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悪役令嬢もライバルもいない乙女ゲーに転生したけど幸せになれません  作者: さしうせすいそ


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日常が始まる

目が覚める

日常が始まる。


「おはようございます。リーユ様」


目が覚めたら目の前に知らない女性がいた。いや確か、昨日食事の際にそばにいてくれた女性だ。


「えっと……」

「私リーユ様の専属侍女のメリアと申します」

「あ、よろしくお願いします」


メリアと名乗ったその女性はきれいに笑って見せる。


「さて、朝の準備をしましょう」

「あ、なるほど」


言われるがまま私は準備をさせられる。王族の暮らし、創作物で見るようなことが普通に起きるのだ。


「まずはお着がえしましょう。どのお召し物がいいですか? 」


クローゼットを開けると大量のドレスが置いてあり、頭が痛くなる。

ここから選ばなければならないのか……


「えっと、一番動きやすいのって」

「こちらです」

「ではそれで」


ドレスというよりワンピースに近いタイプのものを選び着替えさせてもらう。


「これくらいなら自分でも着替えられそうな気が」

「いえいえ私の仕事ですので」


堂々としているメリアさんのことが素敵だなと思う。

自分に自信をもって、そうして胸を張れるのがとてもうらやましい。


「はい。できました」

「わ、きれい」


きれいに着せてもらったドレスを見て思わずドキドキしてしまう。

女の子が憧れる存在(プリンセス)になれたような気がして気分が高鳴る。



「まだまだですよ。お顔もきれいにしましょう」


幼い体に化粧はしないようだ。

顔を洗ってマッサージしてもらう。逆にそれだけできれいになるのだ。幼い体は本当にいいな。


「すごくきれいになった。素敵。ありがとうございます。メリアさん」

「メリアでいいですよお嬢様」

「えっと、メリア……ありがとう」


人を呼び捨てにするなんて初めての出来事で、私は少しそわそわしてしまう。

なんだか幸せだななんて感じてしまって本当に申し訳ない。


「では、朝食です。食堂に参りましょう」

「はい」


メリアに導かれるまま私は部屋を出た。


「リーユおはよう」


部屋を出た先にはトリ様がいた。


「リウス様!?どうして」

「リーユを迎えに来たんだ」


相変わらずの過保護だななんて思いつつ。私は差し出された手を恐る恐るつかむ。


「いくぞ」

「はい」


私を先導するトリ様を眺める。背丈はほぼ変わらないはずなのに、その背中はとても大きく感じる。

とても頼りがいのある兄の背中。リーユ()はどうしてこれを手放したくなってしまったのだろうか。


「おはようリーユ」

「今日もいい朝ね」

「おはようございます王様、女王様」


私は丁寧にお辞儀をする。いくらリーユと親子だと言ってもやはり目上の方とあいさつをして一緒にご飯を食べるのは緊張する。

どうやら食事はいつも四人で食べていたようで、それが日常のように食事の時間が始まった。


「リーユ昨日はよく眠れたか?」

「そうですね。体もすっかり元気になってしまいました。」

「それに対してリウスは隈ができているわね。また徹夜でお稽古? 」

「だってもっと強くならないといけないと思ったので」

「熱心なのはいいことだが、しっかりと睡眠をとらないと危ないぞ」

「すいませんお父様、お母様。でも……」


くすり、と笑ってしまう。

怒られているトリ様がかわいかったのもあるが、一番はとても幸せな家族だなと感じたからだ。

うらやましい空間を眺めているといやでも私と三人にある溝を気にしてしまう。

三人がそれを感じさせまいとしているから余計だ。


「リーユからも何か言ってやれ」

「あ、えっと……ダメ、ですよ?」


軽くトリ様のほうを見てほほ笑む。トリ様はフォークを止めて私を見つめた。


「えっとリウス様?」

「あ、いやごめん、気を付けるよ」

「そうしてください」

「あらずいぶん聞き分けがいいのね。両親の話は聞かないのに」


女王様がいたずらに笑って見せる。

それがなんだかおもしろくてみんなで笑ってしまう。

うらやましいな。こんなに幸せな世界なんて。

多分何もない、ただ話しているだけ。それでもとても楽しくて。

楽しいからその時間はあっという間に過ぎてしまって。

そして、朝食が終わった。

それぞれが席を立ち移動し始める。


「リーユは部屋に戻るのか?」


トリ様が私に声をかけてくれる。部屋に戻らないという選択肢があるのか?

だが、私は次の行動がわからなかったためメリアのほうを見る。


「はい。この後はおへやでお勉強でございます」

「だそうです」

「じゃあ部屋まで送る」


行きも帰りも……この行動もそろそろ不思議じゃなくなってきたな。

いつかこれに慣れてしまうのだろうか。それはちょっと寂しいな。

いつまでも新鮮な気持ちのままでいたい

私はその手をつかむ。

そして気づいた


「メリアがいるなら別に送迎は大丈夫な気がするんですけど」

「僕がしたいからするんだ。気にするな」


笑顔でそう言われたら私は何も言い返せない。

その顔はあまりにも卑怯だなんて思いながら私は部屋に帰った。


リーユの日常が始まりました。

さてこの生活にリーユが慣れることができるのか

早く慣れてほしいねえ。

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