられるのではないだろうか。
「お前朱里だよな」
「え?何で知って、るんですか?」
思わず遣い慣れない敬語が出てしまう程美しい。
とにかく美しいとしか言いようがない少女は、突然私の首根っこをつかむと引きずって傍らの湖に顔を押し付けた。
いじめられているかの様だが抵抗する気も起きない。
だって本当に・・・
「なっ・・・!?」
水面手前で停止させられた私が見たのは水面に反射する自分の顔。
ただし、今の今まで筆舌に尽くしがたいほどの美しさだと褒めたたえ続けた彼の美少女そっくりの顔だった。
多少丸みがない所を見ると男のようだ。
一番の違いは髪の色だが。
光り輝く銀色の髪が美しい少女とは違い、顔の横から流れてくる髪は今までの髪色と同じく烏の羽のような黒だった。
烏だなんて水面に映る彼に対して失礼極まりないが、とにかく違う。
首から手を放してくれていた美少女を見上げれば、美少女の目には涙がたまっていた。
つられて私の目にも涙がたまる。
「オレだ。アキラだよ」
「な、んで・・・私たち」
何が起きたのかはさっぱり分からなかったが、とにかく今の状態は夢ではなかった。
泣いて泣いて、泣き疲れて眠っても、翌朝目が覚めたのは同じ湖の畔だったのだから。
どれだけ続くかは未定ですが、何となく終わりは決めてるので最後まで書けるようがんばります。